順天堂グローバル教養論集_第二巻_2017年3月(ISSN2424-0001)
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44順天堂グローバル教養論集 第二巻(2017)人の変容としてみた場合でも、48.4%の生徒にとって発音が向上したことが分かった。 発音の評価が向上した大きな要因として、「話し合い活動」などのアクティブ・ラーニングを取り入れた授業を通して、教科書の本文をグループのメンバーで読み合わせを行ったり、デジタル教科書を活用して発音の確認や練習を行ったりしたためと考える。こうした生徒の主体的な学びにより、「学びに向かう力」が高まった結果、発音に対する評価が上昇したものと考える。 一方で、評価が下降した生徒が18人(14.7%)、授業前後で2回ともに評価を受けなかった生徒が8人(6.6%)いたことは、本研究における課題であり、さらに改善の方向性を検討する必要があるものと考える。7. 研究のまとめ 本研究は、生徒の「学びに向かう力」を育むことのできる中学校英語授業の具体的なアクティブ・ラーニングの方略について検証授業を通して提案することを目的に行った。 具体的には、グループごとの生徒が相互に学び合う学習形態としての「話し合い活動」を英語授業のアクティブ・ラーニングの方略として取り入れるとともに、図2のようなアクティブ・ラーニングとしての授業の基本的な流れを工夫した。 また,これらの工夫による検証授業を、第3学年「東京書籍 New Horizon, “Unit 2 From the Other Side of the Earth Dialog”」の単元で実施したことにより,次のことが明らかになった。(1) 発話記録によるプロトコル分析の結果、「話し合い活動」により、教わる生徒の「学びに向かう力」が引き出されたことが分かった。また、グループを編成する人数を4人などに制限をせず、自由に編成させることも「話し合い活動」を促進させたことが考えられる。(2) 授業後の生徒の感想から、「話し合い活動」では、教わる生徒にとっても、教える生徒にとっても、ともに「学びに向かう力」を高めていくことができる可能性が示唆された。(3) 授業後の授業者及び授業観察者の感想から、「話し合い活動」などのアクティブ・ラーニングを取り入れた授業は、生徒の自主的・主体的な学びを生み出し、「学びに向かう力」を高めていく授業であると感じていることが分かった。(4) 授業前後における発音に対する評価の結果から、調査生徒全体の変容としてみた場合でも、5段階評価における「5」や「4」と高い評価を受けた生徒が38.5%から61.5%に増表6. 生徒一人一人にとっての授業前後における発音の評価の変化(網掛けは、授業前後ともに満点、並びに 授業後に上昇したことを示す。)    授業前(5月)授業後(7月)人数(人)割合(%)満点 5 5 13 10.7 10.7授業後に上昇 4 5 10 8.2 37.7 3 5 9 7.4 3 4 21 17.2 2 3 4 3.3 0 4 1 0.8 0 2 1 0.8同じ 4 4 14 11.5 30.4 3 3 20 16.4 2 2 3 2.5授業後に下降 5 4 7 5.7 14.7 5 3 1 0.8 5 0 1 0.8 4 0 1 0.8 3 2 3 2.5 3 0 4 3.3 2 0 1 0.8 0 0 8 6.6 6.6計--122100.1100.1

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