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江川記念 SETA講座次世代細胞・
免疫治療学講座

NEWS

2018.03.27(tue)
次世代細胞・免疫治療学講座(江川記念 SETA講座)のホームページが開設されました

再生細胞医療のオープンイノベーションセンターを目指して

当講座は、国内外の大学等研究機関や企業と、組織や分野、国境を超えた連携を積極的に行って参ります。新薬開発、医療機器開発、検査技術開発、細胞加工技術開発、専門人材育成、法整備のための提言など、再生細胞医療の発展に必要なあらゆるテーマを研究対象に、ナレッジとノウハウを蓄積、共有することで、オープンなイノベーションプラットフォームとなることを目指します。
新井 一

 事業推進責任者/学長 新井 一

再生細胞医療のオープンイノベーションセンターを目指して

国家戦略特区構成員として

当講座は、医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループが、国家戦略特区構成員として新設を許可された19の病床を基盤とし、同じく国家戦略特区構成員である順天堂大学の協力を得て、順天堂大学順天堂醫院内に開設されました。当講座では、瀬田クリニックグループの目指す次世代の免疫細胞治療を、順天堂大学の有する圧倒的且つ幅広い臨床現場、研究力、臨床力の支援を受けることで、より安全性、有効性の高い治療技術として開発することを目指しています。
また、順天堂大学 難病の診断と治療研究センターとの連携強化により、対象領域を難治性疾患や感染症等、他領域に拡大し、臨床研究の推進、先進医療の拡大、治験の推進等を図り、更なる医療サービスの高度化、充実化を目指していきます。
神垣 隆

次世代細胞・免疫治療学講座 特任教授 神垣 隆

瀬田クリニックグループの活動

瀬田クリニックグループは、東京圏国家戦略特区の構成員として、以下の治療技術の開発を目指して、活動を進めております。
  1. 肝細胞がんに対する経肝動脈腫瘍塞栓療法を併用した樹状細胞局注療法の開発
  2. 手術不能局所進行膵がんに対する標準化学療法を併用した超音波内視鏡ガイド下樹状細胞局注療法の開発
  3. キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変免疫細胞治療法等の開発と治験実施(CAR-Tの開発・治験・治療実施)
  4. 免疫チェックポイント阻害剤(PD-1抗体・PDL-1抗体等)と免疫細胞治療との併用治療技術の研究開発・治験実施

瀬田クリニックグループの活動01

瀬田クリニックグループの活動02

瀬田クリニックグループの活動03

瀬田クリニックグループの活動04

事業(研究)推進体制

事業(研究)推進担当者

新井 一
事業推進責任者/学長
新井 一
医学研究科脳神経外科学 教授
昭和54年 順天堂大学医学部卒業
専門:頭蓋底外科、小児脳神経外科
代田 浩之
医学部長・医学研究科長
代田 浩之
医学研究科循環器内科学 教授
昭和54年 順天堂大学医学部卒業
専門:循環器病学、冠動脈疾患、虚血性心疾患、動脈硬化
水野 博司
医学研究科形成・再建外科学 教授
水野 博司
平成2年防衛医科大学校卒業
専門:乳房再建、熱傷再建、マイクロサージャリー、難治性創傷治療、下肢救済治療、再生医療、 脂肪組織由来幹細胞による再生医学
神垣 隆
次世代細胞・免疫治療学講座 特任教授
神垣 隆
瀬田クリニックグループ臨床研究・治験センター長
昭和62年 神戸大学医学部卒業
専門:消化器外科
最近の業績
後藤 重則
次世代細胞・免疫治療学講座 客員教授
後藤 重則
医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループ 理事長
昭和56年新潟大学医学部卒業
専門:婦人科
最近の業績
瀧本 理修
次世代細胞・免疫治療学講座 客員教授
瀧本 理修
医療法人社団 滉志会 瀬田クリニック新横浜 院長
瀬田クリニックグループ臨床研究・治験センター 副センター長
平成元年 産業医科大学卒業
専門:腫瘍内科
最近の業績
阿曽沼 元博修
次世代細胞・免疫治療学講座 客員教授
阿曽沼 元博
医療法人社団 滉志会 瀬田クリニックグループ 代表
昭和49年慶應義塾大学卒業
専門:電子医療情報学、医療制度・政策
岡田 佐知子
次世代細胞・免疫治療学講座 協力研究員
岡田 佐知子
京都大学大学院卒業 情報学博士
専門:医療情報学
松田 英利子
次世代細胞・免疫治療学講座 協力研究員
松田 英利子
Trinidad State Junior College卒業
Registered Nurse
増渕 洋祐
次世代細胞・免疫治療学講座 協力研究員
増渕 洋祐
群馬大学大学院医学系研究科医科学専攻 修了
博士(医学)

