順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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56順天堂グローバル教養論集 第一巻(2016)仕組みに興味を持ち、さらにこれまでの生活場面と照らし合わせて話し合っている場面である。授業で学んだこととこれまでの生活を結びつけて考え、授業で学んだことをこれからの生活に活かそうとしていることが分かる。 以上の、ミニホワイトボードの記述内容、並びに「話合い活動」時の発話記録から、ミニホワイトボードを用いた「話合い活動」を取り入れた理科授業は、グループ内における話合いを活発にさせ、自分の考えをしっかりと表現するとともに、文章だけでなく絵なども用いて、他の生徒により分かりやすく表現しようという意識も高めることができ、生徒の表現力育成に効果があると捉えることができる。6. 考察 -検証授業前と後における生徒の意識の比較を踏まえて- 採点規準表を設けたワークシートと、ミニホワイトボードを用いた「話合い活動」を取り入れた理科授業は、科学的な表現力が向上したのかを判断するために、質問紙により検証授業前の2014年9月初旬と、検証授業後の2014年10月に、3学級(109名)を対象に意識調査を実施し、双方の結果を比較した。表5に、検証授業前と後の生徒の意識調査の結果を示す。6.1. 採点規準表を設けたワークシートについて6.1.1. 質問項目1 「振り返りを書くときに、授業で習った語句を使おうとしていますか。」の質問に対して、検証授業前では「当てはまる」、「少し当てはまる」を合わせた肯定的な回答をした生徒が79.7%であったのに対し、検証授業後では92.4%となり、12.7%増加した。このことから、科学用語を使おうとする生徒が増加したことが分かる。6.1.2. 質問項目2 「振り返りを書くときに、文章構成を意識していますか。」の質問に対して、検証授業前では肯定的な回答をした生徒が70.6%であったのに対し、検証授業後では83.7%となり、13.1%増加した。このことから、論理的な文章を書こうとする生徒が増加したことが分かる。 ワークシートの「振り返り」欄では、検証授業実施前までは、本時の授業の感想を一言しか書かない生徒が多くいた。採点規準表による方略を重ねて行ったことで、本時の授業で学んだことに加えて自分の考えや疑問をも書けるようになった生徒が増加したと言える。加えて、振り返りにおいて学んだことを説明する際に絵などを描いて説明する生徒も増加した。 これらのことから、生徒たちの多くは自分の考えをもち、目的や仮説をもとに適切な科学用語や絵などを用いて論理的に表現することができるようになったと言える。つまり、科学的な表現力が向上したことが明らかになった。表5. 検証授業前と後の生徒の意識調査の結果質問項目当てはまる少し当てはまるあまり当てはまらない当てはまらない振り返りを書くときに、授業で習った語句を使おうとしていますか。 (授業前)24.355.415.35.0同上    (授業後)53.439.06.61.0振り返りを書くときに、文章構成を意識していますか。        (授業前)16.154.524.84.6同上    (授業後)28.854.914.02.3話合いをするときにミニホワイトボードがあった方がグループでの考えをまとめやすいですか。54.838.63.43.2(単位;%)

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