後期臨床研修プログラム

順天堂大学医学部形成外科学講座では、毎年数名の新入医局員を採用しています。入局後は順天堂医院を中心に他の附属病院あるいは日本形成外科学会教育関連施設での研修を指導医のもと実施され、入局後4,5年での日本形成外科学会専門医取得を目指します。研修中は出来るだけ多くの患者さんのケア、手術にチームの一員として関わり、医業人としての職業訓練や研鑽の機会を計画的に設定されるため時間的にも体力的にも厳しい研修が続きます。しかし、高く設定された目標に向かって到達するまでの研修期間は、同志と共有する時間はむしろ楽しいことの方が多く、それだけ実力を有した専門医として、現在様々な場で多くのOB、OGの先生方は活躍しています。また大学院生として入局される先生を含め、研修期間中に有意な学術論文を完成したものは博士(医学)の取得が可能で、すべての医局員がその取得を目指しています。また学内および関連施設のみで研修を完結させることに一切拘らず、希望する者に対しては積極的に国内や海外の研修施設に留学することを奨励しています。その後は個々の希望や実力、若手教育に対する熱意に応じて講座スタッフへの道も開けております。

入局・研修を希望される先生方へ

順天堂大学医学部形成外科学講座は、熱意に満ちたやる気のある多くの若手医師が入局・研修を希望してくれることを望んでいます。入局に関しては当講座のポリシーとして、出身大学、学閥、年齢、性別などに一切捉われることなく採用しています。

*現医局員の出身大学別分布(順不同)
順天堂大学、旭川医科大学、岩手医科大学、新潟大学、東京大学、日本大学、東京女子医科大学、帝京大学、千葉大学、防衛医科大学校、北里大学、東海大学、藤田保健衛生大学、三重大学

*現医局員の性別分布
男性17名、女性 13名

また医局員の中途採用に関しても一切拘らず、それまでのキャリアが考慮された(つまり一番下からやり直しではない)人事考課がなされています。

*現医局員における新規、中途採用者の割合
卒後新規採用者22名、中途採用者8名

卒後臨床教育プログラム

新専門医制度における本学専門研修プログラム
順天堂大学形成外科専門研修プログラム
【本基幹施設の「専門研修プログラム」は、一次審査を通過したものであり、 二次審査を踏まえて修正・変更がある可能性があることをご承知おきください。】

すべての入局者はおおむね以下に掲げた事項を習得目標とし、研修開始後4,5年目での日本形成外科学会専門医取得を目指します。

・研修1,2年目
種々の形成外科的縫合法、皮膚疾患の診断、皮膚皮下腫瘍の摘出、植皮術、簡単な皮弁手術、熱傷の管理と再建手術、皮膚あるいは軟部組織悪性腫瘍の診断、顔面外傷の治療、顔面骨骨折の診断、鼻骨骨折の診断と治療、顔面神経麻痺の診断、先天異常の診断、レーザー療法、褥瘡の管理、下腿潰瘍の診断と治療、嵌入爪など爪変形の治療、腋臭症・陥没乳頭の手術、ケロイドの手術

・研修3,4年目
リンパ節廓清術、種々の区域皮弁と遊離皮弁手術、不全唇裂の形成術、褥瘡の手術、マイクロサージャリーによる組織移植・切断指などの再接着、手の形成外科、皮膚あるいは軟部組織悪性腫瘍の手術、顔面骨骨折の手術、顔面神経麻痺の静的再建術、軽度の先天異常の手術、眼瞼下垂手術、漏斗胸の手術、抗加齢治療(レーザーなど)

・研修5年目以降
種々の遊離皮弁手術、唇顎口蓋裂の手術、小耳症手術、広範囲熱傷再建外科、乳房再建、頭頸部外科、顔面神経麻痺の動的再建術、四肢の形成外科、外陰部の形成外科、顔面骨切り術

大学院生

当講座では旺盛な研究マインドを有した臨床医すなわち"Physician Scientist"を育成するため、積極的に大学院進学を奨励しています。

4年間の大学院期間中は、外科医としての技術の研鑽の重要な時期とも重なるため臨床と研究の両立を求められますが、一定の期間は研究に集中できる環境を整え、効率的に成果があげられるよう配慮されています。また極めてハイレベルの学位論文が早期に完成した場合には3年間で大学院を卒業できる制度もあります。
現在当講座で積極的に推進している研究テーマは以下のとおりです。

