順天堂グローバル教養論集_第二巻_2017年3月(ISSN2424-0001)
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41アクティブ・ラーニングによる中学校英語授業の実践研究 プロトコル分析の結果、抽出グループにおいては、生徒Cの解答ができていないことから、生徒Bが生徒Cに教える形で「話し合い活動」が進んでいることが分かる。 生徒Bは発話①で、「Heのときはhaveでなく、hasになるんだよ。」と教え、生徒Cも発話②で、「He has」と理解を示している。 続いて、生徒Bは発話③で、「次に、be動詞の過去分詞を入れるんだよ。」と教え、生徒Cも発話④で、「been」と反応を示している。これに対して、生徒Bは発話⑤で、「そう。He has been」と生徒Cの回答を認め、意欲を引き出そうとしている。さらに、生徒Bは発話⑥で、「で、心配した、心配したはどれ?」との問いかけに対して、生徒Cは、ワークシートに書かれているworry を指して答えている。これに対しても、生徒Bは発話⑦で、「そうそう。worry」と生徒Cの回答を認め、意欲を引き出そうとしている。 次に、生徒Bは発話⑧で、「何について? 何々についてはaboutだよ。」と文を完成するためのヒントを与えている。これに対して、生徒Cは発話⑨で、「じゃあ、aboutの質問はHow longだよ。」と反応し、生徒C自身の考えを述べている。この発話からも生徒Cの「学びに向かう力」が出てきていることが分かる。続いて、生徒Bは発話⑩で、「この後に、そうそう sinceを入れて。」と教え、生徒Cも発話⑪で、「about そうか。」と理解を示している。 そして、文を完成させる段階で、生徒Bは発話⑫で、「そう、since yesterdayで。そして、“Ricardo”は彼だから、どうすればいいの?」と、ヒントを加えながら回答を促している。これに対して、生徒Cは発話⑬で、「彼だから、He has been worried about it since yesterday.」と回答し、理解を示している。そして、生徒Bは発話⑭で、「そう、できたじゃない。」と生徒Cを認め、ほめていることが分かる。 生徒Bのリードにより、自主的に勉強をほとんどしない状況の生徒Cに対する、熱心な指導と、途中段階での回答を認めていくことにより、生徒Cの「学びに向かう力」を引き出し、文の完成に導いたことが分かる。 つまり、発話記録によるプロトコル分析の結果、2人のグループによる「話し合い活動」により、教わる生徒の「学びに向かう力」が引き出されたことが分かる。また、宮下・坂本(2015)、宮下・衣川(2016)のように、グループを編成する人数を4人などに制限をせず、自由に編成したことも「話し合い活動」を促進したものと考える。6.2. 授業後の生徒の感想 毎回の授業後に、生徒が「自学自習ノート」に書いている感想の一部を表3に示す。表3. 授業後の生徒の感想の一部(太字、アンダーラインは筆者による)生徒感 想 の 一 部D・グループのみんなと一緒に、できる限りいい発音で教科書を読めるように頑張りました。E・グループみんなで先生の前で教科書を読んだときに、先生に発音をほめられてうれしかった。F教 わ る 生 徒・自分が思っていることをあまり書けなかったのですが、「話し合い活動」を通して書けるようになってよかった。G・今日は難しくて友達に手伝ってもらわなかったらできなかったから友達に感謝。H教 え る 生 徒・「話し合い活動」のときに、グループの人に紹介する文を自分で考えることができた! I・今日いつもより早く自分の作業を終わらせられたので、周りの人たちを手伝うことができました。教えることってなんか楽しいです。J・みんなにいろいろ教えることができてよかったです。頼られることがとても幸福に感じられました。

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