小児難聴

生まれつき聴力に障害を持った子供(先天性難聴児)が生まれる確率は、1000出生に対して1~2人と言われ、 他の新生児スクリーニングで見付けられる病気と比べはるかに頻度が高い疾患です。 もし、難聴児が気付かれずに放置された場合、言語の発達に大きな障害を受けることになります。 しかし、出生後早期に発見して速やかに対応すれば健常児並みの言語能力を身につけることができる事も様々な事例より証明されています。
まずは難聴のお子様がどの様な行動や症状を伴うかを把握することが重要です。

  • 大きな音に反応しない。(新生児期~乳幼児期:ビクッとする、等の反射的な行動。4~6ヶ月:音のする方向を見る・探す、等の音源に対するはっきりとした反応。)
  • まわりの同年齢の子供より明らかに言葉が少ない。

以上の様なことが気になった場合はお子様の聴力を耳鼻咽喉科専門医に検査してもらう事が必要です。

診断の流れ

まずは生まれつき難聴になる要素がなかったかなどを問診します。(妊娠中の感染症や出産時の合併症、家族に難聴者はいないか、など) そして、実際に鼓膜の所見で中耳炎や鼓膜損傷、耳垢がつまっていないかなどを診察します。そのうえで実際の聞こえの程度をいくつかの検査を行い検討していきます。
お子様の聴力検査方法には以下のような方法があります。

  • 聴性脳幹反応(ABR;Auditory Brainstem Response)- お子様の頭に電極を置き、そこから出した音に反応した脳波を測定します。
  • 耳音響放射(OAE;Oto Acoustic Emission)- OAEとは可聴音が蝸牛を刺激する際に蝸牛から放射されるごく小さな音です。聴力が正常なお子様では音を放射しますが、25~30dB以上の難聴児では音を放射しません。

以上の検査はじっとしていられない場合には睡眠剤にてお子様を一時的に眠らせてから行います。

  • 音を聞いて聞こえた事に対して手を上げることができる様であれば、成人と同様の従来の聴力検査を行う事ができます。だいたい5歳前後が目安です。

以上の様な検査を参考にした上で、更に先天性に奇型がないか等を調べるためにCT、MRIなどの検査が追加されることもあります。また難聴の遺伝子検査をすることもあります。

治療

実際の検査で難聴があり、言葉の発達の遅れなどが危惧される場合は治療を要します。伝音性難聴の原因となる中耳炎や鼓膜損傷、 外耳道閉鎖等といった形態異常に対しては適正年齢を考慮した上で手術などを検討します。一方で感音性難聴の場合は早期より補聴器を使用して頂きその上で聴能訓練や言語教育を行います。 それぞれ専門の施設などと提携して行います。