専門外来紹介

初診及び一般外来にて、専門外来の受診を希望もしくは、医師からお勧め致しました患者さんには専門外来の予約を取らせていただきます。
患者さんから直接、電話もしくは受付等にて専門外来の予約はできませんのでご了承ください。専門外来の受診には必ず医師の診察が必要です。
ただし、他院からの紹介にて直接予約されたかたは指定の専門外来に受診可能です。予約後の予約日の変更は電話で問い合わせに応じる事は可能です。

耳鼻咽喉・頭頸科専門外来

鼻副鼻腔

難治性の好酸球性副鼻腔炎を始め、鼻副鼻腔疾患を幅広く扱います。
外来は池田、伊藤、中村が担当します。

慢性副鼻腔炎を初めとする副鼻腔・眼窩疾患に対する内視鏡的手術を低侵襲の先端医療として位置付けて、その臨床応用を1994年より集中的に行い、重篤な合併症・副作用もなく、今まで1,000症例以上の経験があります。その客観的なデータを欧文誌に公表して、国際的な評価を得ています。また、解剖学教室の協力を得て、研修医を対象とした内視鏡的副鼻腔手術の実習も開催してきました。また、慢性副鼻腔炎による下気道疾患の増悪と慢性副鼻腔炎の治療による下気道疾患の可逆的な改善の証明、内視鏡的レーザー副鼻腔手術の手技と治療成績、G蛋白異常による嗅覚障害、外傷性嗅覚障害の臨床統計、嗅覚障害のステロイド療法の臨床などの確立に務めています。さらに、マクロライドによる慢性副鼻腔炎治療の客観的な臨床的有用性を立証して、新しい治療法の開発に貢献しております。

中耳外来

中耳真珠腫を始め、手術対象となる症例を扱います。
外来は高田、岡田、原が担当します。

中耳外来は、主に中耳・外耳疾患の診断・治療にあたる外来です。0歳~100歳を超える方まで、様々な耳科疾患の方の診断・治療、また手術適応の決定、手術および術後のフォローアップを一貫して行っています。

中耳外来で診療している主な疾患とその手術治療についてご案内いたします。

  1. 慢性中耳炎:接着法による鼓膜形成術を行っています。耳の穴からのアプローチで、最短2泊3日での手術が可能です。
  2. 中耳真珠腫(真珠腫性中耳炎):再建には軟骨接合型人工耳小骨を使用しており、最短3泊4日での手術が可能です。再発は少ないですが、小児の場合は聴力検査ができず再発が発見しづらい可能性があり、2期的に手術を行い真珠腫の有無を確認します。
  3. 耳硬化症:炭酸ガスレーザーを用いたアブミ骨手術(stapedotomy)を行っています。炭酸ガスレーザー装置を使用し、低侵襲な手術で最短3泊4日での手術が可能です。術後のめまいもほとんどありません。
  4. 先天性アブミ骨底板固着症:耳硬化症と同様、低侵襲で最短3泊4日での手術が可能です。
  5. 中耳奇形症:鼓室形成術やアブミ骨手術など、それぞれの方の耳の状態に応じて術式を決定します。最短3泊4日での手術が可能です。
  6. 高度感音難聴:補聴器を使っても会話困難な両側高度感音難聴の方に人工内耳植込み術を行っています。手術の適応にはいくつかの基準を満たす必要がありますが、高度難聴でお困りの方はご相談ください。通常の入院期間は1週間以内です。

※現在の当院の耳科手術で体内に埋め込む人工物(人工耳小骨・人工内耳など)に関しては、術後MRI撮影がすべて可能です。人工内耳については医師の立ち合いなど一部条件付きではありますが撮影可能な素材を用いて手術を行っています。(脳外科などとの合同手術が必要な方についてはこの限りではなく、個別にご説明することがあります)

