分野紹介

准教授  中山 仁志  (なかやま ひとし)

プロフィール

中山 仁志

大学院

専門分野 生化学、糖鎖生物学、脂質生化学、細胞生物学、感染免疫学
研究キーワード 糖鎖生物学、生化学、病原体関連分子パターン、パターン認識受容体、結核菌、自然免疫細胞、スフィンゴ脂質
授業科目区分 共通科目
博士前期課程
授業科目
感染免疫学演習、感染看護学特論Ⅰ(感染症制御論)、高度先端医療・医科学特論
博士後期課程
授業科目
大学院特別講義-病原体感染における宿主免疫応答と膜マイクロドメインの役割-(大学院医学研究科)

学部(医療看護学部)

所属 専門基礎
授業科目 生命現象の理解、生物学、生化学、生命現象と免疫の科学、形態機能学Ⅱ、医療看護ゼミナール、医療看護研究Ⅰ・Ⅱ

学部(保健看護学部)

所属 専門基礎
授業科目 生化学、生命現象の科学

学位

博士(医学) 2008年

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研究テーマ

  • 糖脂質が構成する脂質ドメインを介した免疫応答機構の解明

研究内容

①結核菌及び非結核性抗酸菌(NTM)による細胞内寄生機構の解明
結核菌やMycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)のようなNTMは、好中球やマクロファージ等の自然免疫細胞に取り込まれた後も、食胞(ファゴゾーム)とリソソームの融合(食胞の成熟)を阻害することで殺菌を回避し、細胞内寄生する。結核菌やMACなどの細胞内寄生細菌は、糖脂質が構成する脂質ドメインを介して宿主細胞内に取り込まれ、食胞成熟のための細胞内情報伝達経路をかく乱し、宿主細胞内で増殖することが知られている。しかしながら、その詳細な分子機構については分かっていない。そこで研究テーマ①では、自然免疫細胞上に糖脂質が構成する脂質ドメインが病原性抗酸菌による食胞の成熟阻害にどのように関与しているかに着目し、病原性抗酸菌による細胞内寄生機構を明らかにしようとしている。

②自然免疫細胞におけるパターン認識受容体を介した情報伝達機構の解明
 好中球やマクロファージ等の自然免疫細胞は、細胞内外に、細菌やウイルスを特異的に認識するための様々なパターン認識受容体(PRR)を発現している。これらPRRは病原体由来成分と結合すると、細胞質側に局在するシグナル伝達分子の活性化に影響を与え、様々な生理機能を仲介する。しかしながら、糖脂質が構成する脂質ドメインが、PRRを介した生理機能にどのように関与するかについてはあまり明らかになっていない。そこで研究テーマ②では、PRRを介した病原体に対する免疫応答に糖脂質が構成する脂質ドメインがどのように関与しているかを明らかにし、新規ワクチンやアジュバント開発のヒントを得たいと考えている。

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最近の活動と研究(過去5年間)

▶英文原著

  1. Kochiyama T, Li X, Nakayama H, Kage M, Yamane Y, Takamori K, Iwabuchi K, Inada E: Effect of Propofol on the Production of Inflammatory Cytokines by Human Polarized Macrophages. Mediators Inflamm. 2019 Mar 17; 2019:1919538
  2. Nakayama H, Kurihara H, Morita YS, Kinoshita T, Mauri L, Prinetti A, Sonnino S, Yokoyama N, Ogawa H, Takamori K, and Iwabuchi K: Lipoarabinomannan binding to lactosylceramide in lipid rafts is essential for the phagocytosis of mycobacteria by human neutrophils. Sci Signal, 2016 Oct 11;9(449):ra101
  3. Sueyoshi K, Sumi Y, Inoue Y, Kuroda Y, Ishii K, Nakayama H, Iwabuchi K, Kurishita Y, Shigemitsu H, Hamachi I, Tanaka H. Fluorescence imaging of ATP in neutrophils from patients with sepsis using organelle-localizable fluorescent chemosensors. Ann Intensive Care. 2016 Dec;6(1):64
  4. Chiricozzi E, Ciampa MG, Brasile G, Compostella F, Prinetti A, Nakayama H, Ekyalongo RC, Iwabuchi K, Sonnino S, Mauri L: Direct interaction, instrumental for signaling processes, between LacCer and Lyn in the lipid rafts of neutrophil-like cells. J Lipid Res, 56:129-41, 2015
  5. Iwabuchi K, Masuda H, Kaga N, Nakayama H, Matsumoto R, Iwahara C, Yoshizaki F, Tamaki Y, Kobayashi T, Hayakawa T, Ishii K, Yanagida M, Ogawa H, Takamori K: Properties and Functions of Lactosylceramide from Mouse Neutrophils. Glycobiology. 25: 655-68, 2015

