私たち大腸・肛門外科が、診療で対象としております主な疾患は、以下の通りです。

大腸がん

大腸がんは、進行すると再発や転移を起こす悪い病気です。症状としては、下痢や便秘、下血や腹痛、また便が細くなり体重が減ったりします。しかし、初期には自覚症状はほとんどありません。大腸がんは、現在、増加傾向にあり、注意が必要です。

便潜血反応検査が陽性となった方の100人のうち1~3人に大腸がんが発見されます。自覚症状がなく、便潜血反応が陽性で発見された大腸がんの予後は良好であるため、便潜血反応検査が陽性の場合は、症状がなくても大腸の検査を受けることをお勧め致します。
大腸がん手術は基本的に腹腔鏡手術で行っております。

大腸腺腫(ポリープ)

大腸腺腫の中には、放っておくと「がん」になるものがあるため、前がん状態とも言われています。便潜血反応検査が陽性となった方の100人のうち20人(5人にひとり)に大腸腺腫が発見されます。大腸腺腫が小さいうちは、内視鏡で切除することが出来るため、症状がなくても大腸の検査を受けることをお勧めいたします。
当科ではEMRやESDで早期癌や、大きなポリープも切除しております。

炎症性腸疾患

(潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸憩室炎・虚血性大腸炎など)
炎症性腸疾患の治療は、消化器内科が主体に行われています。しかし、炎症性腸疾患でも、重症化すると手術が必要となることがあり、消化器内科と連携して診療を行っています。

肛門疾患

肛門の三大疾患(痔核・痔ろう・裂肛)の診察、治療を行っています。
薬による治療や手術だけでなく、切らずに注射で治す硬化療法(ALTA療法)まで、それぞれの治療方法を丁寧にご説明し、個々の症状や患者さんの事情に応じた最善の治療方法を選択します。

また、複雑痔瘻などの難治性肛門疾患、直腸脱、便失禁といった排便機能障害の治療も行っています。

ヘルニア疾患(脱腸)

太ももの付け根(鼠径部)が膨らむヘルニアを中心に、手術の創部が膨らむ腹壁瘢痕ヘルニアの治療を行っています。一般に脱腸は薬では治りませんので手術による治療が必要になります。手術は、脱出しているところに医療用のメッシュ(布)を用いた補強を行っています。腹腔鏡手術や開腹手術、全身麻酔が難しい重度な持病をお持ちの方には、日帰り手術センターを利用した局所麻酔手術などを行っております。また、自費診療(保険適応外)ではありますがロボット支援下手術も行っておりますので、ご興味のある方はご相談ください。

その他 緊急疾患

急性虫垂炎や消化管穿孔、下血、腸閉塞などの緊急の疾患にも対応しております。
 
その他、症状がみられなくても、検査をご希望される場合や、セカンド・オピニオンなどでお悩みの方もご相談ください。