頭頸外来

癌をはじめとする頭頸部の悪性疾患を扱います。
外来は松本、大峡、藤巻が担当します。

頭頸部外来とは、耳鼻咽喉科領域における腫瘍性疾患、それも特に悪性腫瘍を主に扱う専門外来です。耳鼻咽喉科領域における主な悪性腫瘍疾患には上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌、甲状腺癌、耳下腺癌などがあります。
腫瘍性疾患治療の第一のポイントは早期発見、早期治療になります。それらのことを念頭において随時必要な検査(CT、MRI、エコー、PET〈他院連携にて〉等)を行いながら、定期的にファイバーによる診察などをさせていただきます。そういった診察・検査を経て、できる限り患者さん、時にはご家族をまじえて現在の病状、考えられる治療等について丁寧に御説明し、相談しながら納得したうえでより良い方針を決めております。
また、こういった疾患をお持ちの患者さんは、常に病気からくるストレスにより様々な心配事をかかえていらっしゃいます。そういった患者さんの肉体的苦痛のみならず、精神的苦痛にも随時、当院の緩和医療チーム、ナース、ドクターらが連携しながら対処しております。
そして常時、癌研究会付属病院頭頸科と合同カンファレンスを行い、セカンドオピニオンを取り入れております。

難聴外来

小児難聴を扱います。
外来は田島が担当します。

生まれつき聴力に障害を持った子供(先天性難聴児)が生まれる確率は、1000出生に対して1~2人と言われ、他の新生児スクリーニングで見付けられる病気と比べはるかに頻度が高い疾患です。もし、難聴児が気付かれずに放置された場合、言語の発達に大きな障害を受けることになります。言語の習得に一番重要なのは2~3歳頃の時期ですのでその頃までに難聴のスクリーニングがなされている事が望ましいと思われます。しかし、出生直後に発見して速やかに対応すれば健常児並みの言語能力を身につけることができる事も様々な事例より証明されています。
まずは難聴のお子様がどの様な行動や症状を伴うかを把握することが重要です。

  • 大きな音に反応しない。(新生児期~乳幼児期:ビクッとする、等の反射的な行動。4~6ヶ月:音のする方向を見る・探す、等の音源に対するはっきりとした反応。)
  • 幼児語からなかなか進歩がない。まわりの同年齢の子供より明らかに言葉が少ない。

以上の様なことが気になった場合はお子様の聴力を耳鼻咽喉科専門医に検査してもらう事が必要です。

診断の流れ
まずは生まれつき難聴になる要素がなかったかなどを問診します。(妊娠中の感染症や出産時の合併症、家族に難聴者はいないか、など)そして、実際に鼓膜の所見で中耳炎や鼓膜損傷、耳垢がつまっていないかなどを診察します。そのうえで実際の聞こえの程度をいくつかの検査を行い検討していきます。
お子様の聴力検査方法には以下のような方法があります。

  • 聴性脳幹反応(ABR;Auditory Brainstem Response)- 新生児~乳児に対して行います。お子様の頭に電極を置き、そこから出した音に反応した脳波を測定します。
  • 耳音響放射検査法(OAE;Oto Acoustic Emission)- 新生児~乳児に対して行います。OAEとは可聴音が蝸牛を刺激する際に蝸牛から放射されるごく小さな音です。聴力が正常なお子様では音を放射しますが、25~30dB以上の難聴児では音を放射しません。

以上の検査はじっとしていられない場合には睡眠剤にてお子様を一時的に眠らせてから行います。

  • 音を聞いて聞こえた事に対して手を上げることができる様であれば、成人と同様の従来の聴力検査を行う事ができます。だいたい5歳前後が目安です。

以上の様な検査を参考にした上で、更に先天性に奇型がないか等を調べるためにCTなどの検査が追加されることもあります。

治療
実際の検査で難聴があり、言葉の発達の遅れなどが実際に認められている場合は治療を要します。伝音性難聴の原因となる中耳炎や鼓膜損傷、外耳道閉鎖等といった形態異常に対しては適正年齢を考慮した上で手術などを検討します。一方で感音性難聴の場合は早期より補聴器を使用して頂きその上で聴能訓練や言語教育を行います。それぞれ専門の施設などと提携して行います。

音声外来

月1回行っております。
外来は田山、伊藤が担当します。

声帯ポリープ、声帯結節、ポリープ様声帯、声帯のう胞などの方に対しておこなっております。全身麻酔の危険性の高い方や外来での手術を希望される方には日帰り手術もおこなっています。声帯麻痺や痙攣性発声障害の方に対しても治療しています。

