順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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50順天堂グローバル教養論集 第一巻(2016)また、2点満点である採点規準の項目③は、予想だけのときには1点、文章構成を意識して予想に対する根拠まで書いているときには2点とするようにした。さらに、予想を立てるのが難しい課題の場合には、考えやすくなるような視点を与えることにした。 学習の振り返りでは、定型文を示す文章構成を意識させて振り返りが書けるようにしている。3点満点である採点規準の項目⑦は、振り返りが一言だけのときには1点、自分の考えや疑問に感じたことが書き加えられているときには2点、さらに、本時での重要事項を捉え文章表現を意識して書けているときには3点とした。4.2.3. 【手順3】:ワークシートの採点と朱書き 採点規準表(表1)の項目①~⑦を生徒の記述内容によって採点し、表の「点数」の欄に点数を書き込み、合計点数を書き入れる。 そして、生徒一人ひとりにどこをどのように書くとより点数が取れるかを「先生からのコメント」欄に書き入れる。例えば、課題に対する予想を書いているが根拠まで書いてなければ、「どうしてその予想になったのか、理由も書き入れよう。」などと朱書きをすることで、どこを意識して書けばよいのかが分かり、生徒一人ひとりが自己課題を把握できるようにする。4.2.4. 【手順4】:前時のワークシートの返却と本時のワークシートの配布 手順3で示した「点数」と「先生からのコメント」が書かれたワークシートを次の授業の最初に返却し教師からのコメントを読ませることで、本時では特にどこを意識して書いたらよいかを具体的に理解させる。そして、本時で使用するワークシートを配布し、前時の課題を意識させた状態で本時のワークシートを記述させる。4.3. 理科授業方法の工夫(その2)-「話合い活動」における方略- 一般的に、理科授業における児童・生徒同士の「話合い活動」の場面では、授業者が「話合ってください」と指示を出し、授業の流れに従って話合いが進む。しかし、それとは対照的に、児童・生徒が指示に戸惑い、顔を見合わせるだけでなかなか話合いが進まなかったり、話合いに参加する児童・生徒が限られて深まらなかったりするといった課題が見られることもある。 このような課題を克服するために、佐々・宮下(2014)は、小学校の理科授業において、ワークシート内に「コメントボックス」を設置し、グループ内の児童相互にワークシートを回覧しながら意見交流を深める工夫を行い、授業実践を通してその有効性を検証している。 本研究においては、予想、考察、まとめなどの場面において、グループごとのミニホワイトボードを用いた「話合い活動」を設定し、主体的な言語活動を通して、科学的な表現力を高める理科授業の工夫を行った。「話合い活動」における方略は、次の手順①~手順③で行った。4.3.1. 【手順①】:各グループにミニホワイトボードの配布 ミニホワイトボードはA3判の画用紙をラミネートした物を使用する。この手作りのミニホワイトボードは安価に作成できるとともに、自由に書いたり消したりできることから、グループ内での「話合い活動」も活発になることが期待できる。それに加え、黒、赤、青のミニホワイトボード用のイレーザー付きマーカーも一緒に配布する。裏面にはマグネットを貼り、グループごとに話し合ってまとめたミニホワイトボードを黒板に貼れるようにする。4.3.2. 【手順②】:グループの考えをミニホワイトボードにまとめる まずは生徒一人ひとりの考えをワークシートに明記させる。次に、配布したミニホワイトボードを用いて、グループで「話合い活動」をさせ、話合いでまとまった考えをミニホワイトボードに書いてまとめさせる。この際、黒板に貼ったときに全員が理解できるように分かりやすくまとめることを意識させる。

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