順天堂グローバル教養論集第一巻20160325
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76順天堂グローバル教養論集 第一巻(2016)表 医療における異文化対応ですべきこと、してはいけないことすべきこと–患者に正しい質問をすること。文化の4Cの質問(その問題をどう呼んで(Call)いますか?何が原因(Cause)だと思いますか?それに対処する(Cope)するために何をしましたか?心配なこと(Concerns)は何ですか?私の推奨する治療法について気になる点(Concerns)はありますか?)を心がける。–人々の価値観を理解しようと努めること。その価値観が行動に影響する。–患者に何が病気の原因だと考えるか尋ねること。–現在志向の人々(ほとんどの貧困者、農耕民族のルーツを持つ多くの国の人々)は予防医学を行うのが難しい。予防医学の重要性、また症状が消えても投薬を続けることがなぜ必要なのかを丁寧に説明すること。–患者が呼びたいだけの訪問者を呼ぶことを許容するよう努めること。–民間療法について治療に必要なものとただ安心のためにしていることを見分けること。–家族が患者を家で看病する場合、その家族にも患者と共に病状の説明をすること。–女性の貞節に関わる希望を尊重すること。覆いをかけること。–出来る限り、特に中東の患者の場合は、同性の医療者を担当させること。–ほとんどのアフリカ系アメリカ人は差別と偏見を受けたことがあると認識すること。–患者の宗教上の信仰心を尊重すること。適切な場合は聖職者を治療に同席させること。–対応している患者の属する集団に共通する信念や慣習について学ぶこと。–集団の中でも個々によって考え方に違いがあることを忘れないこと。–自分の考え方と異なる意見に直面した場合にも、寛容で受容的な態度を心がけること。してはいけないこと–人をステレオタイプで判断しない。各文化の集団に関する情報は概観であり、彼らを理解する最初の一歩でしかない。個人にその概観が当てはまるかどうか確認すること。–患者の痛みの表現によって痛みを判断しない。ある文化では痛みを大げさに表現し、他の文化では過小に表現することがあるからである。–患者が希望するまで鎮痛剤を与えるのを待たない。アジア系の人は、何も言わず苦しんでいることがある。–アイコンタクトが無いからといって、興味がない、何か後ろ暗いことがある、などと否定的に考えない。アジアでは、尊敬の印であるし、中東では礼儀正しさの印である。–立つ距離によって、強引だとか、冷淡だとか思わない。–全ての患者が、自分のことを自分で判断すると思わない。家族を重視する文化では、重要な決定は家族が行う。男性優位の文化では、妻や子供の医療上の最終判断は夫がする。–アジア、ヒスパニック系の人に氷入りの水だけを与えない。常温や温水を好む人も多い。–コインやカップを使った民間療法の跡を虐待の跡だと勘違いしない。–患者の食欲を、空腹感からにのみ起因するものだと思わない。体のバランスを保つために避ける食べ物や、宗教上の理由で食べられないもの、または患者が見たことが無いので食べないというものもある。–生死にかかわる診断を患者本人が知りたがっていると思いこまない。入院時、できればもっと前に、誰に病状を伝えて欲しいか確認すること。家族が本人に余命に関わる診断を隠すことが多い。Galanti (2008) “Caring for Patients from Different Cultures” Appendix 3 : Dos and Don’ts of Providing Cul-turally competent careより抜粋、本論文著者により要訳

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