悪性骨軟部腫瘍は最新の病理遺伝子学的診断に基づいた診断を用い、手術は低侵襲と患肢温存を中心に、先進医療「自家液体窒素処理骨移植術」等の治療も含めて行っています。化学療法(抗癌剤治療)は標準治療のほか、動注療法なども併用しています。
良性骨軟部腫瘍も病理遺伝子学的診断に基づいた診断を行い、治療が必要な患者さんを対象に手術等を含めた治療を行っています。

悪性骨軟部腫瘍の治療について

当診療グループは昭和42年より骨軟部腫瘍診として発足して現在までに45年以上の診断治療実績があります。現在までの骨軟部腫瘍登録症例数(転移性骨腫瘍を除く)も5000例を越えています。人体病学教室と密に連携をとり最新の遺伝子診断を含めて診断を行い、手術は低侵襲と患肢温存を心がけ、先進医療とし登録された「自家液体窒素処理骨移植術」等の治療も行っています。化学療法(抗癌剤治療)は主に悪性骨軟部腫瘍に対して行っています。
 

実績紹介(臨床)

2013年度
骨軟部腫瘍初診登録症例総数(本院のみ) 604例
良性骨軟部腫瘍 375例
原発性悪性骨軟部腫瘍 43例
転移性骨軟部腫瘍 186例
2013年度 年間手術症例数
順天堂大学附属順天堂医院(後方支援病院含む) 213例
順天堂大学附属浦安病院 85例
総数 298例

治療写真

骨肉腫

骨軟部組織の悪性腫瘍01
骨軟部組織の悪性腫瘍02

液体窒素

骨軟部組織の悪性腫瘍03液体窒素 処理中
骨軟部組織の悪性腫瘍04液体窒素 処理前
骨軟部組織の悪性腫瘍05液体窒素 処理後

転移性骨腫瘍について

転移性腫瘍に対しては2011年より特に力を入れてとり組んでおり、緩和的な考えを取り入れながら、各診療科の主治医と連携し、患者さんが元気な時間を長くとれるように、痛みのコントロールや動作の指導・リスク管理を検討しながら治療しています。骨関連事象カンファレンス(SRE: Skeletal Related Eventsカンファレンス) を行い、各診療科(原発科)、リハビリテーション科、放射線科、緩和医療チーム、病棟看護師チーム、退院支援チーム、薬剤師チーム、医療ソーシャルワーカーなどと合同で患者さんの診断・治療・マネージメントを集学的・横断的に行っています。

骨転移(治療前 ⇒ 治療後)

骨軟部組織の悪性腫瘍06脊椎転移 術前
骨軟部組織の悪性腫瘍07脊椎転移 術後

SREカンファレンス風景

骨軟部組織の悪性腫瘍08
骨軟部組織の悪性腫瘍09