留学体験記:ミシガン州アナーバーより

平成17年卒  末吉 亮(2011.3~2013.5)

 2011年3月から渡米し、早1年が経過しました。 お陰さまで3週間、岡和田先生との引き継ぎの期間を頂き、生活のセットアップを早い時期に整えられ、充実した留学生活を送っております 。しかし、日本では経験のなかった基礎研究を英語の環境で始めることは、想像以上の大きな課題でした。留学当初は、実験でつまずいた時も、英語でわからない点を説明すること自体が難しく、暗中模索の日々が続きました。最近になり、Teitelbaum教授の配慮により、指導役の研究者と共に仕事を進めることができるようになり、少し道が開けてきたような印象があります。

 自分の研究テーマは、IL10ノックアウトモデルを用いた炎症性腸疾患に対するアンギオテンシン変換酵素阻害薬の効能、そして マウス短腸症候群手術モデルのメカニズム解明、ブタに腸管拡張デバイスを埋め込むことでの腸管拡張モデルです。 これらは古賀先生、岡和田先生と脈々と引き継がれてきた研究テーマであり、自分一人の研究ではなく、研究会社との共同研究や、ミシガン大学工学部との共同研究もあるため、常にプロとしての結果が求められます。 ミーティングもTeitelbaum教授とマンツーマンのdiscussionではなく、アメリカ人のいつでもお互いの質問が繰り返される状況の中、少しでも自分の意見を伝えられるよう心がけておりますが、実行することはなかなか難しいです。

 そのような中、印象深い体験をしました。初めてブタの手術を執刀した時、英語のコミュニケーションでわからないことが多々ある中、手術手技のコミュニケーションはとてもスムーズに感じました。手術も言葉の壁を越えられるのかと実感しました。

 また、留学のもう一つの目的は、異文化交流し、自分の見識を広げることでもあります。欧米人の宗教に対する思想、家族生活をとても重視する点、食生活の違い等、日本では感じられなかったことを肌で感じ、少しでも人間性を豊かにできればと思います 。

 そんな留学生活の基盤は、家族のサポートにより支えられています。4ヶ月で渡米してきた息子も、日々成長しており、自分も負けていられないと感じております。

 今年は、この1年間やってきた研究を多くの学会で発表し、できるだけインパクトファクターの高い論文で報告できるよう励みたいと思っております。

 最後になりましたが、このような海外留学の機会を与えてくださった山髙教授、及び同門会の諸先輩方に、この場を借りまして感謝を申し上げます。そして、順天堂代表として、このアメリカで、諸先生方に恥じないような良い仕事ができるよう日々精進してまいります。

(2012.12記)