第回市民公開講座 質疑応答:講演2

講演2:悪性腫瘍に対する低侵襲治療

リスクの面から患者や家族にどのようなアドバイスを行っていますか。

血管内治療を代表とする低侵襲治療の多くは、まだ一般の病院で普及しているわけではありません。従って、このような治療を行う目的や得られる効果、合併症の頻度と程度についてご説明してから治療を行っています。さらにこの治療を行わない場合の選択肢についてもご説明しています。(桑鶴)

放射線治療を一度したのですが、局所内に再発した場合も放射線治療はできますか。

放射線治療は病気の周辺の正常な臓器や組織が耐えられるぎりぎりの量の放射線を照射しています。医療では安全を重視しますので、時間が経過しても一度目の治療で受けた正常な臓器や組織のダメージは残っていると考えます。したがって、もう一度同じ場所を治療すると正常な組織や臓器が放射線に耐えられる限界を越えてしまい、重い副作用がでる可能性が出てきます。このため、同一の部位では放射線治療を2回行うことは原則としていたしません。1回目の放射線治療の線量が少ない場合などで2回目の治療が行えることもあります。(笹井)

低侵襲治療において「このような医療機器が実用可能となれば、劇的に手術・治療が改善するのに」と思うような(期待する)機器はありますか。

医療機器に関してはかなり進歩しており満足していますが、治療前に撮影した画像が治療中にもっと良く見えるようになると、治療が行いやすくなります。また、器具では細くて見やすい血管内視鏡が開発されると役立つと思います。さらに外国では使用できる材料が本邦では未承認で使用できないということが今後の課題だと思います。(桑鶴)

今までに治療した患者で印象に残った症例についてお聞かせ下さい。

低侵襲で最大の効果を発揮することを目的にしていますので、がんによる病的骨折を骨セメント投与により治療して、寝たきりの患者さんが翌日には歩行できたことや、狭くなった血管内にステントと呼ばれる筒を留置して血管を拡張することによってむくみがなくなった患者さんなど多くの患者さんが印象に残っています。(桑鶴)

看護師サイドに要望することやコメントがあればお聞かせ下さい。

IVR学会認定IVR看護師制度が確立されており、来年第3回認定試験が行われます。IVRに果たす看護師の皆さんの役割は非常に大きく、特に患者さんの質問や不安の解消に役立っています。院内でのIVRの普及活動や術前術後の看護を積極的に施行していただきたいと思っています。(桑鶴)