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研究


 

研究課題

  優れた臨床医、良き教育者になるためにはリサーチの実践に裏打ちされた科学的・論理的思考力が不可欠であるという佐藤信紘教授の理念のもと、実地医療にトランスレートできる研究を目標に、多くの教室員が積極的に研究を進めている。

 臨床研究テーマとしては(1)ヘリコバクター・ピロリ感染症の診断・治療および病態生理の解明、(2) GERD(胃食道逆流症)の病態生理(3)画像解析による早期大腸がんの診断・治療(4)自家蛍光内視鏡 (AFI)よる消化管良性・悪性病変の早期自動診断、(5)胃・食道静脈瘤に対する硬化療法・結紮術併用療法の有用性、(6)潰瘍性大腸炎の成因としての細菌感染と抗菌剤多剤併用ATM療法の有用性、(6)消化器がんに対する新しい化学療法(7)肝疾患と生活習慣病との関係(8)C 型慢性肝炎に対する治療効果とその予後予測、(8)原発性胆汁性肝硬変・自己免疫性肝炎の診断・治療など多岐にわたっている。
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 また基礎的研究テーマとしては、(1)消化器病変の発生・進展に関わる腸内細菌毒素認識機構の解明、(2)アミノ酸による腸管機能の免疫・薬理学的栄養作用を介したモデュレーション、(3)胃粘膜萎縮進展と発がんにおける細胞間接着因子の役割、(4)炎症性腸疾患における転写因子を介した炎症機構の制御、(5)腸内細菌の腸管局所免疫に対する修飾作用(潰瘍性大腸炎における粘膜侵襲性細菌のイミュノモジュレーター作用とその病因的解析)、(6)消化器疾患における微小循環の役割(7)肝類洞内皮細胞をターゲットとした遺伝子治療、(8)インターフェロン反応性を規定する因子としてのTRAIL 系の検討、(9)アルコール性肝障害の発症・進展機序解明と感受性規定因子の同定、(10)肝線維化におけるレプチンの役割、(11)肝星細胞の活性化機構と線維化の制御、(13)エタノールによる肝再生遅延機構の解明、 (14)肝細胞老化機序解明と肝再生不全における老化指標蛋白SMP30の役割に関する研究、(15)癌・生活習慣病発症・進展にかかわるミトコンドリアの機能異常などがあり、国内外の学会で多くの報告・発表を行なっている。
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  【肝臓・胆嚢・膵臓】
肝臓領域では、種々の急性・慢性肝疾患の診断・治療に携わる傍ら、疾病のメカニズム解明および新たな治療的アプローチを目指して種々の基礎的検討を行っています。以前からの研究テーマであるアルコール性肝障害の病態生理に関する検討に加え、近年注目されている非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の発症・進展メカニズムの解析において、国内外を通じて有数の研究グループとして高い評価を得ており、その研究成果はGatroenterologyやHepatologyなど当該分野におけるトップ・ジャーナルに掲載されています。また、細胞・分子生物学的な解析手法を駆使して、遺伝子治療や再生医療など近未来的に実用化され得る先進医療の分野に関する基礎的研究にも意欲的に取り組んでいます。肝類洞内皮細胞への遺伝子送達法は順天堂発のオリジナル技術です。
胆嚢・膵臓領域ではとくに胆道(胆嚢、胆管)、膵臓の悪性腫瘍の早期発見を目指して、以下の検査を行い、蓄積したデータを臨床にフィードバックし、各種学会に報告しています。胆道癌の診断では超音波、CTで軽微な異常を拾い上げ、精密検査として超音波内視鏡やMRCPを行っている。異常がみられた患者様には胆汁を採取し、細胞を調べて早期発見に努めています。膵癌では超音波、CT、MRCPを主体とし、軽微な異常がみられる患者様には膵液を採取して細胞検査を行っています。

【上部消化管】
 上部消化管領域ではH.pyloriおよび関連疾患に関する研究と、早期胃腫瘍に対する内視鏡的治療に関する研究が盛んです。
 本邦の大学病院の中では圧倒的多数の除菌症例を経験し、日本人にとって最適な治療法を確立しました。また、豊富な除菌経験を元に、効率の良い"再除菌"療法も確立しています。治療と共にH.pylori感染診断法についても、尿中H.pylori抗体測定法などの簡便で正確な新方法を開発してきました。便中H.pylori抗原測定法については本邦に最初に導入しました。さらに最近注目され、生活習慣病との関わりのあるGERD(胃食道逆流症)についても基礎実験を通じ、その発生機序や病態を多方面から探求しています。
 胃腫瘍に対するアプローチとして最新の"粘膜切開剥離法(ESD)"も2003年から導入して更なる治療範囲の拡大、成績の向上に努めています。現在では、毎週2日(約週3症例ペース)のESD症例を治療しております。最近では治療時間短縮・合併症予防のため、当研究室で開発した新たな処置具を用いた治療や、ESDの術前診断でNBIや拡大内視鏡を用いた詳細な検討も行っており、アメリカ消化器病学会・日本消化器内視鏡学会、その他国内研究会等でも活発に発表を行っております。また、積極的な医局員への指導のみならず、内視鏡治療のセミナー等での指導も活発に行っております。

【下部消化管】
下部消化管領域では、大腸内視鏡検査のスクリーニングの研究、早期大腸癌の研究をしております。早期大腸癌については、陥凹型や側方に発育するLSTという病変の集積をおこない、遺伝子的な異常を解析する仕事を進めております。また、数十倍まで拡大して観察が可能な内視鏡を使った内視鏡診断と最先端の内視鏡治療の研究も行っております。炎症性腸疾患に関しては、特に潰瘍性大腸炎に対する新治療法(抗菌剤多剤併用ATM療法)を開発しました。潰瘍性大腸炎の腸粘膜細菌の毒性を検討し、「フソバクテリウム」という細菌が原因であることを発見し、その菌に有効な抗生物質3種(2週間服用)を選び、潰瘍性大腸炎の患者さんに投与したところ、80%以上と高い有効性が得られました。この成果を科学的に実証するため、さらに多数の患者で有効かどうか臨床試験を行っています。
内視鏡の分野では新しい内視鏡システムを実現するために、病変の蛍光を観察する内視鏡の研究開発を行っています。この内視鏡システムが実現すれば、生検(組織の一部分を採取すること)を行わずに、癌の部分や前癌状態の発見が可能になり非侵襲的に検査・診断ができるようになると考えられます。

 

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