屈折矯正
従来、近視や乱視を矯正する方法として、眼鏡、コンタクトレンズが使用されていますが、近年、レーザーによって角膜(黒目)の形状を変化させ、矯正しようとする手術(屈折矯正手術)が行われるようになりました。
エキシマレーザーという装置の開発によって、従来の方法と比較して非常に高い精度で屈折異常を矯正することが可能になってきました。
レーザーによる屈折矯正手術の中には、角膜表面を切除する光学的角膜表層切除術(PRK)、角膜のフラップを作製してからレーザー照射を行うレーシック(LASIK)等があります。
現在、当院ではPRKおよびLASIKによる屈折矯正手術を行っています。
手術をご希望される方は、屈折矯正手術(LASIK)説明会(毎月第4金曜日16:30~)、または屈折矯正外来(金曜午前)を受診してください。
診療日について
屈折矯正外来診療日 | 毎週金曜日 午前 |
---|---|
場所 | 1号館4階 眼科外来 |
設備の紹介
手術についての説明
(1)屈折異常とは
眼の構造は、カメラによく似ています。網膜はフィルムにあたるものです。角膜や水晶体はカメラのレンズに相当し、目に入ってくる平行光線を網膜上で結像させる役割をしています。近視とは、網膜よりも前で焦点が合っている状態で、網膜上ではピントが合わず、物がぼやけて見えます。近視の人の多くは、学童期に始まり、成長と共にその度合いが進みます。そして、10代の終わり頃進行が止まる場合がほとんどですが、最近は、Late onsetmyopiaと言われる、20歳から30歳代まで進行するケースもあります。
近視を矯正するためには、目の屈折力を弱める必要があります。眼鏡、コンタクトレンズは凹レンズを使って屈折力を弱め、全体的に焦点を後方へずらすことにより、網膜上でピントを合わせようとするものです。それに対し、エキシマレーザーによる屈折矯正手術では、角膜のカーブをレーザーで切除することにより屈折力を弱めようとする方法です。
(2)エキシマレーザーとは
エキシマレーザーは、非常に短い波長を持つ紫外線です。一般的に紫外線は、有害という印象がありますが、このレーザーの波長は、人体に対して有害な作用を及ぼさないことが安全性試験において明らかにされています。このレーザーを角膜に照射することにより、角膜の表面をわずかに切除し、角膜表面のカーブを変えることで、近視、遠視、乱視等の屈折異常を矯正することができます。ミクロン(千分の1ミリ)単位での制御が可能で、メスを使用した手術よりもより精密な手術が行えます。
エキシマレーザーを使用して屈折異常を治療する方法は、PRK(Photorefractive keratectomy)、LASIK(Laserin situ keratomileusis)の2種類があります。
(3)LASIK手術とは
エキシマレーザー角膜手術装置を用いた屈折矯正手術の一種で、近視および乱視(遠視も可能)を矯正する方法です。角膜表層部をマイクロケラトームという特殊な器具で厚さ約160ミクロンの層状に切開して、角膜フラップを作製し、露出した角膜実質部にエキシマレーザーを照射し、照射後フラップを元に戻し、縫合せずに自然に治癒させる方法です。矯正効果が正確で、手術後の角膜の濁りや痛みが少なく、視力の回復が早いという長所があります。
(4)レーザーによる近視手術

(5)手術適応について
当院では、手術の安全性を最優先にしています。従って、術前に精密な適応検査を行い、適応基準を厳しく設定し、安全性を確認した後に手術を行っています。
手術の適応基準は、原則として日本眼科学会の屈折矯正手術ガイドラインに準拠しています。また、角膜の厚みや角膜の曲率半径などに独自の厳しい安全基準を設定ています。
平成12年度6月のエキシマレーザー屈折矯正手術の日本眼科学会のガイドライン委員会より発表された第三次答申を以下に記載します。
屈折矯正手術ガイドライン
角膜屈折矯正手術の選択・除去基準(近視・近視性乱視)本手術適応者は、20歳以上で、眼鏡あるいはコンタクトレンズ装用の困難な症例で、かつ以下の各項目のいずれかに該当するもの
- 2D以上の不同視
- 2D以上の角膜乱視
- 3Dを超える屈折度を安定した近視
- 屈折矯正量は6Dを限度、10Dを超える屈折矯正はすべきでない。
- 6D以上では十分な医学的根拠が必要
- 両眼の場合、LASIKで一週間以上、PRKでは1ヶ月以上間隔をあける。
日本眼科学会が指定した講習会を受講した眼科専門医が、実施このガイドラインはPRK手術ばかりでなくLASIK手術も含めた指針でありますが、マイクロケラトームについては、厚生労働省の認可がおりていないため、LASIK手術に関しては"医師が自己の責任において施行しなければならない"としています。また、次の疾患がある場合には、手術は施行できません。
<除外基準>
- 外眼部に炎症のある症例
- ぶどう膜炎や強膜炎に伴う内眼性の活動性炎症を有する症例
- 重症の糖尿病、重症のアトピー性疾患のような創傷治癒に影響を与える全身性疾患および免疫不全(AIDS等)の症例
- 円錐角膜の症例
- 涙液の基礎分泌量がシルマーテスト第一変法で5mm以下の乾性角結膜炎
- 膜疾患を来す恐れのある薬剤を服用している症例(特にブチロフェノン系向精神病薬(ハロペリドール)を服用しているもの)
- 過去三ヶ月以内に眼科手術あるいは外傷を受けたもの
- 白内障、コントロール不良の緑内障、その他、眼内の器質的疾患によって視力を損なっている症例
- 妊婦、授乳婦
- 角膜ヘルペスがある症例
- 担当医師が対象として不適切と判断した症例
手術までの流れ
(1)手術の流れの説明
- 屈折矯正(LASIK)説明会に参加
- 屈折矯正外来で適応検査 (1.と2.はどちらが先でも可)
- その後、手術適応者には手術の予約をしていただきます。
- 手術の約1週間前に確認検査予約を取り、再度近視や乱視の度数の測定結果を前回と比較し確認します。また、全身感染症の血液検査をいたします。
- 手術(水曜日午後)
- 術翌日検査(木曜日午前)
- 術後検査(手術翌日、7日、14日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年)
(2)屈折矯正手術の流れ

手術日程について
手術日 | 毎週水曜日 午後 |
---|
手術は日帰り手術で、入院は不要です。
手術日の予約に関しては適応検査後にLASIK担当医にご相談ください。
無料手術説明会について
新型コロナウイルス(COVID -19)感染対策の観点より当面の間、説明会の開催を中止とさせていただきます。
ご希望の方には個別に対応いたしますので、屈折矯正外来を受診してください。