当院で甲状腺腫瘍の手術

甲状腺の手術は以前まで当院では耳鼻咽喉科、外科の両方でおこなわれていましたが、現在では方針の変更に伴い耳鼻咽喉・頭頸科のみでおこなっています。
症状の無い方も含めると非常に多くの方が、甲状腺に腫瘍をお持ちです。

入院期間

入院は基本的に約1週間程度ですが、腫瘍の状況により入院期間の短縮は可能です。一方、合併症等により退院が延期になる可能性があることをご了承ください。

麻酔

  • 手術は全身麻酔で行います。麻酔に関しては麻酔科の医師より説明があります。
  • 手術前日21時より手術後翌日の朝まで飲食禁止です。
  • 手術当日朝、水分を摂るための点滴を入れます。(1件目以外)
  • 手術の順番は、入院後お話します。
  • 手術時間は約1時間半ですが腫瘍の状況により延長します。
  • 手術終了後、ご本人やご家族へ手術についてご報告いたします。摘出腫瘍の病理検査の結果については退院後に外来でご説明します。

術式

腫瘍の状況によりますが、良性腫瘍および通常の甲状腺乳頭癌では甲状腺を半分残す半葉切除を基本としています。(患者様の病状によりこのかぎりでないことをご承知おきください)
 
  1. 頸部を襟上に約5cm程度の皮膚切開を行います。
  2. 甲状腺を露出させます。通常、表層の筋は切除しません。
  3. 反回神経を確認し傷つけないようにします。
  4. 甲状腺を切除したら止血を確認し、ドレーンを挿入して手術終了です。

合併症の可能性

  • 痛み(薬でコントロールできる範囲です)出血(小量です)
  • ホルモンの不足(予定通りの半切除であればホルモン不足の可能性はかなり低いです)。
  • カルシウムの低下(予定通りの半切除であればホルモン不足の可能性はかなり低いです)。
  • 反回神経麻痺 麻痺になるとかすれ声になり、声がだしにくくなります。(通常の手術の場合には、まず心配いりません)
  • 麻酔薬に対するアレルギー反応(まれ)(麻酔薬アレルギーある方は、必ずお伝え下さい)

退院後

翌日からのお仕事への復帰も可能です。
首の安静の必要は無く、運動も問題ありません。
良性腫瘍の場合には一度外来を受診していただき傷のチェックを行います。その際、異常なければ終診となります。
悪性腫瘍の場合には以後も定期的な受診をしていただき、再発のチェックを行います。
甲状腺腫瘍の手術01甲状腺のイラスト
甲状腺腫瘍の手術02甲状腺手術術後