第8回市民公開講座 質疑応答:講演2

講演2:化学療法の効果と副作用

薬害で死亡するということはあるのでしょうか。

薬害による死亡はその因果関係をはっきりさせることが難しいですが、実際には起こりうる事象です。新しい薬剤の開発やあたらしい治療法を調べる臨床試験では、こうした事実が報告された場合に臨床試験そのものの中止・変更を厳しく検討します。臨床試験では、薬剤の副作用、有効性、標準的治療との比較などの試験結果を経て一般的な治療法として世の中に普及していきます。最も重要なことは一般的な治療法として普及した治療法の選択が抗がん剤を扱う医師に求められています。どのような状況の患者さんにどの抗がん剤をどのくらいの量で投与すべきなのかという問題は単純に過去に報告された医学論文だけで決めるのではなく、患者さんお一人お一人の治療歴、症状、臓器の機能がどのくらい障害されているかなど様々な観点から適切な治療法、薬剤の選択、投与量をよく検討する必要があります。

金の切れ目が命の切れ目と言われるぐらい薬が高いですが、今後公的負担で、少しでも安く治療が受けられるようになるのでしょうか?

高額な治療費に対して公的負担によって、治療費の負担を軽減する仕組みはあります。しかし、分子標的治療薬は高額なお薬であることが多く公的負担による軽減をはかっても、月にお支払いする治療費はやはり高いことが多いと思います。医学論文や海外の学会報告などの医学的な根拠だけではなく、こうした経済的な問題にもきちんとした説明が必要な時期に迫られていると思われます。

副作用の中で脱毛がとにかくつらいのですが、脱毛しない抗がん剤の研究は進まないものでしょうか。カツラを使用しているのですが、暑さも風もつらいです。乳がんより副作用のほうがつらいかもしれません。

抗がん剤による副作用を軽減する研究は現在でも行われていますが、確実に有効といえるような治療法はいまだに確立されていないことが多いようです。