せなか・おしり

膀胱尿管逆流症

膀胱尿管逆流症とは

膀胱尿管逆流症
膀胱尿管逆流症とはどういうものなのですか?
膀胱内のおしっこが膀胱に充満しているとき、または排尿時に尿管・腎盂・さらには腎実質内に逆流する現象です。
なにか原因はあるのですか?
腎臓で濾過されて作られたおしっこは尿管をとおり膀胱へと流れ込みます。この尿管から膀胱へ入る「膀胱尿管接合部」のところには逆流防止機能があるのですが、
  • 粘膜下尿管の長さ
  • 尿管口の形態と位置
の異常により機能が弱くなってしまい起こります。
先天的なものなのですか?
先天的に形成不全により発生している症例もありますが、神経因性膀胱や、尿道狭窄等による通過障害が起こってしまうこともあります。
症状は何かありますか?
最も多い症状は尿路感染症です。高熱と側背部痛などの腎盂腎炎症状が最も多いです。また、頻尿、排尿時痛などの膀胱炎の症状を呈して来院される方もいます。
また、消化管症状として発症することもあり、嘔吐、食欲不振、体重減少等を主訴にこられることもあります。
また学校検診で蛋白尿・白血球尿としてみつかるときもあり症状としてはさまざまです。
検査は何をするの?
尿検査で白血球尿が検出されれば尿路感染症との診断がつけられます。
膀胱尿管逆流症の程度を調べるのには
  • 膀胱造影(おしっこの管を入れ造影剤を流し込む)
  • MRIやMRU(MRIの泌尿器系をみるもの)

逆流していると腎臓にダメージを起こすことがあるので

  • 核医学検査(DMSA DTPA)
を行います。
治療はどうするの?
程度の軽いものに関しては成人になるにあたり自然に消失・改善が見られるものもあります。
しかし程度が悪くなればなるほど自然治癒は難しくなるため、手術をして逆流を止めてあげないといけません。
我々は小児科の腎臓グループの先生方と伴に診療を行い、適切なタイミングで手術を行うように努めております。
手術はしないといけないの?
そういう場合もあります。逆流が続くことにより腎実質にダメージを起こしてしまい、腎臓が働かなくなってしまうことがあります。そうなると人工透析等をしないといけなくなりますから、きちんと検査し適切なタイミングで手術を考えないといけません。
手術は何をするの?
人工的に膀胱尿管接合部を作り変えてあげる手術をします。膀胱内に入っている尿管をくりぬき、膀胱の粘膜の下にトンネルを掘ってあげてそこの尿管を縫い付けるという手術をします。
この手術は原因で記しました、「尿管の長さ」「尿管口の位置」を変更してあげることにより逆流防止機能を高めてあげるということを目的にしています。
また、程度の軽いものに関しては、「内視鏡下手術」というものも最近行われております。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体2週間~3週間で退院となります。
手術したら大丈夫なの?
逆流はしにくくなりますが、年に数回は検査をしないといけません。また暫くしてから再発してしまうことや、尿管口の狭窄が起こってしまったりするからです。きちんと定期的に外来通院し適切な時期に検査を受けてください。

二分脊椎症(背髄髄膜瘤)、背髄腫瘍(脂肪腫・奇形腫) 等

二分脊椎症(背髄髄膜瘤)
二分脊椎症(背髄髄膜瘤)

人の体は、脳と脳からの命令を伝える神経組織によって動いています。そのメインの神経の束を脊髄といい、脊椎骨の中に収まっています。

二分脊椎というのは、その脊椎骨が先天的に形成不全となり、本来ならば脊椎骨の中にあるべき脊髄が外に出て癒着や損傷しているために起こる様々な神経障害のことをいいます。多くは仙椎・腰椎に発生しますが、稀に胸椎・頸椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼします。

治療は出生後、速やかに脳神経外科医によって手術を行います。二分脊椎の半数以上に水頭症が合併します。脳や脊髄は脳脊髄液が満たされた骨の中にあるのですが、この脳脊髄液の循環が悪くなり、脳圧が上がってしまうと脳神経に重大な障害を引き起こすため脳圧を一定に保てるように「シャント」という管で脳室と腹腔を短絡し、脳脊髄液を逃がす手術を行います。

二分脊椎による運動機能障害は多岐にわたり、特に下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害による排尿・排便障害がみられ、そのために二分脊椎の治療には脳神経外科、小児外科・小児泌尿生殖器外科、小児科・思春期科、整形外科・スポーツ診療科、リハビリテーション科を中心にトータルなケアが必要とされています。また障害にもさまざまな程度があり、それぞれに合わせた適切な医療、教育、就職、結婚の問題までケースワークが求められています。

