アイルランド留学記その2

(平成14年卒)土井 崇
The Children's Research Centre Our Lady's Children's Hospital Dublin, Ireland

こちらに来て早や約1年半が経過しました。今この留学記を書いている4月は、長い冬を越したあとの、とても良い季節です。アイルランドの緑がより一層際立ち、日が伸び、暖かく天気の良い日が増えます。私はダブリン市内でも少し外れの田舎町に住んでいるので、家のすぐ隣には牛や馬がたくさん居る牧場があり、大自然の中、大変有意義な生活をさせて頂いております。
現在、2つの研究プロジェクトを同時進行させており、一つの研究は、アイルランド国立ダブリン大学にて、重金属のカドミウム投与による鶏の臍帯ヘルニアモデルを利用し、責任遺伝子と蛋白の解明のための研究をしています。ダブリン大学での研究は、昨年ドイツのライプツィッヒで開かれた学会(PSR)で発表し、幸運にも賞を受賞することができました。また、プレム教授とともに、以前は田中(旧姓中澤)先生らが取り組まれていた、ナイトロフェン投与によるラットのCDHモデルを引き続き利用させて頂き、その病態解明と、特にCDHに関連して起こる肺低形成に注目し、その分子学的な機構と将来的な臨床治療への応用を追究しています。この研究所は長い歴史を持つ古い建物でしたが、今年初めに改装され、これまでの実験室が3倍以上にも拡張されたことで、実験設備も大変充実しました。この研究所での仕事は昨年のトルコのイスタンブールでの学会(EUPSA)で発表し、ここでも幸運にも賞を受賞できたのを始め、スペインのサラマンカでの学会(BAPS)とアメリカはボストンでの学会(AAP)でも発表させて頂きました。昨年の1年間を振り返りますと、合計5つの学会発表の機会を得ることができ、2つの賞を受賞し、5つの論文投稿(筆頭4つ)もできました。本当に運が良かったんだな、と思います。今年は運だけではなく、昨年得られた貴重な経験を確実に活かし、年間6~7回の学会発表と同じ数の論文投稿ができることを目標にしています。現在のところ、この5月と6月で4つの学会発表での口演が決定しており、2つの論文を既に投稿し、残り2つの論文は現在作成中ですので、今のところはまずまずのペースで来ていると思っています。人それぞれ何に重点を置いて研究するかは違うと思いますが、留学中の私にとって一番大切なことは、何よりも「論文を書く」ことだと思っているので、なるべく多くの論文を書くことをまず第一に心掛けて、今後も研究により一層励んでいきたいと考えています。
最後になりましたが、私にこのような留学の機会を与えて下さっている同門会の先輩方、大学の教授を始め医局員の皆様に、この場をお借りしまして心から感謝申し上げます。引き続き、順天堂大学小児外科の代表として恥じない研究をしていくとともに、帰国後いずれかの形で医局に貢献できるよう、色々な経験を積んでいきたいと思います。