順天堂グローバル教養論集_第二巻_2017年3月(ISSN2424-0001)
65/156

63ニュージーランドの教職課程の訪問調査報告とである。そして、この資格をとれば、教育省に仮免許を持った教師として登録することができ、その後2年間教員として働き、指導力と資質が認められれば、正規の教員として推薦されるのである。5.3. 修士コース 日本でいう中学校高校の教師を目指す学生向けの大学院1年のコースである。学部レベルの3年間の学士卒業資格と学部最終学年における教職関係科目の単位の平均がB以上であり、教員としてのスキルや資質を持ち合わせ、推薦人2名からの評価と査定、そして警察による審査を元に総合的な観点から入学者が選ばれる。このコースは、1年間(3学期構成)で180 points 取得することが求められる。必修科目は表3のとおりである。 表3を一見してわかることは、日本の大学院のカリキュラムと異なり、実際の教育や指導に直結した科目が用意されていることである。特に、TCHG 502 Creating and Sustaining an Effec-tive Learning Environment のように、生徒の学習環境について理論と実践を通して学べる点が特徴的であり、TCHG 513 Evidence-based Prac-tice in the Secondary Context, TCHG 516 Evaluat-ing Teacher Effectiveness in the Secondary Context, TCHNG 504 Sustaining Evidence-based Practiceのように、授業を行いながら主観的に分析しがちな教員に、証拠に基づく客観的な分析方法を学べるように工夫されている点も見逃せない。 そして、理論と実践を密接に統合しながら指導技術を向上させていくように工夫されている点が大きな魅力となっている。実際には実習期間中1週間のうち4日間半日中学高校での実習に取り組みながら、残りの1日を大学で第二言語習得などの講義を履修したり、教育実習の授業について大学の指導教官と話し合って助言を受けたりするのである。また、大学の指導教官が教育実習校に足を運び、実習生の授業を参観し、中学高校の教育実習指導教員とともに、改善に向けた話し合いを行っている。さらに、指導体験を豊富にするために、3週ごとに異なるレベルの学校で実習を行う工夫も取り入れている。裕福な家庭の子供が集まる学校とそれと相反する子供が集まる学校では、学力や学習意欲に差があるため、当然指導の方法や生徒とのかかわり方が違ってくるからである。また、外国表3. 必修科目一覧StructureTrimester 1TCHG 501Challenges and opportunities in Teaching(Taught Jan – Feb)20pts TCHG 502Creating and Sustaining an Effective Learning Environ-ment20ptsTCHG 510Teaching a Specialist Subject in a Secondary Context20ptsORTCHG 512Enhancing Learning in the Secondary Context 20ptsTCHG 513Evidence-based Practice in the Secondary Context 10ptsTrimester 2TCHG 503Matautanga Maori in the Classroom20ptsTCHG 514Revaluating Teaching in a Specialist Secondary Curricu-lum Subject20ptsTCHG 515Critiquing the Secondary Cur-riculum 20ptsTCHG 516Evaluating Teacher Effective-ness in the Secondary Context20ptsTrimester 3TCHNG 504Sustaining Evidence-based Practice (taught Nov-Dec)20pts(Faculty of Education, Victoria University of Wellington, 2016, p. 41)

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です