おなか

臍ヘルニア

臍ヘルニアとは

臍ヘルニア
臍ヘルニア
臍ヘルニアって何ですか?
臍ヘルニア。いわゆる「出べそ」です。へそのところに穴(ヘルニア門)があり、そこから腹腔内の臓器が脱出してしまう病気です。
自然に治らないのですか?
1歳6ヶ月ほどで自然消退するのが多いですが、なかには残ってしまう症例もあります。
鼡径ヘルニアみたいに嵌頓するのですか?
余りありませんが、なかには嵌頓することがあるので注意が必要です。
治療はどうするのですか?
まずは自然と消退することがあるので1歳6ヶ月まで様子を見ます、しかし、
  • 年齢が経っても治まらない
  • 嵌頓してしまって戻らない・おなかが張ってきた・嘔吐を繰り返す
などありましたら手術になることもあります。

腸重積

腸重積とは

腸重積1
腸重積2
腸重積3
腸重積とはなんですか?
腸重積とは腸管が肛門側の腸管に嵌入してしまった状態です。嵌入した腸管および腸管を栄養している腸間膜といわれるものに血行障害を及ぼし、腹痛・血便等の症状を引き起こします。
どの年齢に起こりやすいの?
2歳までのどの年齢でも起こります。もちろん2歳以上でも起こることがあります。
何か原因があるの?
アデノウイルス感染などの先行感染により回腸の所属リンパ節やパイエル板が肥厚し、そこが先進部になると考えられています。また、繰り返し起こるものに関してはポリープやそのほかの器質的疾患により起こることがあります。
どんな症状なの?
突然おなかが痛くなります。発症は急激で、腹痛・嘔吐・血便を認めます。腹痛に関しては間歇的で、痛い時期と痛くない時期とを繰り返すのが特徴です。
どうしたらいいの?
なるべく早めに病院を受診してください。
どういう検査をするの?
浣腸してイチゴゼリーのような血便が出たらこの疾患を疑います。また、超音波や注腸検査で診断をします。
超音波でどう見えるの?
特徴的なものはターゲットサインといって腸管がいくつも重なっているように見えます。
注腸検査ってなに?
肛門から造影剤を使い圧力をかけなが流して行く検査です。このことを高圧浣腸といいます。これにより診断と治療ができます。ただし、発症してから時間がたってしまっているときや、全身状態が悪いときは行わないときもあります。
高圧浣腸ってどうやるの?
肛門に管をいれ、だいたい1mぐらいの高さから造影剤を流し込みます。これにより上のような写真が取れれば確定診断です。また、圧力をかけ腸管を口側にもっていくようにして重積している腸管を整復します。
手術はしなくていいの?
もちろん手術をしないといけない時もあります。高圧浣腸で整復できなかった場合は、可及的すみやかに手術をしないと、腸管が腐ってしまいます。おなかを開けて腸管が重なっている部分を戻しますが、腐ってしまっている場合は腸管を切ってつなげたり、場合によっては人工肛門にしないといけないときもあります。
再発することはあるの?
あります。高圧浣腸で整復したもので5~15%程度で半年以内に再発するといわれています。また手術で治した物に関しては5%以下と少ないとの報告があります。

腫瘍の疑い(神経芽腫・腎芽腫・肝芽腫 等)、脾腫

神経芽腫

腫瘍の疑い(神経芽腫・腎芽腫・肝芽腫等)、脾腫

小児脳腫瘍を除く悪性固形腫瘍の中で最も頻度の高い腫瘍です。交感神経の神経櫛より発生します。現在早期診断の目的で生後6ヶ月のときにマス・スクリーニングが行われています。

腎芽腫

小児腎腫瘍の中で最も頻度が多い。Wilmsが最初に報告したのでWilms腫瘍ともいわれています。後腎発生期に見られる後腎原基に類似した組織像を呈する腫瘍です。手術・放射線療法・化学療法の集学的治療により著しく治療成績が向上した腫瘍です。

