第22回市民公開講座 質疑応答:講演2

質問内容は、皆様にわかりやすいよう一部内容修正しています

講演2:「がん治療中の栄養療法」

がん予防に良い食事、栄養療法はありますか。
がんにならない為には、どのような食生活を心がけたら良いでしょうか。

野菜と果物の摂取が少ないグループで、がんのリスクが高いことが示されており、また、高濃度の塩分を含む食品の摂取は男女ともに胃がんのリスクが高くなることがわかっています。現在、根拠に基づいて言えることは、緑黄色野菜の摂取を増やし、塩分の濃い食品を控えることです。

食が進まない時、自分の好きな食品をどれだけ希望としてかなえられるのでしょうか。

短期間であれば、食が進まないときはエネルギーを摂ることを優先して、食べやすいものを優先して食べても良いでしょう。

がん患者で糖尿病を合併している人も多いと思います。糖尿病患者の低栄養改善は、どのようにするのでしょうか。
糖尿病治療中の場合、がん治療の栄養療法で特別に気を付けることはありますか。

糖尿病食事療法の基本は、主食と副食をそろえて、バランスよく栄養を摂ることで、これは、がん治療中にも共通することです。低栄養の場合は、糖尿病の食事に、たんぱく質の料理や、栄養補助食品を1品程度加えると良いでしょう。

プロテイン(水や牛乳に溶かして飲めるタイプ)は有効でしょうか。

たんぱく質の補給に適した方法です。その他、牛乳にスキムミルクを追加することでも手軽にたんぱく質を増量することができます。

口内炎予防にオイスターソースなども良いのでしょうか。

口内炎予防に効果的な栄養素は、亜鉛やグルタミンです。牡蠣には亜鉛が多く含まれていますが、オイスターソースに含まれる亜鉛はごく少量となります。

胃がんで胃の全摘術後、経口栄養剤を処方されましたが、血糖が高くなり、中止することになりました。高血糖との対処方法はどうしたら良いでしょうか。

糖質の含有量を抑えた、糖尿病用の栄養剤が販売されています。
*リソース グルコパル(ネスレ日本),明治インスロー(株式会社明治),ディムス(株式会社クリニコ),タピオンα(テルモ株式会社)など

摂ったら良い食品(タンパク質+糖質)や偏らない食事が良い、食べたいのならば、ジャンクフードも良し、とのことですが、免疫療法治療中の患者の場合、すすめない食品、食べ合わせ等マイナスになる食品があれば教えてください。

感染症に注意する必要がありますので、食中毒予防が重要です。食べる前の手洗い・うがい、食後の歯磨き、新鮮ではない生ものは避ける、清潔な環境で調理された料理を選ぶなどの注意が必要です。また、免疫療法中だからといって、特定の食品の摂取を避ける必要ありませんが、サプリメントなど 特定の栄養素を強化した物を摂取する場合は、事前に医師・薬剤師に相談し、薬との飲み合わせや臓器への負担が無いかを確認しておくと良いでしょう。

術前術後、化学療法中、放射線治療中の栄養に関するお話はありましたが、それ以外での内服治療中等の場合、通常生活の中で注意するべき栄養療法はありますか。

食事(栄養療法)は、薬と違ってすぐに効果が現れるものではありません。どの治療法を行うにせよ、治療を続けていく体力が必要になりますので、特定の食品を「たくさん」食べるのではなく、「いろいろ」食べて栄養素を補完するようにしましょう。
また、薬によって出現しやすい副作用が分かっていますので、予め医療者に聞いて対策を立てておくと安心です。(例:手指のしびれがある場合・・・冷たい物を避ける、冷たい飲料は取手のあるカップに移して飲む 等)

抗がん剤治療後、半年くらいたっても、治療により白血球や好中球が減少していて、なかなか増えないのですが、食品や栄養補助食品で、白血球が増えるおすすめのものはありますか。

残念ながら、食品により確実に増えるものはありませんが、偏らない食事は心がけてください。