難治症例に対する不妊治療

①不妊症の原因となる子宮や卵巣疾患(手術が必要な場合)

図9.手術を要する子宮・卵巣疾患を持つ
高齢女性の不妊治療

例えば子宮筋腫を手術する場合、術前治療と術後子宮創部の治癒期間を考慮すると、妊娠が可能になるまでおよそ1年間かかります。
このように、妊娠希望の方が手術を必要とする病気が子宮や卵巣にある場合、手術を行う前に体外受精を行って、受精卵を複数個凍結した後に手術を行うことも可能です。
AMHによる卵巣年齢の評価と患者さんごとの妊娠の希望の強さによって、手術前に受精卵を凍結する必要があるかを検討しています(図9)。

②反復着床不全:子宮内に複数回良好胚を移植しても妊娠しない場合 (体外受精時) 

体外受精において子宮内に複数回良好胚を移植しても、妊娠検査が陽性に出ない場合、反復着床不全といい、体外受精を行うことではじめて診断がつきます。我々は着床不全に対する基礎研究も行い、難治性反復着床不全の方の検査や治療を積極的に行い、妊娠のサポートを行っております。
受診を希望される方は、リプロダクション部門責任者の黒田恵司医師 が担当する「着床不全・不育症外来」を受診してください。
受診時には、今までの検査結果や治療内容を必ず持参してください。

③不育症(習慣流産)

妊娠後流産を繰り返す不育症もしくは習慣流産は、精神的にも身体的にも苦痛を伴います。一般的に全妊娠の15%が流産となり、加齢と共にその流産率は上昇し、40歳には30-40%は流産となります。
そのため高齢女性では偶発的にも流産を繰り返す可能性があります。
不育症の原因は甲状腺異常、血栓性素因、子宮奇形など様々ですが、約半分は原因不明です。原因不明の場合、通常の検査では原因を調べることのできない原因が存在する可能性があります。当院では原因不明不育症も含め、精査の上で積極的な治療を行っております。