患者さんへのご挨拶

葛西隆敏 センター長(循環器内科)

順天堂医院では「睡眠・呼吸障害センター」において主に循環器内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉・頭頸科が協力して睡眠呼吸障害の診断と治療を行っております。近年、睡眠呼吸障害の診断においては臨床検査技師が担う役割は大きく、治療の中心である持続気道陽圧(continuous positive airway pressure: CPAP)の管理は臨床工学技士、CPAPに替わる治療である口腔内装置の作成・調節は歯科医師が中心となっており、これらの多職種間の連携が非常に重要になってきております。このような連携をより充実させるために「睡眠・呼吸障害センター」が設置されました。さらに多くの患者さんにご活用いただけるように、脳神経内科、メンタルクリニックの協力を得て睡眠呼吸障害以外の睡眠障害の診療体制も構築の準備をすすめております。「睡眠・呼吸障害センター」までご相談くださいますよう、宜しくお願いいたします。
葛西隆敏センター長


塩田智美 副センター長(呼吸器内科)

最近睡眠負債という言葉が流行し、睡眠医療は大きく着目されています。『睡眠障害』、とりわけ、睡眠中に呼吸障害を伴う『睡眠呼吸障害』は、全身の病気の併発とも密接に関係します。適切な時期に適切な医療を受けることで、改善・予防されることが分かっています。当センターでは、様々な睡眠障害、睡眠呼吸障害に、複数の診療科の専門医が柔軟に対応し、協力して診療にあたります。その中でも、睡眠呼吸障害の診療にあたる呼吸器内科医は、肺の基礎疾患を有する方(気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎など)、肺の切除を受けた方、(神経筋疾患などで)呼吸筋力低下がある方に併発した睡眠呼吸障害を特に専門とします。また、安定された患者さんをかかりつけ医へご紹介するなど、適宜、病診連携も積極的に取り組んでいます。



井下綾子 副センター長(耳鼻咽喉・頭頸科)

耳鼻咽喉科医は、あらゆる年齢層の方の睡眠呼吸障害を専門にしています。成人ではアレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症、扁桃腺肥大などによる鼻とのどの閉塞の有無を確認し、手術で改善が期待できる場合は手術をご提案しています。子どもでは1~6%に閉塞性睡眠時無呼吸症(obstructive sleep apnea: OSA)を認め、顎顔面形態の発育、成長ホルモンの分泌低下、集中力の低下など心身の発育に影響を及ぼすといわれていますが、鼻炎の治療やアデノイド・扁桃肥大の手術での効果が期待できます。「寝る子は育つ」といわれますが、質のよい睡眠のためにお子さまの成長過程に応じた治療をご提示しています。いびき・無呼吸、鼻づまり、お子さまの睡眠にお困りの際はぜひご相談ください。
Dr井下綾子

センター概要

睡眠・呼吸障害センター001
当センターでは、主にいびき、睡眠時無呼吸症候群といった睡眠呼吸障害の診断と治療を行っております。睡眠呼吸障害の診療は、循環器内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉・頭頸科の各担当医が行っておりますが、これらの診療科だけでなく、歯科口腔外科、臨床検査技師、臨床工学士が診断検査や治療にかかわり、複数のセクションのスタッフが連携して望ましい診療ができるように配慮しています。また、睡眠関連運動障害、睡眠随伴症、睡眠障害に隠れたうつ病、認知症などの診療体制を脳神経内科、メンタルクリニックとの連携をはかる準備中です。睡眠障害に関する包括的な診療体制を提供できるように努力しております。

診療体制

当センターは初診、再診とも循環器内科・呼吸器内科・耳鼻咽喉・頭頸科の医師が連携して診療を行っております。患者さんの利便性を鑑みて、初診の患者さんも含めて外来受診は予約制となっております。初診の患者さんの場合、患者さんご本人やご家族またはご紹介元の先生から特にご指定・ご希望のない場合は予約日の初診担当科の医師による診察となります。いずれもお電話でお問い合わせください。
 
初診の患者さんは初診担当医からいびきや日中の眠気などに関する問診を受けます。医師が必要と判断した場合には耳鼻咽喉・頭頸科医師によって上気道の形態的、機能的異常の有無などの専門的診察を行わせて頂く場合があります。さらに簡易ポリグラフ検査(ご自宅で検査)または睡眠ポリグラフ(PSG)検査 (1泊入院の精密検査)などの検査の予定を立てます。初診時に必要に応じて胸部レントゲン・心電図・血液検査・肺機能検査などを行っていただくこともあります。
 
検査結果で必要性があると判断された場合は各種治療の導入を検討いたします。睡眠時無呼吸症候群の治療のうちCPAP治療の導入となった場合は、導入後定期的に外来受診する必要があります。口腔内装置の導入の場合は歯科口腔外科へご紹介いたします。
睡眠・呼吸障害センター002
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当センターを受診される患者さんへ

外来はすべて予約制となっておりますので、まずはお電話で外来受診予約についてご相談ください。
当院初診の患者さんにおかれましては可能な限り診療情報提供書(紹介状)をご持参ください。
下記のような場合には診療情報提供書を必ずお持ちいただけますようお願いいたします。
 
  • 過去に他の医療機関にて睡眠関連の検査を受けている方。
  • すでに他の医療機関にて睡眠呼吸障害の治療を受けられている方。

ご不明点がありましたらお問い合わせください。

診療情報提供書(紹介状)をご持参ください

当院は、高度医療、先進医療を提供する病院として、他の医療機関と相互連携を図り、診察を行う厚生労働省に認定された「特定機能病院」です。受診にあたっては、診療情報提供書(紹介状)が必要です。はじめての受診や診療間隔が空く場合(概ね6ヶ月以上)には、紹介状をお持ちください。紹介状をお持ちでない場合は、別途自費にて初診時選定療養費を申し受けます。