事業推進協力施設

順天堂大学
難病の診断と治療研究センター


〒113-8421 東京都文京区本郷2丁目1番1号
電話:03-3813-3111(大代表)
http://www.juntendo.ac.jp/graduate/nanbyo/

事業推進協力施設

プロジェクト紹介

project1

肝細胞がんに対する経肝動脈腫瘍塞栓療法を併用した樹状細胞局注療法の開発

背景

肝細胞がん(肝がん)の治療としては、手術療法、肝動脈塞栓療法(TAE)、ラジオ波焼灼療法(RFA)をはじめとする局所療法、抗がん剤を用いた化学療法が施行される。肝がん診療における問題点として、早期発見して根治的局所治療が施されても極めて高い再発率を示し、単発肝がん切除後3年での再発率が72%に達している。 本研究の様にTAE実施後にRFAを実施した試験において、無再発生存率が1、3、5年後においてそれぞれ、64.5 %、40.1 %、18.0 %と報告されている。この報告では、TAEではなく抗がん剤を混ぜたTACEとして実施している。TAE実施後のRFAを実施した例においても、長期的には多くが再発していることから、再発肝がんに対する治療が繰り返されることとなり、繰り返された症例ほど生命予後が悪化するという傾向にある。

動脈塞栓術と樹状細胞(抗原未感作樹状細胞)局注療法との融合

動脈塞栓術(TAE)は、動脈の中にカテーテルを通し、なるべく病変の近くまでカテーテルを進めて血管塞栓物質を注入し、目的の病変を治療する方法で、狭義でいわゆる“腫瘍の兵糧攻め”と言われる治療法である。さらに広い意味では塞栓物質を注入して血流を調整し、治療部位での薬剤分布をよくすることで薬剤の治療効果を増強させる方法である。
本試験では、この方法を更に発展させて「抗がん剤」や「樹状細胞」を治療箇所で徐放させるDDS(Drug & Dendritic cell Delivery System)を応用する新技術の臨床研究を推進する。

樹状細胞免疫療法臨床試験

樹状細胞免疫療法臨床試験

がん免疫サイクルを効率よく動かす

本試験の狙いを、がんサイクルに基づいてこれを説明する。局所治療(RFA)によってがん細胞が細胞死(アポトーシス)に陥り、抗原提示細胞つまり樹状細胞(dendritic cells)が活性化されて成熟すると、リンパ節に移動してTリンパ球の賦活化を誘導することとなる。賦活化されたTリンパ球は血管内から腫瘍組織に浸潤して、がん細胞を攻撃するものと考えられる。そこで、アポトーシスに陥った腫瘍組織に樹状細胞を追加することは、さらに強力な全身の抗腫瘍免疫を誘導することに繋がると考えられる。その結果として、肝がんの再発を単一細胞(シングルセル)レベルで阻止することができると考えている。

これまでの成果

一連の臨床研究のまとめを示す。図表左の副作用において、樹状細胞を投与しないヒストリカルコントロール(TAE:白)に比べて、各種の樹状細胞治療によって発熱の頻度は増加したものの発熱の持続期間に延長はなく、NCI-CTCグレード3以上の有害事象はみられなかった。図表右の無再発生存率については、ヒストリカルコントロールに比べてOK432刺激した樹状細胞(OK432-DC:赤)によって著明な再発の抑制効果が観察された。これより、OK432刺激樹状細胞の投与によってがん免疫が賦活化され、再発(二次発がん)が抑制されたことが示唆された。またこれらの臨床研究の成果は、TAEによるがん細胞のアポトーシスが引き金となるCancer-Immunity Cycleにおいて、樹状細胞の投与がさらに反応を加速する方向で作用すること、そして最終的に腫瘍細胞の増殖が抑制されたものと推察された。

動脈塞栓術と併用する樹状細胞治療 安全性と治療効果

動脈塞栓術と併用する樹状細胞治療 安全性と治療効果

次に、ヒストリカルコントロール(TAE+RFA)とOK432治療例(TAE+O432-DC+RFA)の臨床背景を比較した。両群の臨床的因子、慢性肝疾患の進展度、腫瘍病期、腫瘍数、最大腫瘍径、AFP値に差異は認められなかった。