乳児痔瘻、肛門周囲膿瘍、裂肛 等

乳児痔瘻

  • 肛門の横に穴がある
乳児痔瘻

裂肛

  • 肛門の周りが赤く腫れているうんちをする時に痛がる
  • 発赤・腫脹があり触ると痛がる
肛門周囲腫瘍

肛門周囲膿瘍

  • 肛門粘膜又は肛門皮膚に亀裂がある
  • 排便後に出血(新鮮血)をする
  • 排便時に痛がる

胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症 等

胆道閉鎖症

  • 生まれてから肌が黄色くなった
  • 母乳をやめても黄色いまま

先天性胆道拡張症

  • 右季肋部や、背中を痛がる

胆道閉鎖症とは

どのような病気ですか?
胆汁の通り道である胆道が、生まれつきまたは生後間もなく完全につまってしまい、胆汁を腸管内へ排泄できなくなる病気です。(本来、胆汁は胆管を通って十二指腸に流れ、ここで食物と混じって栄養素の吸収を助けます。)
どれくらいの人になりますか?
おおよそ1万人に1人と言われています。
どういう人になりますか?
女の子に多く、男の子の約2倍です。
どうしてなるのですか?
原因はまだわかっていませんが、お母さんの胎内で一度創られた胆道が、なんらかの炎症により閉塞するものが多いといわれています。
遺伝するのですか?
遺伝はしません。
どんな症状が出ますか?
生後1~2ヶ月頃の赤ちゃんに、以下のような症状が出ます。
  1. 皮膚や眼球結膜(白目の部分)が黄染します(黄疸)。
  2. 便が白っぽくなります(灰色がかった白色、クリーム色、レモン色、など)。
  3. お腹の右上あたりに、肝臓が硬く触れます。
  4. ビタミン欠乏が起こり、場合によっては出血しやすく、脳出血を起こすことが稀にあります。
また、生後4ヶ月を過ぎると、栄養障害、肝硬変(貧血、蛋白質の不足、腹水、ビタミン不足、カルシウム不足など)の症状が出てくることがあります。
どのような検査をすればいいのですか?
血液検査、尿検査、便検査、肝胆道シンチグラム、腹部超音波検査などを必要に応じて組み合わせて行います。
(肝胆道シンチグラム:胆汁中に排泄される放射性活性物質を用いて、胆汁の流出状況を調べるもの。)
どのように治療するのですか?
手術(葛西手術)が絶対的に必要です。手術をしなくては、数ヶ月から数年以内に死に至ります。術後は、利胆剤(胆汁を流出を良くする)、ステロイド、抗生剤(最近感染を予防する)による治療が必要です。なお、術後長期的には、ビタミン剤、およびカルシウム剤などで外来通院による管理を行います。手術しても胆汁が流れるようになるとは限らず、そのような場合は肝移植が必要となります。
合併症もあるのですか?
術後の長期にわたり、以下の合併症に注意する必要があります。
(1)胆管炎:肝臓とつながれた腸の内容(細菌)に肝臓がさらされることによる感染と考えられています。
*胆管炎は、胆汁の流れを悪くし、手術後の経過に重大な影響を与えます。胆管炎を起こした場合は早期に適切な治療をすることが極めて重要です。
(2)門脈圧亢進症:肝臓が硬くなって肝臓の中の門脈という血管中の血液の流れが邪魔されることによって生じる現象です。食道の静脈が瘤のように腫れたり(食道静脈瘤:吐・下血の原因になります)、脾臓が腫れて血小板という出血を留める役目をもつ血液中の物質の数が減ったりする(脾機能亢進症:貧血や出血しやすくなる原因になります)、などがみられます。
(3)肝硬変・肝不全:放置するとやがて肝機能の障害が進行し、肝硬変さらには肝不全となり、腹水がたまったり、栄養状態が悪くなって成長できなくなったりします。治療には肝移植が必要となります。
(4)合併奇形:脾臓の異常、心臓・血管の奇形を伴う方が、約10%います。
手術が終われば、不自由なく生活できますか?
葛西手術により良好な胆汁排泄が得られ、肝臓の病変の進行が食い止められれば、その後のしばらくは良好なQOLが期待できます。しかし、手術を行っても黄疸が消失しない例も約40%にみられ、そのような患児は早期に肝移植が必要です。また、術後に胆汁排泄が得られたお子さんでも、きわめて長期間を経て前述の門脈圧亢進症、肝硬変・肝不全などへ病状が進行し、肝移植が必要となる方が多くみられますので、定期的な通院によるチェックが必要となります。

