センター概要

開設の経緯

小児医療のエキスパート(医師、看護師、保育士など)が有機的に連携することで、小児医療を集約化し、より高度で安全な医療を提供する、という理念に基づいて、近年、小児病棟を「小児医療センター」と改称し、15歳未満の小児の入院患者を全て小児医療センターで診療するシステムを取る大学病院が増えています。
順天堂大学医学部附属順天堂医院では、2006年2月に母子医育支援センターを設立し、小児科・小児外科・産科の緊密な連携とその医療水準の高さを対外的にもアピールしてきました。そして、小児病棟フロアの拡張に伴い、新たな体制でこれまで以上に高度で効率的かつ安全な小児医療の提供を診療科の枠組みを超えて可能にするため、2019年10月1日から周産期センターと共に小児医療センター(90床)を開設しました。

診療体制

本センターは、これまでの母子医育支援センターが小児医療センターと周産期センターとに分かれ、小児科および小児外科を中心に、脳神経外科、心臓血管外科、眼科、形成外科、整形外科、耳鼻咽喉頭頸科などの小児の外科系診療科や皮膚科などが連携して、基本的には15歳以下の小児の病気をそれぞれの科の知識や技術、さらには経験などを結集して治療に当たっていくために開設された都内有数の小児のための医療センターです。

順天堂医院 小児医療センター

センター長 清水 俊明(小児科)
副センター長 山高 篤行(小児外科)
小児科病棟医長 田久保 憲行(小児科)
小児外科病棟医長 瀬尾 尚吾(小児外科)
小児脳外科長 下地 一彰(脳外科)
小児心臓血管外科長 中西 啓介(心臓血管外科)
小児眼科長 根岸 貴志(眼科)
小児形成外科長 市川 佑一(形成外科)
小児整形外科長 内藤 聖人(整形外科)
小児耳鼻咽喉科長 伊藤 伸(耳鼻咽喉科)
小児皮膚科長 平澤 祐輔(皮膚科)

主な特徴(診療機能、アメニティ)

①小児の全領域の疾患をしっかり診療することができる、②全国でもっともアクティビティーの高い小児外科を有する、③脳神経外科や心臓血管外科などの外科系も充実している、④成人領域への無理のないトランジションが可能である、⑤心のケアやアメニティにも十分配慮している、⑥周産期センターとの連携が十分に行われている、などをアピールポイントとし、病気の子ども達やそのご家族に高度で安全、かつ優しい医療を提供していきます。

今後の取り組みについて

  • 小児IBDセンターの設立
    小児の消化器内視鏡チームを持つ東京で唯一の大学病院であり、最も多くの炎症性腸疾患(IBD)患者の診療を行っています。今後は、小児医療センター内に小児IBDセンターを立ち上げ、さらに充実した小児IBDの診療を行っていく予定です。
  • スムーズなトランジションシステムの構築
    本邦では15歳以上は内科の領域ですが、多くの小児の慢性疾患は15歳以上になっても小児科で診ています。そこで、順天堂内の内科の診療科と十分な連携をとりつつ、内科への移行をスムーズに行っていきます。
  • 他施設共同臨床研究への参加
    様々な薬剤が小児適応を取得していないのが現状です。そこで積極的に臨床試験に参加するとともに、臨床研究を行って明日の小児医療に貢献していきます。
  • ロボット支援手術の適応の拡大
    操作スペースが狭小で精密な操作が求められる小児において、ロボット支援手術はより大きな恩恵を受けられると考えます。今後、さらに適応を拡大し、低侵襲で安全かつ質の高い手術を提供できるよう努めます。
  • 複雑な症例に対する臓器別の科を越えた質の高い手術
    多臓器にわたる複雑な症例に対し、小児外科、脳神経外科、心臓血管外科、眼科、形成外科、整形外科、耳鼻咽喉頭頸科、皮膚科などの小児の外科系診療科などが連携して、エキスパートによる質の高い手術を行います。
  • 胎児診断症例に対する支援
    胎児診断症例に対し、先端医療を提供すると同時に、金銭的支援を含めた総合的なサポートを行います。