動脈塞栓術と併用する樹状細胞療法 臨床背景

動脈塞栓術と併用する樹状細胞療法 臨床背景

樹状細胞治療によって 再発(二次発がん)が抑制される作用機序

樹状細胞治療によって再発(二次発がん)が抑制された作用機序について検討した。図表の上段では、CD8陽性Tリンパ球についてがんペプチドへの反応性をELISPOT法で検討した。OK432刺激樹状細胞を用いた治療によって一部の抗原に対する反応が誘導された。DTH皮内反応からは、CD4陽性Tリンパ球が誘導されていることが示唆された。下段では、多数のサイトカイン、ケモカインについてBioPlex法を用いて観察した。

動脈塞栓術と併用する樹状細胞療法 作用機序

動脈塞栓術と併用する樹状細胞療法 作用機序

IL-9、IL-15、TNF-α、Eotaxin、MIP-1βというTh1タイプのサイトカインが樹状細胞の有無によって反応性に違いを認めた。つまり、樹状細胞を投与していないヒストリカルコントロール(白)では低下しているのに対して、OK432-樹状細胞の投与(赤)によって増加する方向に変化していることが分かった。これに対して、IL-4、IL-10などのTh2サイトカインは変化しなかった。また、治療後には抗腫瘍免疫に抑制的に作用する骨髄由来抑制細胞(MDSC)の活性が低下傾向を示した。これらの結果から、OK432-樹状細胞によってTh1タイプの免疫反応が誘導されるとともに、免疫抑制系の作用が軽減されることによって抗腫瘍効果が発揮された可能性が示された。
以上の研究成果から、末梢血から誘導培養された樹状細胞を肝がんの局所治療部位に投与する手法は、Tリンパ球を介して全身の抗腫瘍免疫を増強する効果を発揮し、新たながんの発生(再発:二次発がん)を抑制する治療手段となる可能性が示唆された。

肝がん局所治療と樹状細胞による免疫賦活作用

肝がん局所治療と樹状細胞による免疫賦活作用

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project2

手術不能局所進行膵がんに対する標準化学療法を併用した超音波内視鏡ガイド下樹状細胞局注療法の開発

project3

キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変免疫細胞治療法等の開発と治験実施(CAR-Tの開発・治験・治療実施)

背景

従来の免疫細胞治療を実施するにあたり、免疫機能が低下した癌患者からは、治療に十分な数の活性化リンパ球(LAK)を培養増殖させることが困難であることに加え、がん細胞がもつ様々な「免疫から逃れるしくみ」によって、投与したLAKに効果が得られないことが、臨床応用における課題となっています。このような状況の中、遺伝子工学的手法を用いたキメラ抗原受容体(CAR:Chimeric antigen-receptor)を発現させた遺伝子改変T細胞療法によって、これらの課題を解決することが期待されます。

キメラ抗原受容体(CAR)とは

①構造
CARの基本構造は、1)抗体の中で標的を認識し、特異的に結合する部位(scFv)、2)細胞膜貫通部位および3)細胞活性化を担う部位(CD3ζ鎖)の3つの部位をもつキメラタンパク※1からなります(第1世代)。現在は、T細胞の活性化を増強するための部位(CD28、41BBのどちらか一方、あるいはその両方)を組み込まれた第2世代、第3世代のCARへと改良が進んでいます。

キメラ抗原受容体(CAR)とは

※1 キメラタンパク:遺伝子組換え技術により、異なるタンパク質を結合させたもの
②CARの特徴
CARは、標的に結合する部位(scFv)を変えることで、様々な標的に対する特異的な攻撃性を細胞障害性T細胞(CTL)に付与することが出来ます。また、抗体の標的を認識する特性を利用し、がん細胞のMHCに関係なく標的を認識できるため、従来のCTLでは認識できないMHCを発現しないがん細胞に対しても働くことが可能です。さらに、従来のCTLと比較して標的に対する特異性と結合する能力に優れており、高い腫瘍集積性(標的を見つけて、攻撃するために結合する能力)が期待されます。

③CAR-T細胞療法
患者から採取した末梢血単核球を抗CD3抗体とIL2※2存在下で培養した後、活性化T細胞にウイルスベクターを用いてCAR遺伝子(DNA)を導入します。遺伝子導入後も、数日間の培養を必要とします。
※2 抗CD3抗体、IL2:T細胞の活性化、増殖に必要な因子