膀胱尿管逆流症、腎盂尿管移行部狭窄、膀胱尿管移行部狭窄、多嚢胞性腎症、多嚢腎 等

膀胱尿管逆流症

  • 尿路感染症を繰り返す
  • 背中をいたがる
  • おしっこが汚い
  • 気持ちを悪がる

腎盂尿管移行部狭窄

  • 胎児超音波で水腎症といわれた。
  • 特に症状はない

腎盂尿管移行部狭窄とは

腎盂尿管移行部狭窄とはどういうものなのですか?
先天的に腎臓の出口のところ(腎盂尿管移行部)に狭窄があり、おしっこの流れが悪くなってしまっている状態です。
なにか原因はあるのですか?
内因性・外因性の両方があります。
内因性としては弁状構造や尿管ポリープの存在、蠕動伝達が障害されている等さまざまな説があります。
外因性としては線維束による圧迫や尿管の屈曲、あるいは異常血管等による圧迫によると考えられています。
また両方を合併しているとの意見もあります。
症状は何かありますか?
症状としては特にありませんが、最近では胎児期・新生児期に超音波で指摘されることが多くなりました。
検査は何をするの?
程度を調べるのには
  • 膀胱造影(おしっこの管を入れ造影剤を流し込む)
  • 静脈性腎盂造影
  • MRIやMRU(MRIの泌尿器系をみるもの)

尿管の閉塞をきたすことにより腎臓へのダメージを起こすので

  • 核医学検査(DMSA DTPA)
を行います。
治療はどうするの?
胎児水腎症の半数は出生後に改善するといわれています。
しかし、検査の中にしるしたDTPAという検査で閉塞パターンといっておしっこの流れが著しく悪い場合や、DMSAという検査で腎機能の低下が認められたときは手術をしないといけません。
手術は何をするの?
腎盂尿管移行部の狭窄をとってあげるのと、拡張した腎盂を形成しなおしてあげること、そして健常な尿管と腎盂をつなげてあげることをします。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体2週間~3週間で退院となります。
手術したら大丈夫なの?
逆流はしにくくなりますが、年に数回は検査をしないといけません。また暫くしてから再発してしまうことや、尿管口の狭窄が起こってしまったりするからです。きちんと定期的に外来通院し適切な時期に検査を受けてください。

膀胱尿管移行部狭窄

  • 超音波で尿管が拡張しているといわれた

膀胱尿管移行部狭窄とは

膀胱尿管移行部狭窄とはどういうものなのですか?
先天的に尿道から膀胱に入るところ(膀胱尿管移行部)に狭窄があり、おしっこの流れが悪くなってしまっている状態です。
なにか原因はあるのですか?
尿管下端部の壁内神経節細胞の異常が通過障害をきたす原因ではないかと考えられています。
症状は何かありますか?
症状としては特にありませんが、最近では胎児期・新生児期に超音波で指摘されることが多くなりました。
検査は何をするの?
程度を調べるのには
  • 膀胱造影(おしっこの管を入れ造影剤を流し込む)
  • 静脈性腎盂造影
  • MRIやMRU(MRIの泌尿器系をみるもの)

尿管の閉塞をきたすことにより腎臓へのダメージを起こすので

  • 核医学検査(DMSA DTPA)
を行います。
治療はどうするの?
検査のところにしるしたDTPAという検査で閉塞パターンといっておしっこの流れが著しく悪い場合や、DMSAという検査で腎機能の低下が認められたときは手術をしないといけません。
手術は何をするの?
膀胱尿管移行部の狭窄を起こしている部分をとってあげるのと、拡張した尿管で膀胱尿管逆流防止術を施行します。
手術をしたら退院はどれくらい?
順調に経過すれば大体2週間~3週間で退院となります。
手術したら大丈夫なの?
逆流はしにくくなりますが、年に数回は検査をしないといけません。また暫くしてから再発してしまうことや、尿管口の狭窄が起こってしまったりするからです。きちんと定期的に外来通院し適切な時期に検査を受けてください。

多嚢胞腎

  • 胎児超音波で嚢胞があるといわれた
  • 特に症状はない

多嚢腎

  • 腎臓の機能が廃絶してしまっているといわれた

多嚢胞(multicystic dysplastic kidney)とは

多嚢胞腎とはどういうものなのですか?
腎臓はそもそも嚢胞が最も形成しやすい臓器のひとつですが、多嚢腎は異形成腎の一型で大小さまざまな嚢胞からなり、正常の皮質・髄質構造は認められないもです。
なにか原因はあるのですか?
尿管芽成分と後腎芽成分の分化発育に異常をきたしたためと考えられています。
症状は何かありますか?
症状としては特にありませんが、最近では胎児期・新生児期に超音波で指摘されることが多くなりました。
また、通常は腎機能が廃絶してしまっていますので、両側性の場合は生存は不可能です。片側の場合は腹部腫瘤や出生前診断として発見されます。
ほかの臨床症状をきたすことはあまりまりません。
検査は何をするの?
検査としては
  • MRIやMRU(MRIの泌尿器系をみるもの
  • 超音波
などを行います。
治療はどうするの?
経過観察することもありますが、消失しない場合は手術により摘出することもあります。

なにか心配なことがありましたら、順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科の外来にお越しください。