講座紹介、スタッフ紹介、研究、業績等、順天堂大学大学院 産婦人科学に関する様々な情報をご案内します。

順天堂大学大学院 各研究分野紹介 人体の生命機能

講座紹介


 

 順天堂は天保14年(1843年)に佐倉に開設され、明治8年(1875年)に現在の御茶ノ水に順天堂医院を開設し、発展の基礎が築かれました。明治43年に産婦人科が外科から独立し、吾妻勝剛博士が初代の医長として着任しました。昭和21年に順天堂医科大学となり、産婦人科学教室は初代今井 環教授から始まり現在9代竹田 省教授に引き継がれています。

 佐倉順天堂に学んだ我々の先輩、伊古田純道と岡部均平は1852年(嘉永5年)、秩父郡大宮郷で難産で苦しむ妊婦を救うため、オランダ産科書を見ながら日本で初めての帝王切開術を行った。順天堂大学医学部産婦人科学講座のモットーは、その精神“チャレンジ!“と“Academic Surgeonをめざして“である。

本邦初の帝王切開の碑
1852年、佐倉順天堂に学んだ伊古田純道と岡部均平が故郷に帰り、オランダ医学書を見ながら母体救命のために帝王切開術を行った(現埼玉県飯能市)。その様子は伊古田純道の「子宮戴截開術実記」に詳しく書かれている。Informed consentをとり、麻酔なしに手術を行い、その後の経過も詳しく記録されており、現在の手術の手順と変わりない。産婦も手術によく耐え、術後腹膜炎を起こしながらも回復し、満88歳の長寿を全うした。


(産婦人科学講座教授)
主任教授
教授
初代
1943年〜
今井 環 教授
 
2代
1947年〜
真柄 正直 教授
 
3代
1949年〜
水野 重光 教授
 
4代
1972年〜
古谷 博  教授
 
5代
1987年〜
木川 源則 教授
 
6代
1987年〜
高田 道夫 教授
 
7代
1993年〜
桑原 慶紀 教授
 
8代
2001年〜
木下 勝之 教授
 
9代
2007年〜
竹田 省  教授
武内 裕之 教授 (2008年)
板倉 敦夫 産科教授(2013年〜)
北出 真理教授 (2016年〜)
10代
2018年〜
板倉 敦夫 教授
北出 真理 教授 (2016年〜)
寺尾 泰久 教授(2020年〜)

 現在、教室員は130名を超え、順天堂医院(本郷)をはじめ順天堂5病院が一致協力して臨床、研究、教育に邁進しています。産婦人科学講座は周産期、生殖医療、婦人科腫瘍の3部門に分けられ、その専門性を追求するとともに横断的な研究も行っています。産婦人科の対象疾患は女性に限られるものの、まさに卵から受精卵、胎児、新生児、思春期、成熟期、妊娠・分娩・産褥期、更年期、老年期までの広範囲にわたります。産科、不妊・内分泌、婦人科腫瘍、産後うつ病、更年期障害、骨粗しょう症などの検査、手術、治療だけでなく、婦人科検診、骨粗しょう症、メタボリック症候群などの予防医学も臨床および研究の対象としています。また、家族計画相談、学校教育やカウンセリング、児童虐待、DV防止など精神、社会・福祉、保健衛生面からの活動の場も持っています。救急科、外科、内科、精神科的要素だけでなく予防医学、福祉・保健衛生学などの要素も含まれ、幅広い視野と情熱あふれる探究心さえあれば楽しく勉強し、臨床、研究のトレーニングができます。外科はどうもという方、内科ではもの足りない方、男女に関わらず当教室で一緒に働き、勉強してみませんか?女性医師の分娩・育児期間の優遇措置なども整っており、継続して働きやすくなっています。
 産婦人科学講座では周産期、リプロ(生殖医療・内視鏡)、腫瘍グループに分かれて協力しながら臨床研究、基礎研究が行われています。中国からの留学生を含め毎年5〜6名の大学院生が入学し、研究のおもしろさ、厳しさを学んでいます。新たに着任した杉村 基先任准教授は、周産期分野の凝固線溶系研究の第一人者で、早産、抗リン脂質抗体症候群、胎児発育不全、妊娠高血圧症候群の研究のみならず婦人科腫瘍など幅広い研究を企画しています。順天堂大学基礎医学、臨床医学講座(免疫学、人体病理病態学、代謝内分泌学など)や環境医学研究所(荒木慶彦先任准教授)との共同研究、国内共同研究施設(東京医科歯科大学分子細胞機能学森田育男教授、埼玉医科大学ゲノム医学研究センター遺伝子情報制御部門井上 聡教授、埼玉医科大学総合医療センター輸血・細胞治療部前田平生教授、埼玉医科大学総合医療センター産婦人科関 博之教授など)や海外共同研究施設(Perinatal Research Centre, University of Alberta, Edmonton, Canada;D. Olson教授、J. Greer教授、Hammersmith Hospital, Imperial College London;J Brosens教授やE.W. Lam教授)と活発な交流をはかっています。具体的には臍帯血幹細胞による血管再生や胎盤形成の研究、エストロゲン関連遺伝子の婦人科腫瘍増殖への影響、エストロゲン関連受容体の役割、腫瘍免疫の研究、whole genome DNA array による婦人科癌の解析、CA125ペプチド療法による卵巣癌細胞治療、生殖細胞の分化機構の研究、卵活性化障害の研究、子宮内膜症の病理学的検討、胎児プログラミングとメタボリック症候群の関連など興味あるものばかりです。Olson教授とは早産機序、胎児プログラミング、妊娠高血圧症候群の機序、呼吸中枢のリズムの解明などの研究をしています。Brosens 教授のもとでは子宮体癌のFOXO1遺伝子の研究や脱落膜化機構の解明、子宮内膜のアンドロゲン受容体の研究など周産期、生殖医療、腫瘍分野で幅広く共同研究を行っています。
 Research mindをもった臨床医はきっと病態をよく考え現状を厳しく分析し、臨床のいろいろな困難な局面で真摯に立ち向かっていけるでしょう!
 是非、大学院に入って研究にも浸ってみてください。

 
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