留学報告

瀬尾 尚吾

 カナダ・トロントのThe Hospital for Sick childrenでの、2年半に渡る留学を無事に終えることが出来ましたので、ご報告させていただきます。

 異国の地での新生活に期待と不安の入り混じった気持ちでカナダに到着した日を思い出します。トロントはカナダ最大の都市ですが、都会でありながら自然が身近にあるとても綺麗な街です。冬は体感温度でマイナス30度にも及ぶほど厳しいですが、その分、夏はとても過ごしやすく、美しい所です。

 基礎研究の経験が全くなかったことに加え、言葉・文化の違いから、赴任当初は色々な苦労をしました。言いたいことも伝わらず、実験ではなかなか思うような結果が得られず、孤独感と無力感で落ち込んでいたこともありました。ただ、それでも周りの人たちに支えられながら続けていくうちに、徐々に自分のアイデアが形となり、カナダ小児外科学会(CAPS)、アメリカ小児外科学会(APSA)、ヨーロッパ小児外科学会(EUPSA)等といった舞台で発表の機会を得られるようになりました。壊死性腸炎のマウスモデルを用い、腸管神経叢と病態の関連性や、Vasoactive intestinal peptideの抗炎症効果とバリア保護効果、一酸化窒素と腸管運動などといった事を研究テーマとし、現在それを論文にする段階にまでたどり着くことが出来ました。

 不慣れな環境で、今までと全く違った仕事をするなかで、ラボのメンバー、医局の皆様、家族、友人など、周囲からの支えを強く感じ、その感謝の気持ちを忘れることはありません。日本にいては感じ得なかったことを感じ、いろいろな刺激を受け、多少なりとも成長できたのではと思います。本当に素晴らしい留学生活でした。

最後になりますが、この素晴らしい機会を与えてくださった、山髙教授を始め、同門会の諸先輩方、支えて下さった医局の皆様に、この場をお借りして心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。