順天堂グローバル教養論集_第二巻_2017年3月(ISSN2424-0001)
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83内容言語統合型授業 (CLIL) における英語ライティング指導主要単語10語においては、どの単語もある程度の大きさで表示されていることから、学生の多くが4月から始まった大学生活を振り返り、類似した内容を書いていた様子である。 前期期末になると、テーマにもあったglobal、citizen以外の表示が非常に小さく、語彙的意味を持つ内容語が少なく、文法的役割をはたす機能語が目立つ。視覚的にも非常にシンプルに見えることから、学生が各々の経験(野球など)に結びつけながらも “global citizen”の定義づけに苦労したことが推察できる。また、cultureが初めて主要50単語に入ったことから、この時期には、学生が自身を育んできた学校、家庭、社会における見える形の文化に目を向けるようになったようである。 後期は、文化について多く議論したこともあり、中間エッセイでは、多くの学生が、日本・アイデンティティー・価値観と関連づけて課題に取り組んだ。期末エッセイになると、cultureの頻度は再び減ったが、value、politeness、style、opinion等の内容語が増え、前期期末同様迷いながらも、より洗練され個別化された内容の議論を展開した。 4つのエッセイを通しての学生各々の主要単語の使用頻度を見ると(表1)、個人差はあるが、どの学生も、culture、difference、Japaneseを多く用いる傾向にあることが分かる。さらに、1人の学生Risa(仮名)に焦点を絞り、各エッセイでの主要単語の使用数を見ると、前期から後期にかけて、上記3語の使用の増加が見受けられる。 例えば、Risaがcultureを使用した箇所を一部抜粋(強調、下線、訂正は筆者が本稿のため加筆)すると、前期中間エッセイでは、(1) “You love to meet and know cultures that are different from yours. Now, I can talk with stu-dents who are not only from different parts of Ja-pan but also from foreign countries in Juntendo university, and each student has different back-grounds and experiences. (Risa, “Letter to my future self,” p. 2)と、あくまでも他者の文化について述べることが多かった。一方、後期期末のエッセイでは、 (2) A lot of people like travel abroad or are in-terested in foreign countries. That is because their mother countries and other countries are differ-ent, and each of them has each special[i]ty. The 表1. 学生の主要単語の使用状況例エッセイ毎表の単語使用例 (Risa)a. RisaSanaHanaMasaMinaglobal6910811citizen471054culture151210218difference15171287language1157186Japanese171015813English641472RisaglobalcitizenculturedifferencelanguageJapaneseEnglish1. 前期中間11320012. 前期期末32114533. 後期中間00440414. 後期期末2178781

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