肝芽腫

小児の肝原発性腫瘍の一種です。

そのほかの腫瘍

奇形腫・横紋筋肉腫・膵腫瘍・卵巣のう腫などがあります。

神経芽細胞腫とは

神経芽細胞腫とはどういうものなのですか?
小児期の脳腫瘍を除く悪性固形腫瘍の中で、最も頻度の高い腫瘍です。交感神経(おもに副腎髄質)より発生します。現在生後6ヶ月ごろにマス・スクリーニングが行われており、早期診断が図られています。
なにか原因はあるのですか?
神経芽細胞腫は交感神経の神経櫛より発生し、その未分化な細胞が腫瘍化したものと考えられています。基本的には染色体あるいはゲノムの異常が原因となっています。予後不良な症例では1番染色体短腕(1p36領域)の欠損が認められることがあります。
マス・スクリーニングってなに?
神経芽細胞腫では生後6ヶ月ごろに尿を採取し、神経芽細胞腫から代謝産生されるVMA HVAという物質を測ります。
症状は何かありますか?
早期発見例では臨床症状はあまりありません。
原発巣の症状としては
  • 腹部腫瘤触知
  • 発熱
  • 顔色不良
  • 食欲低下
  • 下痢
などがみられます。
転移症状としては
  • 下肢痛
  • 眼球突出
  • 皮下結節
  • 肝腫大
頚部・上縦隔原発の時には
  • 縮瞳
  • 眼瞼下垂
  • 眼裂狭小
がおこります。

急性虫垂炎(盲腸)、急性腸炎

以下のように症状が非常に似ています。経験のある小児外科医の診察及び診断が必要であると考えます。

急性虫垂炎(盲腸)

  • 臍周囲が痛い。しかし全体が痛くなることもある
  • 熱があることがある
  • 気持ちが悪い
  • 下痢をすることがある

急性腸炎

  • お腹全体が痛い
  • 熱があることがある
  • 気持ちが悪い
  • 下痢をすることがある

急性虫垂炎とは

急性虫垂炎ってなに?
虫垂炎とは盲腸の先端に位置する長さ5~10cm(成人)の突起物の炎症であります。一般的は盲腸炎と呼ばれています。
症状はどういったものなの?
典型的な症状としては右下腹部の痛みです。また、数日前から胃のあたりに違和感を感じはじめ、だんだん右下腹部に痛みとして感じられるようになるといったことが、急性虫垂炎の典型的なコースです。
治療はどうするの?
基本的に虫垂炎と診断された場合は手術となります。しかし程度によっては抗生剤で症状を抑えることがあります。基本的には手術です。当科におきましては手術適応の虫垂炎に対しほぼ全例、腹腔鏡下虫垂切除術を施行しています。
右下腹部に痛みがあるといったら虫垂炎なの?
とは限りません。腹痛にはいろいろな種類があり、右下腹部が痛い病気は沢山あります。熟練された外科医でも診断に迷うところがあります。数多くの症例を経験している施設ほど診断的中率は高いと思います。
症例経験は多いの?
当科には東京都下及び千葉県(浦安市、市川市等)の病院より小児の虫垂炎の患者さんが多数、搬送されてきます。小児外科だからという理由だけでなくて腹腔鏡下で手術が出来るという理由もあります。数多くの症例を経験していると自負しております。
手術はどうやってやるの?
今日われわれは原則としては腹腔鏡を用いての手術を行っております。しかし、炎症の程度がひどかった場合、腹腔鏡を用いないで開腹手術を選択することもあります。
腹腔鏡で手術した症例はどれくらい?
95年7月10日より腹腔鏡下虫垂切除術の施行を開始して以来、約110例(2003年8月15日現在)の症例を経験しております。患者さんの年齢は2歳~18歳までと様々です。
腹腔鏡のメリットは?
開腹手術に比べて、腹腔鏡下の手術のメリットは傷が小さいということが挙げられます。また腹腔内をこまなく観察でき、術後の合併症などが防げます。また、傷が小さいために治りも早く、特に問題(術後の腸閉塞等)がなければ、1週間以内で退院出来ます。