顔面神経

顔面神経麻痺の後遺症の治療としてボツリヌス注入を行います。
外来は安斎、田島が担当します。

顔面神経麻痺が起こると、顔の筋肉が麻痺して主に片方だけ動かせなくなります。片目だけ閉じることが困難になったり、水や食べ物が口から漏れたりします。また、顔面神経は頭から顔までの間にいろいろな機能の枝を出します。涙や唾液を分泌させる神経、舌の前3分の2の味覚を伝える神経、大きな音から耳を守るため鼓膜を緊張させる神経なども顔面神経の枝です。そのため、目や口が乾き、味が分かりにくくなることもあります。
このような症状のある方は一般外来受診後、顔面神経外来を受診していただきます。
顔面神経外来では主にエレクトロニューロノグラフィという検査をしています。これは顔面神経の根本を刺激し、左右で比較することにより麻痺した顔面神経の変性に陥った神経線維の割合を推測するものです。予後の判定になりますので値が低い場合には入院での加療をお勧めしています。また、リハビリ(顔面のマッサージ)の依頼も行っています。

TOPIC
発症後1年以上を経過し口を動かした時に同時に目の周囲の筋肉が動いてしまう共同運動障害の方を対象としてボトックス治療を行っております。
薬の効果は3~4か月間です。
短時間で施行可能で外来治療が可能です。外見への負担もほとんど認めません。

めまい

他院で治らずお困りな方へ当院で行える精査を行います。
外来は井下が担当します。

我々の体は耳、眼、筋肉などからの情報を脳で統合し身体のバランスを保っています。このシステムのどこかに異常がおきるとバランスを保つことが出来ず、めまいやふらつきを感じることになります。当科ではめまいの原因を調べるために一般外来において多岐にわたる検査を行います。その検査結果をふまえ、更なる詳しい検査が必要と思われる方には神経耳科外来を受診して頂いています。(一般外来から担当医が予約するかたちとなります。)特殊なメガネやビデオカメラを用い眼振(めまいを起こしている時の特殊な眼の動き)をみたり、外耳道に水または風を入れて温めたり、冷やしたりしながら半規管の反応をみる検査(温度刺激検査)などを行います。

補聴器外来

補聴器適合判定医を中心として、言語聴覚士、補聴器認定技能者と連携を取り補聴器の適合を行っております。

聴力はコミュニケーションをとる上でとても大切な感覚器の一つです。聴力低下の原因は様々ありますが、多くの加齢性の難聴や内耳性の難聴に対しては根治的な治療が困難で、補聴器によるきこえの補助が必要となる事が多くあります。補聴器は医療機器ですが、量販店などでも販売されていますので誰でも購入することができますが、補聴器の購入をする場合にはいきなり補聴器を購入するのではなく、まず耳鼻咽喉科の受診が必要です。難聴がどの程度なのか、現在活動性の病気はないか等チェックする必要があるからです。その上で、補聴器の使用が望ましい方、希望される方は必要な検査を行い、補聴器の専門外来を受診していただく流れとなっております。

補聴器購入までの流れ
補聴器は個々のきこえに合わせた細かな調整が必要な複雑な機器です。きこえの程度や感じ方は一人一人異なりますので、個人に合わせた機種の選択と調整をしないと購入しても使うことがむずかしくなります。当外来では初診時にそれぞれのきこえに合わせた状態に調整した補聴器を1~2週間程度貸し出し、日常生活の場面で補聴器の装用効果を確認してもらいます。その評価結果を基にきこえの問題点に対する細かなヒアリングと調整を重ね、十分な適合が確認できた段階で補聴器を購入するという流れになります。
また、当院は補聴器適合検査施設基準の適合施設ですので、初回貸し出し時や補聴器購入時など必要なタイミングで補聴器適合の状態を客観的に確認する事で補聴器が現在適切に調整されているかを適宜確認していきます。

人工聴覚器
補聴器で十分な補聴が行えない重度難聴の患者さんに対しては、人工内耳埋め込み後の言語聴覚士によるリハビリテーションを行っています。現在では残存聴力活用型人工内耳(EAS)といった補聴器と人工内耳を併用したハイブリットタイプの人工内耳の出現もあり、人工内耳の適応可能な幅が広がっています。また、埋め込み型骨導補聴器(BAHA)術後のリハビリテーションも行っています。

いびき外来(睡眠時無呼吸外来)

当外来は、睡眠・呼吸障害センター設立(2017年8月開設)に伴い、院内各科や院外施設とのよりつよい連携のもと、4C外来にて診療を行っております。外来受診に際しての詳細については、睡眠・呼吸障害センターへお問い合わせください。
外来は井下、佐田が担当します。

