急性中耳炎の概要

急性中耳炎とは、48時間以内に発症した鼓膜の奥にある中耳に生じる感染症のことを指します。主に0-6歳までの乳幼児に発症することが多く、風邪などの症状に伴うことが多いと言われています。原因の大半は細菌感染によるものが多いですが、昨今では耐性菌の検出率も高く、適正な治療を必要とします。

急性中耳炎の症状

耳の痛みや発熱耳垂れが主な症状ですが、乳児では、機嫌が悪い状態が続くこと耳をいじることが目立つ様子などから発見されることもあります。また必ずしも耳の痛みや発熱・耳垂れを伴うわけではなく、耳の閉塞感や聞こえの悪さを訴える場合もあります。子供の場合、痛みが夜間や早朝にでることが多いため親御さん泣かせですが、慌てずに通常診療時間に耳鼻咽喉科を受診することで十分対応可能です。

急性中耳炎の検査

急性中耳炎の診断には鼓膜を観察することが重要です。本来は透けて見える鼓膜は、中耳炎を発症すると濁ってしまい、透けて見えなくなります。耳鼻咽喉科医師は鼓膜を直接見ることで中耳炎の診断に至ります。乳幼児では、耳の中を見られる恐怖から暴れてしまう子が多いため、ご家族の方に御協力いただく必要があります。

急性中耳炎の治療

年齢や症状、鼓膜の所見を総合的に評価し、急性中耳炎の重症度を決めます。中等度から重症の場合は抗菌薬による治療を行いますが、中耳炎があったとしても軽症の場合は抗菌薬を必要とせず経過観察することもあります。また重症の際には、中耳に溜まった膿を出す目的として鼓膜切開(局所麻酔下に鼓膜を切る処置)が必要となることもあります。発熱や耳の痛みに対しては、解熱鎮痛薬を併用します。

急性中耳炎