患者さんを紹介してくださる先生方へ

科長ご挨拶

当科の歴史:

呼吸器内科科長(主任教授)
高橋和久

いつも多くの患者さんをご紹介していただきありがとうございます。当教室は、1969年5月に日本で初めて開設した日本で最も古い歴史を有する呼吸器内科です。 その後、池本秀雄教授、吉良枝郎教授、福地義之助教授が主任教授として歴任し、2005年8月からは高橋が主任教授(科長)として診療、教育、研究にあたっております。 本間教授は間質性肺炎やサルコイーシス、池本教授は呼吸器感染症、吉良教授は、慢性呼吸不全、在宅酸素療法、肺高血圧、福地教授はCOPD, 誤嚥性肺炎、 そして私(高橋)は肺がんなどの呼吸器悪性腫瘍を専門としていることから、当科は先生方からご紹介いただくすべての呼吸器疾患に専門的医療を提供できる点が特徴です。

当科の診療体制と実績:

現在、当院では約50名以上の医局員で診療、教育、研究にあたっております。開講以来、「仁」の精神に裏打ちされた質の高い医療の提供を目標とし、国内で最も古い呼吸器内科専門臨床教室の伝統に基づき、臨床と研究のバランスを保ちつつ多彩な呼吸器疾患に幅広く対応しています。入院症例数は2020年には1207人とコロナ禍で若干減少しましたが、2019年は1,288人と過去最多の入院患者数でした。入院で最も多く診療している疾患は肺がんで2019年には626例、2020年は624例ですが、最近では間質性肺炎も増加しています。外来患者数は、病病連携と病診連携の先生方から多くの患者さんをご紹介いただき2019年は50,308名(初診患者3,716名)と大学病院の中では最も多くの患者さんを拝見しています。2020年はコロナの影響を大きく受け38,648名と減少しましたが、2021年に入り再度ご紹介していただく患者数も増加しています。肺がんや間質性肺炎の診断をする上で重要な検査である気管支鏡検査(呼吸器内視鏡検査)は、2020年はコロナによる検査制限のため394件と減少しましたが、2019年は512件と過去最多でありました。現在もなおコロナの感染拡大は収束しませんが、しっかりと感染対策をした上、診療を行っています。外来は、月曜から土曜(第2土曜日午前午後とそれ以外の土曜午後を除いて)まで毎日午前午後外来を行っています。 初診患者さんは可能な限り紹介状の持参をお願しています。午前中には初診専門外来も開設しています。 教授外来日、専門外来、女医診察日などについてはホームページでご確認ください。

対象疾患

我が国は高齢化社会を迎え、高齢者に多い慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺がん、肺炎、肺線維症(間質性肺炎)、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患が急増しています。また、生物製剤や気管支サーモプラスティ(熱形成術)など高度で専門的治療を 必要とする重症喘息の方も多くご紹介いただいています。 当科はこれらの多い疾患のみならず肺高血圧症やリンパ脈管筋腫症などまれな疾患も含めたすべての呼吸器疾患を対象として診療にあたっています。

当科の特徴と具体的診療内容:

最も力を入れている疾患は肺がんなどの悪性腫瘍です。胸部異常陰影の精査目的でご紹介いただいた場合、当科でNavigationシステムを併用した超音波気管支内視鏡検査、クライオ生検、超音波ガイド下生検など患者さんの負担がかからない検査で迅速に診断します。そして、病期や全身状態に応じて最適な最新治療を速やかに提供します。治療方針は、呼吸器内科、呼吸器外科、放射線科との合同カンファレンスで決定します。手術が適すると判断された患者さんはダビンチを用いた低侵襲ロボット支援下手術を日本で最も行っている呼吸器外科に紹介し手術を行います。放射線治療については、気管支鏡内視鏡検査を用いて病巣を正確にマーキングしたうえ正常肺への被爆を限りなく減らした方法で放射線照射を行います。また正常肺への影響を最小限にした集光照射、IMRTなども行っています。当科は大学病院の中では有数の分子標的薬や免疫療法薬の治験や先進医療を実施しており、薬物治療が適すると判断された患者さんには最適な最新薬物治療を提供しています。現在、肺がんを含めて当科では30近い新薬の治験を行っており順天堂医院で最多です。また、喘息の治療も得意領域であり、喘息・アレルギー専門医による診断と最新治療を行っています。従来の吸入等の薬物治療に加え、生物製剤(抗IgE抗体、抗サイトカイン抗体)、さらには気管支鏡を用いた気管支熱形成術も積極的に行っています。COPDに対しては薬物治療のみならず栄養指導やリハビリ科と連携して呼吸リハビリテーションも取り入れています。間質性肺炎に対しては標準的治療に加え新薬治験も行っています。また、当科のもう一つの特徴は稀少疾患であるリンパ脈管筋腫症(LAM)やBHD症候群、α1-アンチトリプシン欠損症などの希少疾患も多数診ている点です。とくにLAMは日本で最も多い患者さんの診療にあたっています。COPD, 禁煙、気管支喘息、間質性肺炎、 睡眠時無呼吸症候群、呼吸不全、LAM、サルコイドーシス、化学療法に関しては専門外来を開設して病状に応じて担当の准教授クラスの専門医が質の高い診療を行っております。 詳細については以下をご覧ください

協力体制:

順天堂大学の他の附属病院(練馬病院、浦安病院、江東高齢者医療センター、静岡病院)、関連病院である江東病院、東京都医療公社東部地域病院、越谷市立病院、済生会川口総合病院などと密に連携を取り合い患者さんにとってより良い医療を心がけています。

ミッション:

特定機能病院である大学病院本院として多くの呼吸器疾患診療に当たっていますが、常に新しい診断と治療法の開発を推進しています。一人ひとりの医師が、順天堂の学是である「仁」の精神に則り、病気をお持ちの患者さんに寄り添う診療を行うよう心がけています。また、診断と治療方針が決まり治療が軌道に乗った後は必ず紹介元の主治医の先生に逆紹介させていただくことをお約束します。医局一同、最高で最良の医療を提供すべく日夜努力しています。

公開講座:

病病連携と病診連携の先生方とともに呼吸器臨床レベルアップのための勉強をさせていただくことを目的に、毎年秋には、当科のトピックスを提供し、また肺がん、COPD、気管支喘息、抗酸菌感染症などのエキスパートの先生の講演会も開催しております。今後、一人でも多くの先生方にご出席を賜り、先生方の呼吸器疾患に関する日常診療に少しでもお役に立てることを願っております。

私どもは、地域の医療機関様との連携(病診連携)をより充実していきたいと考えております。ご紹介していただいた患者さんの検査、治療経過については、速やかにご報告いたします。また、退院後は、原則的に紹介元の先生にお返しするようにしております。当科に紹介していただいて良かったと患者さんのみならず紹介元の先生方が思える医療を提供していまいります。呼吸器疾患でお困りの患者さんがおりましたら、是非ともご紹介をよろしくお願い申し上げます。