入院診療
入院が必要と判断される患者さんは、入院の上、診察・治療を行います。
眼科は46床(個室18床 多数室28床)を主に眼科専門病棟に抱え、担当医・研修医が病棟医長とともに診療に当たります。
主な手術の入院期間
手術の種類 | 入院期間 |
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白内障片眼 | 2泊3日~ |
緑内障 | 1週間~ |
角膜移植 | 1週間~ |
入院に関しましてご不明な点がございましたら、外来までお気軽にご相談ください。
プレミアムレンズを用いた白内障手術
~多焦点眼内レンズ&トーリック眼内レンズ~
眼科領域で最も多く行われる手術である白内障手術は全国で年間約80万眼行われています。超音波乳化吸引術の進歩により完成の域に入ったかと思われたこの手術も、近年は新しい眼内レンズの開発に伴い、更なる進化をとげ続けています。
従来の白内障手術の術後の目標は、〝眼鏡を掛ければ見える〟ことでしたが、最近は〝眼鏡を掛けなくても見える〟ことを求められる機会が多くなっています。
従来使用してきた眼内レンズは単焦点レンズと呼ばれ、遠くにピントを合わせた場合、近くの文字は老眼鏡を掛けないとはっきりと見えません。また、乱視の治療もできないため、角膜乱視の方には乱視用の眼鏡を掛けてピントを合わせました。
近年、プレミアムレンズと呼ばれる老眼や乱視も治療できる特殊な眼内レンズが開発され、徐々に使用されるようになってきています。
本日ご紹介する多焦点眼内レンズは遠近両用眼内レンズのことであり、老眼の治療に用いられます。トーリック眼内レンズは乱視矯正用眼内レンズであり、角膜乱視の治療に用いられます。これらのプレミアムレンズは、老眼鏡や乱視用の眼鏡を使用する機会を減らし、QOLを向上させることが期待されています。
多焦点眼内レンズは今の所、健康保険の適応が認められていませんので、手術と関連する治療を自費診療で行うことになります。順天堂医院では平成23年4月より高度先進医療として手術を行っており、健康保険負担分以外に片眼約40万円の自費負担が必要となります。手術結果はそれぞれの眼の条件(瞳孔の直径や乱視など)によって異なり、一部の方では夜間に車のヘッドライトや街灯などがにじんで見づらくなったりする(グレア、ハローと呼ばれる現象)こともあります。また職業ドライバーの方などは手術をより慎重に進める必要があります。
ト―リック眼内レンズは既に健康保険が適応されており、通常の白内障手術と同様の費用で行えます。しかし、全ての乱視を治療できるわけではなく、術前の適応検査が重要になります。また、同時に老眼の治療はできず、両方を治療できる多焦点トーリック眼内レンズを用いた手術の本邦での普及が待たれています。
当院でも、これらの眼内レンズを使用する手術を開始しています。興味のある方は、ご紹介下さるお近くの眼科の先生や当院外来担当医にご相談ください。
(文責:中谷 智)