今後、虫垂炎で手術が必要と言われ、希望する病院を尋ねられた場合は是非、当科を希望し来院してください。

肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、腸回転異常症 等

肥厚性幽門狭窄症

  • 噴水状の嘔吐をする
  • お腹にしこりが触れる

胃食道逆流症

肥厚性幽門狭窄症、胃食道逆流症、腸回転異常症 等
  • 生まれたときから吐きやすい
  • 脱気時にもどしやすい
  • 吐物に血が混じるようになった

腸回転異常症

胃軸捻転症

肥厚性幽門狭窄症とは

肥厚性幽門狭窄症
肥厚性幽門狭窄症
肥厚性幽門狭窄症とはどういうものなのですか?
胃の出口の幽門というところにある「幽門筋」というのが飛行してしまい、食べ物が十二指腸等に流れにくくなる病気です。
なにか原因はあるのですか?
はっきりとしたものはありません。しかし、最近nitric oxideやCajal cellというものが関係しているのではと考えられています。
起こりやすい時期等あるのですか?
新生児期におこるときもあります。また生後しばらくしてから発症する症例もあります
どれぐらいの頻度ですか?
出生1,000人に対して1~2人くらいです。5:1の割合で男の子に多いです。
どんな症状が出るのですか?
特徴的な症状としては
  • 噴水状嘔吐
  • 脱水
  • 体重減少
  • 全身状態の悪化
などがあげられます。
どんな検査をすればわかるのですか?
超音波や上部消化管造影を行い、幽門のところの筋肉の厚みや、通過のしやすさ等について調べます。
検査でわかったらすぐ手術なの?
すぐ手術というわけには行きません。嘔吐を繰り返しているような状態では脱水症状を呈していますから、脱水の改善をしないといけません。また、脱水が進むと体の電解質のバランスも崩れてしまいますから、補正してあげないといけません。また施設によってはアトロピン療法をまず行い、改善がみられなかったら手術という施設もあります。
手術は大変なの?
大体手術を行う対象の年齢は生後何週間も経っていない症例ですから大変です。麻酔も安全にかけないといけないですし、手術に精通していないと危険ではあります。
手術時間は?
だいたいの手術時間は1時間30分くらいです。
手術はどうやるの?
幽門というところの筋肉が肥厚しているので、その筋肉を裂くようにします。
キズは残るの?
なるべく傷がわからないようにするために、臍の上のところで切ります。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体1週間から2週間くらいで退院となります。抜糸をしてから退院になります。

ヒルシュスプルング病、直腸肛門奇形(鎖肛) 等

ヒルシュスプルング病

  • 胎便の排泄が遅れている。
  • 便が出にくい。
  • 便が出るときに爆射状にでる。

直腸肛門奇形(鎖肛等)

  • 肛門が無い・肛門の位置がおかしい

ヒルシュスプルング病とは

ヒルシュスプルング病とは1986年にデンマークの小児外科医であるヒルシュスプルング先生が最初に報告したためヒルシュスプルング病と命名されました。

ヒルシュスプルング病
ヒルシュスプルング病ってなんですか?
ヒルシュスプルング病(以下H病)とは大腸の神経が先天的に欠如しているために良好な排便が得られず、頑固な便秘症状を呈する疾患です。
どれくらいの頻度で起こるのですか?
出生5,000人に対し1人の割合で発生し、男児に多い傾向があります。
どんな症状が出るのですか?
症状は出生後まもなくの嘔吐や腹部膨満、便秘ですが、幼児期および学童期に発見される例もあります。
どんな検査をするのですか?
まず腹部単純写真を行います。また注腸といってお尻から造影剤を流し込み、腸管の太さや長さなどを調べます。最終的には全身麻酔下で直腸の粘膜をとり、その粘膜に神経細胞が有るかまたは無いか、またその神経細胞がきちんと働いているかどうかを調べます。
手術をしないと治らないのですか?
レントゲン検査や組織検査でH病の診断がついた場合には、手術によって治す必要があります。
どんな手術をするのですか?
我が国で今まで標準的に行われてきた術式は 腹部を大きく切開し、神経の無い異常な腸管を切除して、正常な腸管を肛門まで引きおろしてくるという手術でした 。 しかし、最近は腹腔鏡を使って神経の無い異常な腸管を肛門から引きずり出してくるという手術が開発され当院でも標準的に後者を選択しております。
腹腔鏡というとなんだか心配です。
当院において10年近く、この術式を行い数多くの症例を経験してきましたが、現在まで目立った術後合併症はありません。
腹腔鏡でするメリットは?
腹部に出来る傷が小さいく、術後のいたみが軽くなり、最終的に入院期間の短縮につながります。腹腔鏡を使った手術は身体に与える影響が少ないのです。
どこにかかればいいのですか?
当院では週に一度、便秘外来を設けておりますので、たとえ程度は軽くともお気軽に外来を受診してください。

なにか心配なことがありましたら、順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科の外来にお越しください。