実績(米国)

【国外(米国)】
白血病やリンパ腫等を対象としたCD19特異的CAR療法と神経芽腫を対象としたGD2特異的CAR療法の臨床試験が最も進んでおり、顕著な有効性を示す報告例もあり

現行CARの臨床上問題点

CAR-T細胞を用いた治療での問題点は、以下の3つが挙げられます。
①高い治療効果が期待される反面、重篤な自己免疫疾患(サイトカイン放出症候群等)を引き起こすリスクも要している(死亡例あり)
②CARの標的となる抗原の多くは、細胞内にいる抗原であり、CARでは認識されにくい
③CARの標的となる抗原は、癌種によって異なるため、癌種(患者)毎に特異的なscFv(標的を認識する部位)を使い分けなくてはいけない

VEGFR特異的CAR-Tの研究開発について

滉志会では、大阪大学と共同で、「血管内皮増殖因子受容体(VEGFR2」を標的とするCARを発現したCTL(CAR-T)の作製と、その臨床応用を目指した研究開発を進めています。

【特徴】
flk1特異的に結合する部位(scFv)+細胞膜貫通部位+細胞活性化を担う部位(CD28及びCD3ζ)からなるCAR(第2世代)のmRNAをエレクトロポレーション(EP)法※3でT細胞に導入
※3 エレクトロポレーション(EP)法:細胞に電気刺激を与えて一時的に小さな穴を開け、そこからmRNAやタンパク質等を入れる技術

VEGFR特異的CAR-Tの研究開発について

「血管内皮増殖因子受容体」を標的とすることで、がんが栄養分を得るために血管を作るのを阻害するため、様々ながんに対する影響が期待でき、がんそのものを標的とする場合に比べて高い汎用性が期待されます。
また、従来のウイルスベクターを用いた場合と異なり、EP法を用いた場合は、CAR分子の発現時間を調節することができるため、副作用のコントロールが可能になると考えられます。
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project4

免疫チェックポイント阻害剤(PD -1抗体・PDL-1抗体等)と免疫細胞治療との併用治療技術の研究開発・治験実施

コンセプト

ヒト免疫系は、体内に侵入してきた細菌や毒素のみならず、がんなどの生体内に発現した疾患に対しても身体を防御するシステムを有している。このシステムは、「cancer immunity cycle(がん免疫サイクル)」(Chen and Mallman, 2013)(1)と呼ばれており、これまでの研究成果により、ヒト免疫系は下記のようなプロセスでがん細胞を排除していることが分かってきている。
  1. 腫瘍細胞に発現している変異抗原を樹状細胞が貪食して認識する。
  2. 樹状細胞は認識した抗原を T 細胞に提示し、細胞傷害性 T 細胞(CTL)の活性化を誘導する。
  3. 活性化したCTLが腫瘍微小環境に浸潤する。
  4. CTLが腫瘍細胞を認識し、結合する。
  5. 腫瘍細胞に結合したCTLが細胞傷害物質(グランザイムやパーフォリン)を放出すること等により、腫瘍細胞にアポトーシスを引き起こす。
  6. アポトーシスを誘導された腫瘍細胞は変異抗原と腫瘍関連抗原(TAA)を放出する。これらの抗原を樹状細胞が認識することで、さらに免疫サイクル(1.~6.)が活性化する。

免疫チェックポイント阻害剤と免疫細胞治療との併用治療技術の研究開発・治験実施

がん免疫サイクルにおいてCTLの増強・活性化をもたらす免疫細胞療法と、このサイクルが機能する上での障壁(免疫チェックポイント)を除外する作用をもつ免疫チェックポイント阻害薬を併用するによって、治療効果の上乗せが期待される。

研究の目的

進行・再発固形がん患者を対象に、すでに安全性が担保されている免疫細胞療法に免疫チェックポイント阻害薬を併用した際の安全性を評価・検討する。また、副次的に有効性、免疫学的反応性、バイオマーカー探索についても評価・検討する。

