第7回市民公開講座 質疑応答:講演2

講演2:前立腺がんになったらどうするの?

PSAが上昇する原因につい説明してください。
炎症が原因の場合には、治ったらPSAは低下しますか。

がん、肥大症、炎症などが主な原因と考えられます。炎症の場合は炎症が治るとPSA値は、事例により多少早い遅いはありますが、低下してきます。その他、骨盤内の血管拡張や血流のうつ滞などでも上昇することがあります。

PSAの値が毎年上昇しています。生検を受けるべきでしょうか。

生検が全く無害とも言い切れないことや、前立腺がんという病気の予後からすると、生検が必要かどうかは、患者さん毎に個別に考える必要があります。その際、年齢、PSAの値、PSAのF/T比、上昇速度(PSA倍加時間)等を考慮します。従って主治医にご自分の希望を伝え、納得されるまでよくご相談になることをお勧めします。

がんの進行度はステージⅠ~IV分類されているようですが、治療によりそれぞれ予後はどのようになるのでしょうか。

5年相対生存率は、日米ともに転移のないがんでは限りなく100%に近いのですが、転移のある場合(ステージIVの大部分)では、残念ながら30%から40%程度に留まります。

外科的治療、薬物治療、放射線治療の生存率の違いについて教えてください。

転移のない前立腺がんの根治療法(がんを根絶させようとする治療)としては、現時点では外科的治療か放射線治療かの選択になります。どちらを選んでも5年から10年の生存率に大きな差はありません。10年を過ぎると手術療法の方が生存率がやや高くなります。

新聞でPSA検査の必要性について議論されていましたが、PSAの信頼度は高いのでしょうか。

PSA検査は前立腺がんの早期発見には有用ですが、がんでない人も基準値を超えることが少なくないため、不必要な生検を受ける危険があります。

密封小線源治療(brachytherapy)後の再発、転移等について教えてください。

前立腺がんの転移の多くは骨やリンパ節に起こります。治療後に一度低下したPSA値が再び上昇し始めたとき、連続して上昇したか、あるいはある値を超えて上昇したかなどを参考にして再発の判定をします。これは骨シンチグラムなどの画像のうえでの異常や症状の出現により再発を判定するよりもはるかに早い時期からPSA値の上昇が見られることによります。

PSAは、どのような上昇の動きをするのでしょうか。

ひとにより様々です。グラフにしたとき谷の部分が、次第に右肩上がりになるようでしたら要注意です。

抗がん剤の効きめはどの程度あるのでしょうか。

現在用いることのできる抗がん剤は、延命効果が証明されている薬剤もありますが、残念ながらがんの根治を期待することは難しいと言えます。

骨への転移の場合、痛みはどの程度なのでしょうか。

前立腺がんの骨転移が、他のがんの骨転移と違う点は、痛みのコントロールが少量の放射線照射により、容易に得られることです。また、かなり進行するまで普通の鎮痛薬でもコントロール可能です。ある程度以上に進行してしまうと、やはり麻薬が必要となる例があります。