おちんちん

鼡径ヘルニア

鼡径ヘルニアとは

鼡径ヘルニア
鼡径ヘルニアとはどういうものなのですか?
鼡径ヘルニアとは腹膜の一部が内鼡径輪へと突出することにより発生する腹膜鞘状突起内に腹腔内臓器の一部が入り込んでしまった状態をいいます。男児では精巣が下降することに関与しています。生後7ヶ月ほどで近位端は閉鎖するのですが、それが開存したままで、その腹膜鞘状突起に過剰な圧力がかかると膨隆して見えるようになります。なかには腹水が溜まり、陰嚢水腫を呈する症例もあります。
どれくらいの頻度であるのですか?
全体の0.8%から4.4%といわれており、1歳以内に発生する症例が大半です。男児のほうが女児に比べて多く、右側の発生頻度が左側に比べて多いです。
症状はどんなのがあるのですか?
腹圧がかかったとき(啼泣時・立位時)に鼡径部の膨隆を認めます。腹圧がなくなれば自然に還納するのが普通です。
しかし、中には嵌頓といって膨隆が戻らない症例もあります。嵌頓時には
  • 不機嫌
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 腫瘤の硬結
がみられます。
嵌頓というのは何ですか?
もともと鼡径ヘルニアは小児症例の大半が鼠径管を通って脱出する「外鼡径ヘルニア」といわれるものです。そのうちおなか側の出口を「内鼡径輪」といい、鼠径管の出口を「外鼠径輪」といいます。その出口の大きさよりも脱出した臓器(腸など)の容量が多かった場合、なかなか戻らないときがあります。そうすると血流も悪くなるのでムクミが生じてきてしまい、より戻りにくくなってします。それが「嵌頓」です。
嵌頓した場合はどうしたらいいの?
すぐに病院を受診されることをお勧めします。嵌頓した時間が短ければ短いほど、合併症が少なくなります。是非ご相談ください。
手術しないと治らないの?
基本的には手術をします。ヘルニアバンドなどは血流を妨げてしまうことがあるので、お勧め出来ません。
また、嵌頓してしまった症例では、用手還納が不能であった場合は緊急手術をしないといけません。なぜなら、嵌頓してしまった臓器が腸管であった場合、血行不良により腐ってしまい、中には腸を一部切除しなければならない症例や、炎症がかなり強かった場合は人工肛門を造設しなければならないような症例もあります。可及的速やかに手術をしないとなりません。
手術はどうやってやるの?
待機的に行える手術の場合は、約1.5cm大の傷で行えます。基本的には脱出してしまっている臓器の還納と、脱出して伸びてしまっている腹膜の切除、そして鼠径管の補修を行います。 嵌頓してしまった症例ではかなり大きく開けて、おなかの中の状態を調べないといけません。なぜなら脱出した臓器が腐ってしまっていて、還納したら毒素が体中に回ってしまったという症例があります。ですから丁寧に観察しないといけないので、大きく開けることになります。 そうならないためにも早めに病院を受診することをお勧めします。
手術は大変なの?
手術自体は大体片側で30分ほどで終了します。
嵌頓している症例では約2時間ほどかかります。
キズは残るの?
なるべく傷がわからないようにするために、傷が一本になるように縫い合わせます。また、皮膚の皺に沿って切開することにより目立ちにくくするように努めています。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体3から4日くらいで退院となります。
嵌頓症例では約1ヶ月が目安です。

停留睾丸、移動性睾丸

停留睾丸

  • 睾丸が触れない
  • 睾丸が陰嚢内にない
停留睾丸とはどういうものなのですか?
精巣が胎生期に下降する過程の途中で止まってしまい、精巣がおちんちんの袋の中に無いものをいいます。
どういった症状なの?
大体の症例では包茎を伴っています。また、陰茎自体が皮膚にうずまってしまっています。
治療はどうするの?
手術をします。
手術後はどれくらいで退院なの?
順調に経過すれば大体1週間ほどで退院となります。

