多発血管炎性肉芽腫症旧称:ウェゲナー肉芽腫症

多発血管炎性肉芽腫症とは

血管に対して異常な自己免疫反応を起こす疾患の一つで、血管炎に分類される疾患です。この疾患は鼻、眼、耳、咽頭、喉頭などの上気道、肺、腎臓を中心に、全身の血管に炎症がおこる病気です。比較的まれな疾患で、男女比は1:1です。

原因

免疫の異常が関与していますが、いまだ原因は不明です。
しかし抗好中球細胞質抗体(ANCA)の一つ、PR-3 ANCAという自己抗体が病気の発症、進行に関与していることが分かっています。
PR‐3 ANCAの陽性率や力価は、多発血管炎性肉芽腫症で疾患活動性と相関することが多く、治療効果の判定材料の一つとしても有用であることが多いです。

症状

  1. 上気道症状:膿性鼻漏、鼻出血、鞍鼻、視力低下、眼球突出、眼痛、中耳炎、咽頭痛、嗄声、咽喉頭潰瘍など
  2. 肺症状:咳嗽、呼吸困難、血痰など
  3. 腎症状:血尿、蛋白尿、急速に進行する腎障害、浮腫、高血圧など
  4. 全身症状:発熱(38℃以上2週間以上)、体重減少(6ヶ月以内に6kg以上)
  5. その他:紫斑、多発性関節痛、多発神経炎、虚血性心疾患、消化管出血、上強膜炎など

4、5とともに、通常1→2→3の順に起こることが多いとされております。
1~3の症状全てがそろうとき:全身型、
1~3の一部の症状のみのとき:限局型
といいます。

治療

早期に診断し、病態に応じた免疫抑制療法を行い異常な免疫反応を是正することが第一の治療となります。寛解させ病気の進行を抑えます。病態に応じてステロイド大量投与に他の免疫抑制剤を併用します。
寛解後も再発しないよう免疫抑制療法を行い、慎重に経過を追う必要があります。