意義

近年、がん治療の分野では免疫細胞療法や免疫チェックポイント阻害薬に代表される免疫療法が注目されており、細胞傷害性T細胞(CTL)の活性化と免疫抑制因子(免疫チェックポイント等)の制御が必要とされている。一方、免疫チェックポイント阻害薬はこのような免疫抑制を解除することで間接的に抗腫瘍免疫応答を誘導し、既存の治療薬で効果のなかった患者での有効性が確認されているものの、治療効果が得られる患者は限定的であり、特にオプジーボの場合、対象となる非小細胞肺がん患者のおよそ2割と言われている(3)(4)(5)。より有効な免疫療法確立のためには免疫応答増強と免疫抑制解除の組み合わせによるアプローチが重要であると考えられるが、このような併用療法は有効性の上乗せが期待される一方、その安全性についてはこれまでに十分な評価・検討がなされていない。そのため、治療開始前に効果が期待できる患者を判断・特定するためのバイオマーカーや、治療開始後できるだけ早期に効果の有無あるいは適切な治療期間を判定するための指標の確立が求められており、これまでに多くの研究がなされているものの(6)、いまだ確立されたバイオマーカー・指標はない。安全性についても、一般的に既存の抗がん剤と比べ副作用リスクは少ないとされているものの、一部では重篤な副作用も報告されており、オプジーボの使用にあたっては緊急時のバックアップ体制の完備など慎重なリスクマネジメントが求められている(6)。実際、同時ではないものの、免疫チェックポイント阻害薬投与後に免疫細胞療法を施行したケースで、治療との関連性は明らかではないものの死亡例が報告されており、これを受けて厚生労働省は併用療法に対する注意喚起(平成28年7月28日事務連絡)を出している。
このような背景をふまえ、より有効で安全な免疫療法の確立・普及の実現を目指し、本研究により免疫細胞療法と免疫チェックポイント阻害薬の併用療法の患者ベネフィット・リスクを科学的に評価することは、がん治療分野において非常に重要である。
(1) Chen DS, Mellman I. Oncology meets immunology: the cancer-immunuty cycle. Immunity. 2013 39(1):1-10.
(2) Kamigakki T, et al. Prospective evaluation of safety of immune-cell therapy for patients with various types of advanced cancer. Anticancer Res,. 2014. 34(8):4601-7
(3) Brahmer J, et al. Nivolumab versus Docetaxel in Advanced Squamous-Cell Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2015 Jul 9;373(2):123-35.
(4) Brahmer J, et al. Nivolumab versus Docetaxel in Advanced Squamous-Cell Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2015 Jul 9;373(2):123-35.
(5)オプジーボ添付文書(点滴静注20mg、100mg) 2017年3月改訂(第14版)
(6) Alexander C. Huang, et al. T-cell invigoration to tumour burden ratio associated with anti-PD-1 response. Nature. 2017 May 4;545(7652):60-65


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講座名の由来

年月を超え、再び交わる系譜 ~順天堂大学と瀬田クリニック創設者・江川滉二~

次世代細胞・免疫治療学講座の通称である「江川記念SETA講座」の名称は、瀬田クリニックの創設者であり、免疫細胞治療の研究と治療の普及に尽力された東京大学名誉教授 江川 滉二の業績を記念して命名されました。そして、その講座通称名は、江川先生と順天堂大学の学祖であられる佐藤家のご縁によるものです。
順天堂 第四代堂主、順天堂医科大学初代理事長であられた佐藤達次郎男爵の三女 美と、東京大学教授 江川英文(法学者。韮山代官39代目。)の間に儲けられた次男(1937年誕生)が江川滉二先生であります。
この度、国家戦略特区構成員同士の共同事業として、当講座を開設することになったことは、長きにわたる両家のご縁であり、身が引き締まる思いです。このご縁に感謝しつつ、順天堂大学の素晴らしい医師陣、豊富な臨床実績、研究リソースと、瀬田クリニックの持つがん免疫細胞治療に関する臨床実績、ノウハウ、データを組み合わせることで、江川教授の悲願であった、「こころとからだに優しいがん治療」を実現して行きたいと考えております。

江川滉二先生

瀬田クリニックグループ創設者
江川滉二先生

1963年、東京大学医学部医学科卒業。68年、東京大学生物系大学院博士課程修了、医学博士号取得。東京大学医科学研究所で長年基礎医学の面からがん免疫研究に携わる。84年、同研究所教授。97年、東京大学名誉教授。99年、がんの新しい治療法である免疫細胞治療の国内初の専門医療施設「瀬田クリニック(現瀬田クリニック東京)」を開設。2004年より、日本免疫治療学研究会会長。07年、医療法人社団滉志会理事長。