対象疾患

原発性肺がん

肺がんとは?

人間の体は多くの細胞によって作られています。この細胞には核と細胞質からなり、核の中には遺伝子を含むDNAがあります。細胞は分裂を繰り返すことで様々な人間の臓器を作っていきます。正常な体の構造を作る情報が詰まっているのが遺伝子になります。
がん細胞とはこの遺伝子に異常が発生して細胞が無限に増殖した状態です。がん細胞が集まってがんが出来ます。
この無限の増殖が肺で起こると肺がんになります。

治療について

肺がんは種類と拡がりによって治療方法が異なります。
種類は大きくわけると非小細胞がんと小細胞がんに分けられます。

非小細胞がんは腺がんと扁平上皮がんと大細胞がんに分けられます。これらは可能であれば手術を選択します。しかしながら約半分の方が、手術が出来ない段階で発見されます。
その場合の治療選択は可能であれば放射線と抗がん剤治療の組み合わせを選択し、それ以外は抗がん剤治療やご本人の体力によっては緩和ケアを選択する場合もあります。

近年は非小細胞がんの特に腺がんにおいて原因の遺伝子(EGFR、ALK、ROS-1、BRAFなど)を分析することで分子標的薬が選択されて高い治療効果が示されています。他にも免疫療法が開発され治療の選択肢に入りました。

免疫療法については全ての方に効果が出るわけではありませんが、治療効果が出ている方の中に長期間治療効果が続く点が特徴的です。
2018年からは免疫療法と抗がん剤治療を同時に投与することで治療効果を高める方法が行えるようになりました。副作用の問題もありすべての方に勧められるわけではありませんが期待できる治療方法として当科でも導入しています。

小細胞がんは抗がん剤と放射線がよく効き、進行が速いために治療選択として手術は早期に限られます。放射線が当てられる範囲に限られているときは放射線と抗がん剤を組み合わせて行い、それよりも拡がっているときは抗がん剤治療を中心に行います。最近では、免疫チェックポイント阻害薬を併用する場合もあります。早期で手術を行った後も抗がん剤を追加で行うことが多いです。

当院における肺がん診療

当院の肺がん診療の特徴として呼吸器外科や放射線科との協力体制を整え手術前もしくは後の抗がん剤などの治療を積極的に行い、治療成績の向上に努めています。
2018年に肺がんで入院された方の延べ人数は当科全体の入院数の中で約45%(563名/1,241名)を占めました。治療の間も可能な限り自宅で過ごせるように2回目以降の点滴は外来で行うように外来化学療法室での抗がん剤治療を行っています。2018年は年間の外来化学療法室を利用した治療件数が1,867件となり5年前と比較すると約2倍まで増えています。

診断のためにはがんの組織を採取することが必須です。
診断方法としては気管支鏡検査を中心として超音波やCTを用いた針生検や、病気の場所によっては呼吸器外科に依頼して手術での組織採取を行うなど他の診療科との連携も密に行い確実な診断を進めています。

新たな治療選択を拡げるための治験や臨床試験も積極的に行っています。院内の臨床試験コーディネーターと協力体制を敷いて新たな治療選択を選べるように努めています。

肺がん診療の体制として当院では、肺がん外来を月曜午前/火曜午前/水曜午前/金曜午前/金曜午後に開設し、外来化学療法の外来も月曜から金曜まで毎日実施しています。ご不明な点がありましたらお気軽にお問合せください。