高安動脈炎(大動脈炎症候群)

高安動脈炎とは

胸部・腹部大動脈を始めとした、比較的太い動脈の慢性炎症を主体とする病態で、炎症の継続により血管の狭窄や閉塞を起こす疾患です。大動脈炎症候群とも呼ばれ、その炎症部位により様々な症状が見られます。左右の脈に差が出ることや、脈が触れなくなりうることから「脈なし病」とも呼ばれ、本邦の若年女性に多く見られる傾向があります。

原因

現在のところ明らかな原因はわかっておりません。遺伝的素因や環境因子など複数の条件が重なり合ったときに出現し、自己免疫機序が関係すると考えられています。

症状

炎症の出現した動脈の部位により、めまい、頭痛、失神、視力障害、脈が触れない、血圧の左右差が大きい、足の冷感、脱力感、歩行時の痛みなどの症状が見られます。全身の症状としては発熱やだるさ、体重の減少、関節痛、筋肉痛など特徴的でない所見も見られます。さらに腎動脈や肺動脈に病変がおよぶと高血圧や、息切れ、肺高血圧症、胸痛が見られることもあります。心臓に近い部位での炎症は大動脈弁閉鎖不全症の原因となることがあり、心不全を来たすこともあります。

治療

免疫異常の関与が大きいことから、免疫異常を是正するステロイド薬での治療が基本となります。さらに血管の狭窄に対しては、血液の流れの改善、血栓を予防させる目的で抗血小板薬、血管拡張薬などを用います。高血圧に対しては降圧薬を使用します。血管の高度な狭窄や、閉塞が生じた場合にはカテーテルでの処置や外科的な手術療法が必要となることもあります。