後鼻神経切断術とは

後鼻神経はアレルギーに関与する神経で、鼻汁やくしゃみに関係する神経です。後鼻神経切断術は文字通り後鼻神経を切る手術で、アレルギー性鼻炎をはじめとした鼻疾患に伴う鼻汁とくしゃみの重症例や、薬で満足いく効果を得られない場合、根治を求める場合に適応となります。

入院期間

基本的には手術前日に入院していただき、術後1週間程度の入院となります。術後は出血や疼痛などの症状に注意を払います。出血などの状況により入院期間は前後します。  

術式

後鼻神経切断術は、鼻の穴から器具を出し入れしながら行う手術で、表面に傷が残ることはありません。
直径4mm程度の内視鏡を鼻の中に挿入し、粘膜を焼きながら神経まで進んで切断します。これは一般的に粘膜下下鼻甲介骨切除術および鼻中隔矯正術と併せて行うことが多い術式です。アレルギー自体を抑える手術ではなく、くしゃみおよび鼻汁という症状を抑えるための手術です。鼻粘膜のアレルギー自体は変わらないため、術後に免疫療法を併用することもあります。

後鼻神経切断術

合併症の可能性

痛み出血が起こることがあります。
頻度は多くありませんが多量の出血があった場合には、止血処置が困難な状況では再手術の可能性もあります。

退院後

退院後は、鼻洗浄を毎日3回程度していただきます。これは、鼻内に留置している止血目的のスポンジや痂皮を洗い流すほか、創部の感染予防にも効果的です。
出血のリスクがあるため激しい運動は勧められませんが、デスクワークなどのお仕事は可能です。もしも自宅で大量の鼻出血がある場合は、すぐに来院していただきます。
定期的に外来通院していただきますが、鼻内の状況が問題なくなれば、通院の必要がなくなります。