変形性股関節症

変形性股関節症を患う方は意外と多いもので、股関節診を受診される患者さんの半数以上がこの疾患でお悩みです。この疾患は、何らかの原因により、股関節の軟骨が擦り減ってしまう疾患ですが、かなり進行して軟骨がほぼ消失してしまうと、歩行時に股関節に著しい痛みが生じ、「長く歩けない」「日常生活が満足に行えない」といった状態になる傾向があります。このような患者さんに対しては、股関節を人工関節に取り替えてしまう方法(手術)が、最も手っ取り早く、効果も絶大なものがあります。しかし、あまり手術は受けたくないものです。手術にはある程度の危険が伴いますし、人工関節には耐用年数があります。また、急いで手術を受けなくても、運動療法をしているうちに股関節が自然修復され、痛みが軽くなってくることもあります。
当科では、他院で人工関節への置換を勧められた方が来院された場合でも、まず運動療法をしながら経過をみることから始めます。そして、症状の変化やX線検査の結果をみながら、現在と将来をどのように対処していくのが良いかをじっくりと話し合い、治療方針を決めるようにしています。
また、若い方であっても、将来、変形性股関節症に移行する可能性のある、『臼蓋形成不全』という股関節の構造を、もともとお持ちの方がいらっしゃいます。「脚の付け根に時折痛みを感じるが、自然と軽快する」「長時間の立ち仕事や歩行のあとに、脚の付け根が痛くなる」といった症状がある場合、この『臼蓋形成不全』が原因になっていることがあります。臼蓋形成不全には軽度なものから高度なものまで様々です。将来、変形性股関節症になる可能性が高い、中等度から高度の臼蓋形成不全をお持ちの方には、それを予防するための寛骨臼回転骨切り術をお勧めしています。入院期間やリハビリ期間が長いため、患者さんからは敬遠されがちですが、将来の不安を抱えながら生活していくこと、将来、人工関節になってしまうことを避けるためには勇気が必要かも知れません。
手術が必要かどうか、必要であるとすればどのようなタイミングでの手術が良いのか、日常生活ではどんな点を注意すれば良いのかなど、ご質問には、どんなことでもアドバイスさせていただいております。