第19回市民公開講座 質疑応答:講演1

質問内容は、皆様にわかりやすいよう一部内容修正しています

講演1:「悪性リンパ腫」~特にホジキンリンパ腫について~

がん細胞は糖の摂取で増えると聞いたことがありますが、糖制限(食物)は意味がありますか。

現時点では、治療に対してもよい影響を及ぼす、というような明確な証拠はありません。

若年でABVDを受け、卵巣にはあまり影響はないと言われましたが、ホジキンリンパ腫の治癒後の妊孕性とはどういう意味でしょうか。またいつ頃から妊娠可能でしょうか。

女性に関しての薬剤による遷延性無月経は、ABVDはほぼ心配がない低リスク群に分類されます。初回治療がうまくいかない場合に行われる可能性のあるプロカルバジンを含む治療(BEACOPP療法など)や、再発治療などで行われる造血幹細胞移植前処置などは、70%を超える高リスク群に分類されます。放射線治療については、成人で6Gy、思春期後女子で10Gyの腹部骨盤への照射は高リスク群に分類されています。このような意味でホジキンリンパ腫の治癒後の妊孕性に関して当日はお話しさせていただきました。

悪性リンパ腫にならないために注意する点を教えてください。また、予防方法は、ありますか。

残念ながら、現時点では特別な予防法というものはありません。

悪性リンパ腫が再発しないために注意する点を教えてください。

再発についても特別な予防法はありません。ただ、一旦完全奏効状態に到達されたのであれば、毎日を楽しく過ごしていただきたいと思います。

40歳。非ホジキリンリンパ腫で現在治療中です。本に牛肉、豚肉、甘いものはあまり食べない方が良いと書いてありましたが、食べない方が良いのでしょうか(担当医の先生は食べたい物を食べて良いと言っています)。

食事内容の偏りは良くないですが、担当医の先生が仰る通り、食べたい物を召し上がっていただいて結構だと思います。

再発までの期間とは、初発の発病時からでしょうか。それとも治療がすべて終了(維持療法も含めて)した時からでしょうか。

治療終了後から計算します。

しこりがない場合、悪性リンパ腫を発見するためにはどうすれば良いのでしょうか。

原因不明の発熱、体重減少、ひどい寝汗などで気付くことがあります。

知人は扁桃腺と言われたまま亡くなりました。亡くなる直前に悪性リンパ腫と判明しました。同じようにならないためにはどうすれば良いのでしょうか。

扁桃腺に病気がある場合、耳鼻科の先生に相談して、経過によっては血液内科に紹介していただく選択肢もあるかと思われます。

リード・ステルンベルグ細胞なのか、それともステルンベルグ・リード細胞のどちらでしょうか。

ホジキンリンパ腫の特徴的な大型細胞を1898年にステルンベルグが、1902年にリードがそれぞれ別個に発表しました。その後、この細胞はリード・ステルンベルグ細胞と呼ばれるようになりました。受験数学でお馴染みのケーリー・ハミルトンの定理が、今では"ハミルトン・ケーレー"と呼ばれたりしているような例もありますが、ステルンベルグ・リード細胞という言い方はされません。

化学療法、放射線治療をしない場合、非ホジキンリンパ腫の治療で、ステロイド(プレドニン)は有効でしょうか。

ステロイドは非ホジキンリンパ腫の治療に不可欠な治療薬ですが、ステロイド単独では十分な治療効果を得ることはできません。

持病等がある場合、例えば潰瘍性大腸炎を併発している場合、化学療法は可能でしょうか。不可の場合はどのような治療法がありますか。

重症の場合は難しい可能性があります。化学療法が不可能な場合の一つの方法としては放射線療法があります。

脳の場合、どのような神経症状がでますか。

人格の変化や痙攣などが出ることがあります。

ホジキンリンパ腫が治った後のケアとしての注意点に甲状腺機能低下症があり、これは認知症と間違えられることがあると話を伺いました。認知症の症状には多種現れ方があるかと思いますが主にどのような現れ方がありますか。

言語・記憶などの知的活動の低下、自発性の低下などの現れ方をします。

再発について、しこりは腫れがなく奥に出た時はどのように発見されるのでしょうか。定期診察でわかるのでしょうか。

しこりが大きい場合は、痛みが出たり、血液検査で判明することがありますが、一般的には画像検査をする必要があります。

ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫では何が違うのでしょうか(症状・治療法・治療後ケアなど)。

発症年齢:ホジキンリンパ腫(HL)は30代に最も多く、50歳以降が次に多く、非ホジキンリンパ腫(NHL)は50〜60歳代以降で多いといわれています。
治療法:使用する抗腫瘍薬が異なります。HLはアドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン等を用いますが、NHLはシクロホスファミド、アドリアマイシン、ビンクリスチン、プレドニン等を用います。B細胞リンパ腫ではリツキシマブも使用します。
治療後のケア:HLは発症年齢が若く治癒率も高いため、治療後のケアも非ホジキンリンパ腫以上に注意を払う必要があります。

悪性リンパ腫の抗がん剤治療はどのくらい期間がかかるのでしょうか。

ホジキンリンパ腫の場合、初回治療で6〜8カ月程度かかります。

何年くらい再発のリスクがあるのでしょうか。また何年くらいフォローする必要があるのでしょうか。

再発自体は5年程度を目安にしますが、晩期毒性は何十年もフォローする必要があります。

放射線治療を行わなかった場合、生存率は下がってしまうのでしょうか。放射線と抗がん剤の両方を受けた方が良いのでしょうか。

放射線治療は主に限局期の患者さんで重要な役割を果たしますが、限局期であっても、放射線治療をどうしても避けたい場合は、化学療法のみで治療を行うことも可能です。

何も治療をしない場合、どのような終わり方を迎えるのでしょうか。また、どのくらい日常生活ができるのでしょうか。

一般的にホジキンリンパ腫は比較的ゆっくりとした経過を辿ることが多い疾患です。しかし、次第にしこりが大きくなり、身体の中の重要な内臓を圧迫したりすることによる痛みや臓器の障害などが起こり、腫瘍死する場合が多いと考えられます。どのくらいの期間日常生活ができるかは、患者さんによって異なるので、一般的なことが言い難いと思われます。