順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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54順天堂グローバル教養論集 第一巻(2016)ける抽出グループの「話合い活動」後のミニホワイトボードである。文章だけでなく絵を加えて誰が見ても分かるように説明しようとしていることが分かる。 全体の前で発表した際も、絵をもとに説明をしていたため、聞いていた生徒の中から「そういうことか」「すごく分かりやすい」などの声が上がった。また、予想と理由を分けて記述し、グループでの考えに根拠まで書かれているため、より説得力のある文章となっている。さらに、ミニホワイトボードマーカーの色も、絵の部分を青色、予想と理由を赤色、その他を黒色で書いており、見やすさも工夫されている。このように論理的な文章構成、並びに読み手を意識して見やすくなるように多くの工夫がなされていることが分かる。 図7は、4回目(第10時)において、黒板に貼り出した全9グループのミニホワイトボードと授業の様子である。 絵を用いて説明したグループは全9グループのうち3つのグループで行われていた。予想だけでなく根拠も含めて書いたグループは5つのグループで行われていた。 ミニホワイトボードを1回目(第4時)に用いた「話合い活動」での記述内容は、絵を用いて説明したグループはなく、根拠も含めて書いたグループは2つのグループにとどまっていた。それが4回目(第10時)には、記述内容を具体的により読み手を意識して書けるようになったグループが増加し、ミニホワイトボードを用いた「話合い活動」の効果が表れてきた結果であると捉えることができる。(2) 「話合い活動」時の発話記録 表4は、4回目(第10時)の検証授業におけるミニホワイトボードを用いた「話合い活動」時の抽出したグループ(生徒C・D・E・F)の発話記録を示したものである。この発話記録よりプロトコル分析を行い、「話合い活動」における科学的な表現の深まりの検証を行った。なお、C~Fは発話した生徒、アンダーライン・丸付き数字は分析上重要な発話を示す。 プロトコル分析の結果、抽出グループにおいては、生徒Fが司会役となって話合いが進み、①、②、④、⑥、⑦の発話は、本時の課題(話合いのテーマ)に対して、生徒(C・D・E・F)全員が自分の意見を表現していることが分かる。さらに、生徒全員が自分の考えを予想だけでなく根拠まで科学用語を用いて述べている。特に、①の「僕は、あのひだがあると、肺のときの肺胞と同じで、表面積が大きくなって、多くの栄養分を吸収できるからだと思います。」の発話は、前時までの学習を踏まえての発言であり、この後の「話合い活動」を活発にするきっかけをつくったと捉えることができる。 生徒Cの③の発話は、前時までに学習したことを想起し、本時の話合いと関連付けて話している場面である。前時に学習した肺胞の表面積の大きさがテニスコート一面分であることを想起し、本時と前時をつなげて考え、表現していることが分かる。図6. グループでまとめたミニホワイトボード図7. 黒板に貼った全グループのミニホワイトボードと授業の様子

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