平成21年入局 菊地奈央 「放射線診断専門医になって」

放射線科入局(日本医学放射線学会入会)5年目の夏(※新制度では6年目の夏)、「放射線診断専門医認定試験」という医師になってから一番大きな試験があり、無事に合格することができました。
これまでは、読影レポートを書く→「診断専門医の先生がレポートをチェックする」→レポートが院内、依頼科に公開される、という流れで読影業務を行っていました。この「レポートチェック」なしに、レポートを自分で書き、公開する資格を取るための試験が「放射線診断専門医認定試験」です。

試験内容は、「マークシート」と「口頭試問」です。画像が出題され、それに対する診断、治療、さらに必要な検査等を解答します。出題される画像は入局からこれまでの間に見てきたもの、勉強してきたものが多く、これまでの総決算といった感じでした。これは、たくさんの症例を経験できるという大学病院の最大のメリットだったと思います。もちろん試験勉強中には経験したことのない症例、断片的にしか知らない症例もありました。そのような症例を勉強することで新しい知識を増やし、頭の中を整理するとてもいい機会にもなりました。

試験勉強は基本的には文献を調べながら、過去問題集を解くという方法をとりましたが、一度だけ同期のメンバーで勉強会を行いました。学会HPで公開されている過去問題集のうち数年分の模範解答がなかったからです。それぞれが問題を解き(特に自分の得意分野)、分からないところは各分野のエキスパートの医局の先生たちに質問し、全員が勉強会で知識を共有し、私の場合は自分の勉強では足りなかったところを認識することもでき、とても有意義な勉強会でした。この勉強会で刺激を受け(焦り・・・)、その後の勉強のモチベーションが上がったのは言うまでもありません(笑)

試験に合格した今では、1人でレポートを書き、さらに後輩のレポートのチェックもしています。とても忙しく、責任は重大ですが、今までよりも充実した毎日を送っています。