食道がん

食道にできるがんです。特殊食道がんとしてバレット食道がんや食道悪性黒色腫などもあります.胃がんや大腸がんと比べると比較的早い段階でリンパ節転移をきたします。胸部のリンパ節だけでなく、頚部、腹部のリンパ節にも転移します。
症状 つかえ感、胸やけ、吐き気、嘔吐、誤嚥、嗄声(声が枯れる)、胸部違和感、胸痛、体重減少などがあります。がんから出血があると黒色便や吐血、貧血の症状が出現します。
検査 内視鏡検査、消化管造影検査を行いますが、がんの深さ(深達度)や、リンパ節転移を調べるために、頚部・腹部超音波検査、頚部・胸部CT検査、超音波内視鏡検査などを行います。
治療 病状によって様々な治療を行います。 早期のもので、リンパ節転移の可能性がないものは、内視鏡を使って切除しますが、それよりも進行したものは、 頚部、胸部、腹部リンパ節郭清を伴う手術(3領域リンパ節郭清手術)を行ったり、化学療法(抗がん剤の使用)、放射線療法、手術を組み合わせて、より良い治療を行います。 当教室の鶴丸教授は食道がんを専門としていますので、是非、ご相談にいらしてください。

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食道裂孔ヘルニア

原因 食道の出口の筋肉が緩いため、胃の一部が胸腔内に入り込んでいる状態です。 胃から食道への逆流によって、逆流性食道炎や食道潰瘍をきたすことがあります。
症状 無症状のこともありますが、逆流性食道炎や食道潰瘍を合併したときには胸やけ、吐き気、胸部違和感、胸痛などの症状がおきます。
検査 内視鏡検査、消化管造影検査
治療 食道裂孔ヘルニア自体は治療の必要はありませんが、逆流性食道炎の症状が強いときには、薬物療法を行ったり、手術が必要になるときもあります。

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逆流性食道炎

原因 食べ物は食道から胃に流れていきますが、食道の出口を取り囲む筋肉が緩いため、または一時的な腹圧の上昇で、 胃酸が食道に逆流し、炎症をきたした状態です.食道に潰瘍をつくるものもあります。 炎症がなくても症状があったり、胸やけに気づかない人もいます。
症状 胸やけ、吐き気、胸部違和感、胸痛などがあります。
検査 内視鏡検査
治療 過食、寝る前の3時間以内の食事を避ける。肥満、便秘に注意する。寝るときに上半身を高くするなどを心掛けてもらいます。薬物療法で胃酸の分泌を抑え、消化管機能亢進薬で食道の運動・胃の排出を促進させます。

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食道粘膜下腫瘍

症状 無症状なことが多く、大きくなるとつかえ感、胸部違和感、胸痛などが出現します
検査 内視鏡検査、消化管造影検査、胸部CT検査、超音波内視鏡検査
治療 治療の対象とならないこともありますが、食道壁の浅いところにある場合は、内視鏡を使って切除します。深いところにある場合は、手術となります。良性の場合は、鏡視下手術を積極的に行います。

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食道アカラシア

原因 食道は食べ物が通過するとき広がりますが、下部食道のある筋肉が弛まないために広がらず、通過障害をきたした状態です。良性の疾患です。
症状 つかえ感、吐き気、嘔吐、胸痛などがあります。
検査 内視鏡検査、消化管造影検査
治療 薬物療法は軽症例に行います。それ以外は、拡張術(内視鏡、またはレントゲンで見ながら拡張を行います)を行うことが多いです。手術療法は、拡張術で効果のないもの、重症なものに行います。

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