▶英文総説

  1. Nakayama H, Iwabuchi K: Glycosphingolipid-Enriched Lipid Rafts-Mediated Pathogen Recognition Systems. Trends in Glycoscience and Glycotechnology. 31(184): E141-E149, 2019
  2. Nakayama H, Nagafuku M, Suzuki A, Iwabuchi K, Inokuchi JI. The regulatory roles of glycosphingolipid-enriched lipid rafts in immune systems. FEBS Lett. Dec;592(23):3921-3942, 2018
  3. Iwabuchi K, Nakayama H, Oizumi A, Suga Y, Ogawa H, Takamori K. Role of Ceramide from Glycosphingolipids and Its Metabolites in Immunological and Inflammatory Responses in Humans. Mediators Inflamm. Volume 2015 (2015), Article ID 120748, 10 pages
  4. Ekyalongo RC, Nakayama H, Kina K, Kaga N, Iwabuchi K: Organization and functions of glycolipid-enriched microdomains in phagocytes. Biochim Biophys Acta, 1851:90-7, 2015

▶和文総説

  1. 中山仁志、岩渕和久:ラクトシルセラミドを介した免疫機能,セラミド研究の新展開 第15章 2019年
  2. 中山仁志、岩渕和久:スフィンゴ糖脂質の脂質ラフトの構造と機能:ラクトシルセラミドの脂質ラフトを介した自然免疫応答, 生化学 第 89 巻第 1 号,2017

▶国際会議招待講演

  1. Nakayama H, Yokoyama N, Iwabuchi K: Role of LacCer in LPS-mediated innate immunological functions. 25th International Symposium on Glycoconjugates. Milano, Italy.
  2. Nakayama H: Sphingolipid-mediated signaling in mycobacteria-infected phagocytes. 1st Japan-Europe Workshop on Glycosphingolipids and Membrane Homeostasis 2019, Strasbourg, France.
  3. Nakayama H, Iwabuchi K: Sphingolipid-mediated signaling pathways play essential roles in Mycobacterium-containing phagosomes maturation. The 52nd US-Japan Mycobacteria Panel Meeting 2018 in Niigata, Japan

▶国内招待講演

  1. 中山仁志、横山紀子、岩渕和久:リポ多糖によるスフィンゴ糖脂質の脂質ラフトを介した炎症誘導機構.第38回日本糖質学会, ワークショップ「糖脂質を基軸とした横展開」, 名古屋, 2019年8月
  2. 中山仁志、岩渕和久:ヒト好中球におけるCD14とラクトシルセラミドを介したLPSシグナリング. 第24回 内毒素・LPS研究会, 2015年6月

▶英文報告その他

  1. Nakayama H, Iwabuchi K: Sphingolipid metabolic pathways play essential roles in the fusion of lysosomes to Mycobacterium-containing phagosomes. 60th International
    Conference on the Bioscience of Lipids(ICBL). Tokyo, Japan, June 2019
  2. Iwabuchi K, Nakayama H, Yokoyama N and Ishii K: Organization and immunological functions of Lactosylceramide-enriched lipid rafts. The Society For Leukocyte Biology’s 49th Annual Meeting and “Neutrophil 2016”. Verona, Italy.
  3. Nakayama H, Yokoyama N and Iwabuchi K: Human neutrophils phagocytose mycobacteria through interactions between LacCer and a1,2-monomannose side branches of LAM. The Society For Leukocyte Biology’s 49th Annual Meeting and “Neutrophil 2016”. Verona, Italy
  4. Iwabuchi K, Nakayama H. Role of Lactosylceramide-enriched lipid rafts in innate immune response of human phagocytes. 12th InternationConference on Innate Immunity. Chania, Greece. June 2015.

