英国留学報告

澁谷 聡一

 平成22年卒の澁谷聡一と申します。私は2019年の1月より英国University College London内の小児疾患研究施設であるGreat Ormond Street Institute of Child Health (GOSICH)に研究留学をさせていただいております。順天堂からGOSICHへの留学は久々となりますが、再生医療を研究したいという私の希望に対する山髙教授のご厚意により、実現に至りました。

 所属研究室のPaolo De Coppi教授は、小児外科医であると同時に幹細胞を用いた再生医療にも通じており、幅広い視野から新規治療開発を目指した研究を指揮しています。多数のプロジェクトが同時に進行する中、私は主に食道と肺に関する研究に携わっております。前者はブタ食道を足場にヒト由来の平滑筋前駆細胞を培養することで移植グラフトを作成する研究で、食道閉鎖症の新規治療として臨床応用が期待できます。後者は先天性横隔膜ヘルニアにおける低形成肺の新規ex vivoモデルを立ち上げており、こちらも将来的には胎児治療と関連させることを目標としています。

 臨床と大きく異なる研究の世界は慣れないことが多く途方に暮れることもありますが、繰り返しにより基礎を体に染み込ませ、さらに効率的な方法を見つける、期待通りの結果が出なかった時に原因を追求して同じ失敗を繰り返さないようにする、といった学びのプロセスは外科の世界に通じるところがあり、少しずつ自身のスタイルが形成されつつあります。幸いにも子ブタからの臓器摘出やマウス胎児からの肺検体採取など、外科的手技も必要とされ、外科医として新たな技術を習得する機会にも恵まれております。また、週1回の臨床カンファレンスにも参加を許可していただき、臨床に対する情熱も保つことができています。

 現在は無給であるため貯金を切り崩しての粗末な生活ですが、申請中の奨学金やグラントの獲得が成功し、安定した(少し娯楽のある)生活を送れるようになることを夢見て精進して参ります。引き続き同門の先生方からのご支援、よろしくお願い申し上げます。

研究所前のBrunswick Squareにてラボの仲間たちと