尿道下裂、包茎、埋没陰茎 等

尿道下裂

  • おしっこが出るところがおかしい
  • おちんちんが曲がっている
  • まっすぐ前におしっこが出ない

尿道下裂とは

尿道下裂
尿道下裂
尿道下裂とはどういうものなのですか?
胎生期における前部尿道の形成不全によって生じ、外尿道口が正常位置より近位に開口する先天性尿道奇形です。
どれくらいの頻度であるのですか?
文献によりさまざまですが、男児出生の125~300人に1人であるといわれています。
症状はどんなのがあるのですか?
尿道下裂の症状としては
  • 外尿道口が正常の位置とは違うところに開口している。(陰茎部>亀頭部・陰茎陰嚢移行部の順で多い)
  • 陰茎が背側に屈曲している
  • 陰茎部に余剰皮膚が多い
また、そのほかの腎・尿路系の合併症を伴っているときもあります。
遺伝はするのですか?
遺伝によるとははっきりとは分かっていませんが、なかには父親や、家族(兄弟)内発生が報告されています。
合併症というのは?
症状としては
  • 下部尿路では前立腺小室(尿道の一部が拡張してしまっている)
  • 停留睾丸
  • 陰茎前陰嚢
これらは尿道下裂の程度が高度になるに従い頻度は高くなっている。
手術はどうするの?
手術の目的は、
  • 陰茎屈曲の是正
  • 尿道口の作成
です。
尿道下裂の手術は現在200以上の手術術式が考えられていますが、われわれはSnod-Grass法というものを採用しています。
手術は簡単なの?
いいえ。非常に難しい手術です。
尿道を形成するということは、非常に繊細で愛護的に行わないといけません。慎重に且つ丁寧に、そして熟練した小児外科医が行う必要があります。
また、術式が200以上あるということは、かなりの頻度で術後合併症が起こるということで、世界中の外科医が合併症を少なくする方法を考案しています。
幸い、当科では現在行っている術式では合併症はあまり起こっていません。また、ほかの施設で手術をして合併症が起こってしまっている症例も手術し軽快しています。
術後合併症というのはどういうものがあるの?
合併症としては
  • 尿が漏れてしまい、皮膚と交通してしまう瘻孔形成
  • 尿道狭窄
  • 陰茎屈曲
などがあります。
手術して問題なければ大丈夫なの?
いいえ。
もともと男性ホルモンの産生機能が低下しているというのがベースにありますから、思春期以降に陰茎が短いということを訴える方もいます。こういった場合にはホルモン療法などをすることがあります。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体1週間から2週間くらいで退院となります。

包茎(真性包茎・仮性包茎)

  • オチンチンの皮がめくれない
  • おちんちんの先が痛くなる
  • 排尿時にぷくっと膨らむ

包茎

包茎
包茎
包茎
包茎
包茎とはどういうものなのですか?
おちんちんの先が剥けないことです。まったく剥けない真性包茎と、亀頭の先は見ることはできるが完全には剥けない仮性包茎とに分けられます。
なにか原因はあるのですか?
とくにはありませんが、包皮炎を繰り返すことにより瘢痕拘縮をおこしてしまい真性包茎になることもあります。
起こりやすい時期などあるのですか?
特にありません。
どんな症状が出るのですか?
おちんちんの先の出口が狭くなってしまっているので
  • おしっこがでずらい
  • おしっこをするときおちんちんの先がふくらむ
  • 包皮炎を繰り返す
などがあります。
すぐ手術なの?
包皮炎を繰り返すような症例では手術となります。また、嵌頓してしまった症例では緊急手術になることもあります。
手術の適応としては
  • 瘢痕化しているもの
  • 繰り返し包皮炎を起こしているもの
などです。
ただしこれら以外にも適応になる場合がありますので、小児外科の専門医の診察が必要となります。
手術時間は?
30分くらいです。
手術はどうやるの?
狭窄のあるところをとるように包皮を環状に切開し、狭窄を取ってあげます。
キズは残るの?
多少は残りますが、目立たないようにしています。

埋没陰茎

  • オチンチンが引っ込んでしまっている
  • 皮膚の先が狭くておちんちんが剥けない

埋没陰茎とは

埋没陰茎
埋没陰茎
埋没陰茎とはどういうものなのですか?
陰茎皮膚が陰茎体部に付着していない先天的奇形をいいます。陰茎が恥骨上の脂肪により隠れてしまっているものと区別する必要があります。
どういった症状なの?
大体の症例では包茎を伴っています。また、陰茎自体が皮膚にうずまってしまっています。
治療はどうするの?
陰茎が恥骨上の脂肪により隠れてしまっているだけの症例では、ダイエットをし脂肪を少なくすることにより陰茎の露出が図れる症例もあります。
また、包茎だけで埋没してしまっている場合は包茎の治療を施せば解消されることもあります。
しかし、それだけでは解消しないことがあるので、そのときは陰茎形成術をすることになります。
手術後はどれくらいで退院なの?
順調に経過すれば大体1週間ほどで退院となります。

なにか心配なことがありましたら、順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科の外来にお越しください。