平成22年入局 山﨑香奈 「研修と出産、育児」

私は現在入局4年目ですが、3年目が終わるころに出産し、現在育児休暇を取得しております。
と言っても、産後1ヶ月から自宅で読影をさせていただいている状況です。
放射線科の仕事といってもCTやMRI、核医学検査など多岐にわたる画像検査の読影から超音波検査、血管造影検査・治療、放射線治療など様々ですが、育児中であっても読影なら自宅でも可能です。私は経験年数が浅く専門医はこれから取得する予定なので、記載したレポートは上級医のチェックが必要ですが、自宅読影でも院内にいるときと同様に上級医の先生がレポートをチェックしてくださいます。あまりにもかけ離れたことを書いていたり、手術後などで病理結果がカルテに記載されていたときなどはチェックしてくれた先生がレポートにコメントを入れてくださる(もちろん、これは放射線科の医師しか見ることのできないシステムになっています)こともあるので、とてもよい勉強になります。同じ読影室で、一緒に画像を見ながら他の医師と議論をしたり、質問をしたりするのは難しくなりますが、ただ漫然と目標もなく自宅で育児休暇を過ごしたり、あるいは幼いわが子を早々に預けて職場復帰したりするより計り知れないメリットがあることは言うまでもありません。
専門医の取得には大学病院や大きな市中病院など、決められた施設で決められた期間の研修を積む必要があります。たとえ研修中に出産、育児が重なったとしても、自宅読影の期間は研修期間として認められます。放射線科ではありませんが、出産・育児のために既定の研修期間を満たしたと認められず、認定医試験が先送りになってしまったという実例も聞いたことがあるので、この点でも当科で研修するメリットは大きいと思います。
それでも悩みがなかったわけではありません。近い時期に出産した友人が複数いるのですが、産後休暇を取得せずに早々に復帰した人、妊娠中から準備して自力で留学を決めた人など、出産後もどんどんキャリアアップしている友人たちを見て、自分はのんびりしすぎかなぁ・・・と葛藤する日々もありました。しかし、隣の芝生は青く見えるもの。わが子の笑顔が増えていったり、初めて寝返りをうった瞬間を見たりすることができた時は、自宅読影をさせてもらっていなければ、母親になった喜び、人生においてとても短い乳幼児期をゆっくり一緒に過ごす喜びを味わうことはできなかったと思います。家事も育児も仕事も・・・完璧ではなくとも全部やりたい!!という私のわがままな欲望をかなえさせていただいています。
もちろん、ばりばりキャリアを積んでいきたい、たくさん研究したい、男性だけど比較的早い時間に帰宅して自分の時間、家族との時間を大切にしたい、などどんな方でもぜひ来ていただきたいです。また、私は地元の地方大学出身、初期研修病院も市中病院でしたが、そんな順天堂とは縁もゆかりもない私でも皆とても親切で居心地のよい医局です。他にも少数派ではありますが、他大学・他の研修病院出身者もいますので、どなたでもご遠慮なく見学にいらしてください。
主治医の先生が患者さんにとって最善の治療を選択できるお手伝いができるように、心をこめてお手紙を書くつもりでレポートを作成するよう心がけています。そして、あの先生に読影してもらいたいと言われるような放射線科医になりたいと思い日々研修を続けています。みなさんと一緒に楽しく仕事ができる日を楽しみにしております。

山﨑香奈