  • 脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived Stem Cells)を用いた組織再生医学研究
  • 脂肪組織由来幹細胞(Adipose-derived Stem Cells)を用いた創傷治癒研究
  • 徐放型増殖因子ドラッグデリバリーシステムを利用した組織再生誘導治療研究
  • 徐放型増殖因子ドラッグデリバリーシステムを利用した創傷治癒研究
  • 短期的電気刺激の末梢神経再生に及ぼす効果に関する研究
  • 端側神経縫合における神経二重支配のメカニズム解析
  • 皮弁における知覚再生のメカニズムの探索
  • 端側神経縫合の新たな活用法に関する研究
  • 頭蓋顎顔面領域における骨延長術を用いた骨再生治療
  • 頭蓋顎顔面領域における骨代用組織の開発
  • 血管内皮前駆細胞(Endothelial Progenitor Cells)を用いた糖尿病性潰瘍の治療研究

*参考:

過去10年間の文部科学省科学研究費補助金(科研費)などの競争的研究資金取得実績

  • 「無細胞化神経へのシュワン細胞付加法としての端側神経縫合の実用性」 
    (H27-30基盤C 林研究代表者)
  • 「膠原病四肢潰瘍に対する新しい血管・組織再生治療の開発」 
    (H27-29若手B 播野研究代表者)
  • 「幹細胞と増殖因子徐放剤の併用による成熟血管再生と再生組織"血管化"基盤技術の開発」 (H26-29基盤B 水野研究代表者)
  • 「頭蓋骨早期癒合症における縫合部の病態解明」 (H26-29基盤C 小室研究代表者)
  • 「ケロイド患者由来iPS細胞の樹立-新たな創薬の開発を目指して」 
    (H26-28挑戦的萌芽 水野研究代表者)
  • 「糖尿病性潰瘍に対する慢性炎症を標的とした実用化細胞治療法の確立」 
    (H26-30若手A 田中研究代表者)
  • 「補体C1q制御による糖尿病性潰瘍の治療効果」 (H26-30若手B 門研究代表者)
  • 「徐放化多血小板血漿と骨伝導バイオマテリアル混合移植による新規頭蓋骨再生治療法開発」 (H26-28若手B 清水研究代表者)
  • 「糖尿病性脂肪組織由来幹細胞の細胞生物学的特性の解明」 
    (H26-29若手B 須田研究代表者)
  • 「幹細胞と多血小板血漿の混合移植による骨再生を目指した最適多血小板血漿精製法の解明」 (H26-28若手B 田島研究代表者)
  • 「短期的電気刺激による神経再生促進の検討と糖尿病マウスへの応用について」 (H25-27基盤C 名取研究代表者)
  • 「無細胞化神経へのシュワン細胞付加法としての端側神経縫合とその応用について」 
    (H24-26基盤C 林研究代表者)
  • 「脂肪組織由来幹細胞の有する創傷治癒促進と瘢痕減弱効果の機序解析」 
    (H23-25基盤C 水野研究代表者)
  • 「皮弁・植皮術における知覚再生メカニズム及びタクロリムス外用の新たな可能性について」 (H23-24若手B 名取研究代表者)
  • 「糖尿病性潰瘍に対するハイブリッド型生体外増幅血管内皮前駆細胞よる新しい血管再生治療の開発」 (H22-26最先端・次世代研究開発支援プログラム 田中研究代表者)
  • 「糖尿病性潰瘍に対するハイブリッド型生体外増幅血管幹細胞による新血管再生治療の開発」 (H22-23若手B 田中研究代表者)
  • 「顎骨における水平的骨増生を目指した組織工学的手法の検討」 
    (H22-24基盤C 飛田研究分担者)
  • 「顔面神経不全麻痺の神経再生ネットワークに関する研究」 
    (H22-24若手B 吉澤研究代表者)
  • 「短期的電気刺激による神経再生の促進と神経端側縫合への応用について」 
    (H21-23基盤C 林研究代表者)
  • 「生体組織由来極小胚性幹細胞様細胞の探索」 (H21-22挑戦的萌芽 水野研究代表者)
  • 「糖尿病性潰瘍に対する生体外増幅自己血管内皮前駆細胞移植による血管再生療法の開発」 (H20-21若手スタートアップ 田中研究代表者)
  • 「脂肪組織幹細胞による血管再生機序の解明」 (H19-20基盤C 水野研究代表者)
  • 「緑色脂肪トランスジェニックマウスの開発」 (H18-19挑戦的萌芽 水野研究分担者)
  • 「脂肪組織幹細胞による生体内3次元組織再生-大動物を用いた前臨床研究-」 
    (H17-19基盤B 水野研究分担者)
  • 「脂肪組織幹細胞による歯周組織の再生-根治的歯周病治療法の開発に向けて-」 
    (H17-18基盤C 水野研究代表者)
  • 「脂肪組織幹細胞移植による難治性皮膚潰瘍の治療法の開発」
    (H16-18基盤C 水野研究分担者)

