潰瘍性大腸炎に対しての抗生剤療法と糞便移植療法の臨床研究について

臨床研究に関する情報公開
2014年6月より抗生剤療法(ATMかAFM療法)と糞便移植療法の併用療法を臨床研究としてスタートしました。対象は20歳以上の潰瘍性大腸炎の患者さんです。
問い合わせは消化器内科 火曜日午前の石川外来で対応しております。
療法(1)糞便移植療法
目 的 この治療は腸内細菌の乱れが原因と思われる種々の感染性腸炎や炎症性腸疾患の患者さんに対して、腸内細菌叢を健康に戻すことを目的に行われている治療です。
方 法 健康な人(本研究では20歳以上の2親等以内家族もしくは配偶者)から糞便を提供してもらい、それを処理したのち大腸内視鏡やチューブを使って腸内に移植する治療です。
成 績 この治療法はすでに欧米諸国では通常医療として行われており、その有効性は多数報告されています。C.difficile菌感染腸炎(抗生剤長期投与によって生じる難治性腸炎)についてはほぼ100%、炎症性腸疾患については約70%の患者の方が寛解(病気が落ち着くこと)し、そのほかの病気(自己免疫疾患、糖尿病、肥満など)にも応用され始めております。ただし、新しい治療には全て当てはまることですが、長期間の治療効果については結果が待たれているところです。薬物医療ではないため、薬剤性の副作用はありません。下痢、腹痛などの副作用も少数報告されておりますが、重篤な有害事象の報告はありません。
療法(2)抗菌剤内服療法(ATM療法、AFM療法)
方 法 この治療は腸内細菌のうち、粘膜に付着し病気を引き起こしていたり、または増悪する原因と疑われるFusobacterium variumという細菌を除菌することを目的に確立されてきた治療です。基本的には抗菌剤3種類(サワシリン、アクロマイシンVまたはホスミシン、フラジール)の抗生剤を2週間内服する治療です。
成 績 多施設共同の臨床試験が行われ、その治療効果が確認されています。
本臨床研究について
以上の治療については、現段階では保険治療としては認可されてはおりません。
本研究では、潰瘍性大腸炎の患者さんで他の治療が無効であった方、短期間で繰り返し症状が増悪する方、または強い副作用のある薬剤を希望しない方に参加していただきたいと思います。

本研究では上記の2つの療法を組み合わせて行う治療と、糞便移植療法のみ参加していただく選択肢があります。どちらの治療法とも腸内細菌に注目した理にかなった治療であり、治療成績も報告されているものです。組み合わせることによりさらに強力に腸内細菌叢を正常化することができ、治療効果が期待できると考えています。
問い合わせ先
順天堂医院
TEL: 03-3813-3111(大代表)

順天堂医院 消化器内科
責任担当医師: 石川 大