脳卒中片麻痺患者 上肢運動機能に対する随意筋活動トリガー反復経頭蓋磁気刺激

順天堂大学医学部附属順天堂医院では、脳卒中上肢片麻痺の患者さんを対象に、反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)による治療応用を行っています。

経頭蓋磁気刺激(TMS)とは頭皮上に置いたコイルに電流を流すことにより磁界が生じ、その磁界が頭蓋骨を通り抜けて、脳の表面に電流を生じさせ、脳を電気的に刺激することが可能な装置です(下図)。

磁気刺激

この臨床研究の目的は、片麻痺上肢機能障害に対する治療効果(手の麻痺がよくなるか、実用性が改善するか、使用頻度が増加するか)と安全性(副作用が出るか、副作用の程度が重いかなど)を調べることです。

対象となる方

以下の基準を満たし、当科における外来診察でリハビリテーション専門医が本治療法が適当であると判断した患者を対象とします。

(1)選択基準
   下記の選択基準を全て満たし、かつ同意能力を有する20~80歳の患者を対象とします。

  1. 脳卒中発症後5ヶ月以上経過
  2. 明らかな認知機能の障害を認めない(失語はあっても、研究の目的、方法の理解が可能であれば可)
  3. 上肢深部感覚障害は脱失でない
  4. 麻痺側手指伸展他動的可動域は0度以上
  5. 麻痺側手指運動機能は自力で伸展可能
  6. 介助なしでの歩行可能(杖、装具等の歩行補助具の使用の有無は問わない)

(2)除外基準
   下記の除外基準に1つでも当てはまる患者は対象としません

  1. 重篤な心疾患:不安定狭心症、発症から短期間の心筋梗塞、非代償性うっ血性心不全、急性肺性心、コントロール不良の不整脈、重篤な大動脈弁狭窄症、活動性の心筋炎、心内膜炎など
  2. コントロール不良の高血圧
  3. 急性全身性疾患または発熱
  4. 最近の肺塞栓症、急性肺性心、重度の肺高血圧症の合併
  5. 重篤な肝・腎機能障害の合併
  6. 運動を妨げる重篤な整形外科疾患の合併
  7. 高度の認知障害、重度の精神疾患の合併
  8. 他の代謝異常(急性甲状腺炎など)
  9. 経頭蓋磁気刺激禁忌例
  10. ペースメーカー使用
  11. シャント術、クリッピング施行例など体内異物を有する例