赤ちゃん、こどもの体内に異物を残さない

われわれは、特殊な手術を除き、殆どの手術に「溶ける糸」を用いることで、抜糸などの処置による患者さんの苦痛を回避すると共に、縫合糸による合併症(膿瘍形成・肉芽形成・感染症)を起こさないように努めております。

我々の施設では、赤ちゃん、こどもの体内に極力異物を残さない努力をしております。これは、

  1. 抜糸をする際などに痛みや恐怖心を覚えることがあり、精神的苦痛につながること
  2. 体内に異物を残すことで、手術後に感染症や合併症を起こすリスクが増える

外科手術において縫合糸は最もよく使用される医療材料でありますが、日本の施設では小腸や大腸腸管を処理する際に、(止血目的で)絹糸(silk)を使用することが多いのが現状です。
しかし、絹糸のような「溶けない糸」が原因で組織反応、異物反応を引き起こし術後感染症や肉芽組織形成による合併症等が報告されております。また、1999年にHospital Infection Control Practices Advisory CommiteeのMangram AJらがInfec Control Hosp Epidemiolに「手術部位感染防止ガイドライン (Guideline forprevention of Sugical site infection)」で「組織は丁寧に取り扱い、効果的な止血を維持し、死滅組織や異物(縫合糸、焦げた組織、壊死組織片等)を最小限に止め、手術部位の死腔をなくす」ことが述べられており、欧米では極力「溶ける糸」が選択されています。

当科でも患者さんへより良い医療をご提供することを最優先に考え、さまざまなリスクを回避しうる「溶ける糸」の使用を徹底しております。
溶ける糸は、

  1. 吸収されて体外に排出されるため異物として残らない
  2. 抜糸の必要がない
  3. 感染、その他の副作用を極力軽減出来る

という利点があります。
当科では主にJohnson & Johnson社製の「PDSII」、「Monocryl 」や「Vicryl」の「溶ける糸」を使用しております。

なにかご不明な点がございましたらお問い合わせください。