専攻生

当講座に入局し、有給職員(助手)として採用されるまでの間は専攻生という身分のもと、通常の医局員と同様に診療、研究に従事し、同様の教育プログラムを受けることが出来ます。すなわち専門医資格取得や学位取得についても何ら不利益を被ることはありません。

参考までに、ここ数年は入局と同時に助手として採用するケースが続いています。

専門医取得について

当講座に入局したものは全員日本形成外科学会に入会し、学会の認定する専門医取得を目指します。専門医試験の受験資格を得るためにはおおむね以下の要項をすべて満たし、日本形成外科学会の行う資格審査に合格しなければなりません。

《日本形成外科学会専門医受験資格》

  1. 日本形成外科学会に入会後、学会の認定する施設において4年以上の臨床研修歴を有すること
  2. 受験申請時に学術論文を最低1本有していること
  3. 日本形成外科学会が主催する講習会に4回以上受講すること

日本形成外科学会専門医を取得後は、さらなるサブスペシャリティーとしての専門医制度があり、おおむね以下のようなものがあります。

  • 日本皮膚腫瘍外科専門医
  • 日本創傷外科専門医
  • 日本頭蓋顎顔面外科専門医

また形成外科関連学会が審査する専門医制度として以下のようなものがあり、形成外科学会専門医と並行して取得が可能です。

  • 日本熱傷学会専門医
  • 日本手外科学会専門医
  • 日本美容外科学会専門医
  • 日本レーザー治療学会専門医など

学位取得について

学位取得には2つの方法があります。
1つは本学大学院に進学し、所定の単位を取得しつつ研究活動を遂行します。そして有意な研究成果を挙げた後に博士論文(甲論文)を提出し審査に合格すれば大学院入学後4年間で博士(医学)の称号が授与されます。またこの場合、一定の条件を満たす極めてハイレベルの学位論文が早期に完成した場合には3年間で大学院を卒業できる制度もあります。
もう1つは形成外科学講座に在籍(有給職員もしくは専攻生)して6年間以上経過し、その間臨床業務に従事しながら研究活動も同時に進め、有意な研究成果を挙げた後に博士論文(乙論文)を提出し審査に合格すれば博士(医学)の称号が授与されます。

国内留学、海外留学について

当講座では、一流の形成外科医となるのに必要な見識と国際感覚を身につけるため、希望者に対しては国内研修施設(大学病院、専門病院、研究機関)や海外研修施設(大学、研究所)への留学を推奨しています。これまで当講座が関わった国内、海外研修施設は以下の通りです。

  • 静岡県立がんセンター(静岡県三島市)
  • カリフォルニア大学ロサンゼルス校(米国)
  • エール大学(米国)
  • ワシントン大学セントルイス校(米国)
  • ニューヨーク大学(米国)

また上記以外にも以下の施設と密接な関係を有しているため、紹介が可能な施設となっています。

  • スタンフォード大学(米国)
  • フロリダ大学(米国)
  • 南カリフォルニア大学(米国)
  • 国立ソウル大学(韓国)
  • サムスン病院(韓国)
  • 第9人民病院(中国)
  • ハサヌディン大学(インドネシア)
  • 南方医科大学(中国)
  • ブリュッセル自由大学(ベルギー)

外国人留学生の受け入れについて

当講座ではすべての医局員に若い段階から日本以外の世界の形成外科の実情を知ることで国際的な感覚を醸成してもらうため、外国人留学生を積極的に受け入れる方針をとっています。国を問わず継続的に多数の留学生の受け入れを行っており、常に新しい風を吹き込ませています。