当外来ではいびきや睡眠時無呼吸症候群(Sleep apnea syndrome: SAS)を専門としております。睡眠中のいびきや無呼吸の指摘のほか、それに付随した日中の眠気や熟眠感の欠如などにお悩みの方はお気軽にご相談ください。小児のいびき・無呼吸の診療も積極的にも行っております。
SASとは、睡眠中に呼吸が止まる状態(無呼吸)が繰り返される病気です。当外来で主に専門としているのは、空気の通り道である気道が閉塞してしまう事により無呼吸が発生する、閉塞性無呼吸症です。肥満体の人、首が短くて太い人、顎が小さい人、扁桃が大きい人等に起こりやすい事が知られています。寝ている間の無呼吸に気付くことは難しいために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推測されています。
この病気が深刻なのは、寝ている間に生じる無呼吸が、起床時の頭重感や居眠りなどの日中の活動に様々な影響を及ぼすことや、高血圧などの生活習慣病のリスクとなるからです。

診断の流れ
まず、鼻・咽頭の観察を行います。肉眼やレントゲン・CT撮影、鼻腔通気度検査、アレルギー採血検査などで、鼻・咽頭腔に狭い部分がないか確認します。
SASの正確な診断には、脳波、眼の動き、心電図、鼻口気流、胸腹運動、下肢運動などを記録する、終夜ポリソムノグラフィー(PSG)が必要です(図1)。
PSGは1泊2日の入院が必要ですが、土日の検査体制も整えています。当院では小児から成人まで幅広い年齢層の方へ行っており、当科では年間200例、当院全体では年間500例程度のPSGを施行しています。
PSGによる検査が困難な場合は、簡易睡眠検査の貸出にて評価します。

治療方法
症状やPSGによる重症度に応じて治療方法を選択します。鼻づまりが原因の場合は点鼻薬などの投薬治療や手術(鼻中隔弯曲矯正術、下甲介粘膜切除術等)、軽症から中等症の場合はマウスピース(口腔内装具)、中等症から重症の場合はCPAP(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)などが挙げられます。CPAPとは、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を軽減する対症療法で、世界的にもっとも標準的な治療法です(図2)。
その他、生活習慣に関する指導などそれぞれの患者さんに適した治療法を選択していきます。

〈小児の睡眠時無呼吸症候群〉

  1. はじめに
    小児の1~6%がSASを発症しているといわれています。「寝る子は育つ」と言われますが、睡眠中に大きないびきや息が止まりそうな場合は注意が必要です。小児のいびきや無呼吸は、正常な睡眠や成長に悪影響を及ぼすことがあります。
  2. 原因
    原因は肥大した口蓋扁桃(いわゆる扁桃腺)やアデノイドにより発症することが殆どです。高度肥満や小さな顎も原因となります。
  3. 症状
    夜間の口呼吸・鼻閉、いびきや無呼吸が主症状です。また、小児では胸壁が柔らかいため、上気道が狭窄することによって胸が異常に陥没する状態がみられます(漏斗胸)。おねしょをする、寝相が悪い(座って寝ている)、朝寝起きが悪い、などの睡眠時の状態もSASの存在の可能性があります。大人に比べて、日中に症状を訴えることが少ないです。小児の場合は眠気の代わりに、集中力低下、居眠り、落着きがない、多動、イライラなどの原因となることがあります。扁桃肥大のために食事の呑み込みが悪くなり摂食量が低下するだけでなく、睡眠中の成長ホルモンの分泌低下による成長障害などがあります。
  4. 診断・検査
    上述の<診断の流れ>をご参照ください。
  5. 治療
    扁桃摘出術やアデノイド切除術により気道を広げる手術的加療が第一選択となります。
図1

図2

アレルギー外来

当外来ではアレルギー性鼻炎の方に対し、舌下免疫療法および下鼻甲介レーザー焼灼術を行っております。また、好酸球性副鼻腔炎、好酸球性中耳炎などの疾患の治療やフォローも担っています。
外来は中村、井出が担当します。

アレルギー性鼻炎の新規治療に結びつくと思われる順天堂医院病院審査委員会で承認された様々な臨床試験を行うことで、鼻炎のみならず、幅広いアレルギー疾患に悩む方々を救う事を目指しています。