院内がん登録
院内がん登録とは
院内がん登録は、病院で診断されたり、治療されたりしたすべての患者さんのがんについての情報を病院全体で集め、その病院のがん診療がどのように行われているかを明らかにする調査です。
2016年1月より、日本でがんと診断されたすべての人のデータを、国で集計・分析・管理する「全国がん登録」の制度が開始されました。この制度は「がん登録等の推進に関する法律」に基づき、全国の医療機関はがんと診断された人のデータを都道府県知事に届け出ることが義務化されており、がん登録にあたっては患者本人の同意を得なくて良いものとされております。
当院は、院内がん登録のデータを基に全国がん登録データを国に提出をしております。この点につきましては、どうぞご理解いただけますようお願い申し上げます。
院内がん登録数の推移
当院は、2007年症例から院内がん登録を開始し、2013年以降は年間4,000件を超える登録数となっています。
2020年症例数に関しては、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が、がん診療にも少なからず影響しており、2019年症例のデータを提供した施設(当院を含む)の68.8%(594施設)においても減少が認められています。当院の前年比較の減少幅は、全施設平均がマイナス4.6%であったのに対し、当院ではマイナス14.8%と、より影響が大きかったようです。

2020年症例 集計結果
1.部位別登録症例数
* 集計対象 *
2020年1月1日から12月31日までの1年間で登録対象となる腫瘍の種類に該当するもののうち、入院・外来を問わず、自施設において当該腫瘍に対して初回の診断または治療が行なわれた腫瘍
集計対象数:4,075件


2.部位別集計結果
* 集計対象 *
- 腫瘍の種類が癌腫(上皮細胞由来の悪性腫瘍)であり、かつ当院で初回治療を行なった症例
- 当院で症例数の多い、肺癌・乳癌・大腸癌・前立腺癌・胃癌・肝癌
(1) 治療前ステージ割合
2020年に当院でがんに対する初回治療(※1)を行った患者さんの治療前の状態を、UICC(Union for International Cancer Control、以下UICCという)病期分類(※2)のステージ別に分類し、全国総数と比較しました。
- ※1 初回治療
医師はがんと診断した後に、そのがんに対する治療計画をたてる。その計画の完了までに行われる全ての治療のこと、あるいは診断からおよそ5カ月以内に施行された治療のことを初回治療といい、積極的な治療を行わない経過観察も含まれる。 - ※2 UICC病期分類
原発腫瘍の広がり、リンパ節転移の有無と範囲、多臓器への転移の有無、の3つのカテゴリーから、がんを0期~Ⅳ期のステージに分ける世界共通の分類。
(2)治療方法
各部位における初回治療法の割合を示しました。
( 割合が10%以下の治療方法については「その他」に包含しています)
グラフ内表記 | 治療内容 |
---|---|
手術 | 手術のみ |
内視鏡 | 内視鏡的切除のみ |
薬 | 薬物療法 (抗がん剤やホルモン剤) のみ |
薬 + 他 | 薬物療法 + その他(※) |
手 / 内 + 薬 | 手術 / 内視鏡 + 薬物 |
手 / 内 + 放 + 薬 | 手術 / 内視鏡 + 放射線 + 薬物 |
焼灼 | レーザー等治療 (RFA、MWA) |
経過観察 | 経過観察 |
肺 (小細胞癌を除く)
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法

乳房
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法

大腸
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法

前立腺
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法

胃
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法

肝 (肝細胞癌)
(1)治療前ステージ割合

(2)治療方法