▶和文報告その他

  1. 中山仁志、堀田知美、中村洸太、岩渕和久:病原性抗酸菌がヒト好中球のスフィンゴ脂質代謝機構へ与える影響. 第92回日本生化学会大会, 横浜, 令和元年9月
  2. 中山仁志、横山紀子、堀田知美、岩渕和久:抗酸菌によるヒト貪食細胞におけるスフィンゴ糖脂質のラフトを介したシグナル伝達への影響. 第11回セラミド研究会, 東京, 平成30年10月
  3. 中山仁志、堀田知美、中村洸太、岩渕和久:CD14とCD11b/CD18はラクトシルセラミドの脂質ラフトを利用することでヒト好中球の炎症応答を仲介する. 第91回日本生化学会大会, 京都, 平成30年9月
  4. 中山仁志、横山紀子、堀田知美、岩渕和久:ラクトシルセラミドの脂質ラフトを介したヒト好中球の炎症応答. 第37回日本糖質学会, 仙台, 平成30年8月
  5. 中山仁志、岩渕和久:ヒト好中球における病原性抗酸菌によるスフィンゴ脂質代謝阻害.第60回日本脂質生化学会,東京,平成30年6月
  6. 中山仁志、岩渕和久:ヒト好中球におけるLPS応答はラクトシルセラミドのリピドラフトにより仲介される.糖鎖免疫 Glyco-Immunology 2018,東京医科歯科大学M&Dタワー,平成30年1月
  7. 中山仁志、栗原秀剛、堀田知美、岩渕和久:極長鎖脂肪酸(C24)を含むラクトシルセラミドはヒト好中球によるCD14を介した貪食に必要である.2017年度生命科学系学会合同年次大会(Combio2017),神戸,平成29年12月
  8. 中山仁志、岩渕和久:抗酸菌によるスフィンゴ脂質代謝阻害機構. 第2回抗酸菌研究会, 国立感染研(東京), 平成29年11月
  9. 中山仁志、岩渕和久:ラクトシルセラミドの脂質ラフトを中心としたパターン認識受容体複合体形成による好中球自然免疫応答機構. 第10回セラミド研究会, 札幌, 平成29年10月
  10. 中山仁志、岩渕和久:ラクトシルセラミドはヒト好中球におけるCD14を介したNF-κB活性化と貪食反応に関与する.第36回日本糖質学会年会,旭川,平成29年7月
  11. 岩渕和久、中山仁志、横山紀子:結核菌による糖鎖-糖鎖相互作用を利用したヒト好中球からの殺菌回避機構..糖鎖免疫,東京,平成29年1月
  12. 中山仁志、横山紀子、岩渕和久:結核菌による LacCer を介した食胞成熟回避機構について. 第9回セラミド研究会, 東京, 平成28年10月
  13. 河内山宰、渡部晃士、中山仁志、岩渕和久、神山洋一郎:ヒトマクロファージにおけるプロポフォールの抗炎症効果.第89回生化学会大会,仙台,平成28年9月
  14. 中山仁志、横山紀子、石井久美子、鹿毛まどか、栗原秀剛、岩渕和久:ヒト好中球におけるLPS依存性の貪食はLacCerの脂質ラフトに会合したCD14だけが関与する. 第89回生化学会大会,仙台,平成28年9月
  15. 中山仁志, 横山紀子, 栗原秀剛, 岩渕和久: ラクトシルセラミドの脂質マイクロドメインはヒト好中球におけるLPS誘導性炎症応答を仲介する. 第38回日本分子生物学会年会・第88回日本生化学会合同大会, 神戸, Dec 2015
  16. 岩渕和久, 中山仁志, 横山紀子, 石井久美子, 小林俊秀:ラクトシルセラミドの脂質マイクロドメインの構造と機能解析について 第8回セラミド研究会, 札幌, Oct 2015
  17. 中嶋和紀、長塚靖子、中山仁志、岩渕和久、平林義雄:LC-Ion mobility-ESI-MS/MSによるホスファチジルグルコシド代謝物の高感度・高選択的定量法. 第34回日本糖質学会年会、東京、2015
  18. 岩渕和久、中山仁志: スフィンゴ糖脂質の脂質ラフトの構造的特徴は免疫応答性を変えうるか. Glyco-Immunology 2015 糖鎖免疫 東京 Aug. 2015
  19. 中山仁志、横山紀子、岩渕和久: 病原菌由来細胞壁成分により誘導されるラクトシルセラミドを介した自然免疫応答. 第34回日本糖質学会年会、8月、2015
  20. Nakayama H, Yokoyama N, Iwabuchi K. Glycosphingolipid-mediated inflammation in human neutrophils
    第9回スフィンゴテラピー研究会. 6月, 2015
  21. ルーディ チミンチ イキャロンゴ ボ ラウェレ, 横山紀子, 中山仁志, 平林義雄, 岩渕和久. ホスファチジルグルコシドを介した好中球分化について. 第57回日本脂質生化学会大会, 6月, 2015

▶受賞学術賞

  1. 平成29年 第2回抗酸菌研究会ベストプレゼンテーション賞受賞