米国留学体験記、研究室で働くまでの経緯

石山 明日香

2020年7月からアメリカのJohns Hopkins medicine 小児外科、Hackam教授の研究室でPostdoc fellowとして働かせていただいています平成22年卒の石山明日香と申します。今回の留学記では、子持ちである私が研究室で働くようになった経緯とコロナ禍でどのように共働きの体制を整えたかを述べさせていただきます。

私が渡米したきっかけは、2019年の10月に夫の留学のため医局を休職させていただき、家族で同行したことでした。生後3ヶ月児を含む子供3人を連れての生活立ち上げは評判通り壮絶で、家族が安心して暮らせる環境を整えることだけに集中し毎日無我夢中で過ごしていました。2か月ほどが経ち生活が安定するようになった頃から自分の語学力を向上させようと教会のママさん英語教室 (日中開催、子供同行可) に週一程度で通うようになりましたが、赤ちゃん連れの教室では数十分もすれば泣き出してしまい途中退室してばかりでこのままでは買い物のレジ以外で英語を話す機会がほぼなく2年間過ぎてしまうかもしれないと焦燥感を抱きました。一方で長年の夢であった研究留学ができるこの絶好の機会を逸しては一生後悔するかもという気持ちがずっと燻ってもいました。その頃、ちょうど現地で研究室に雇用された方と知りあう機会があり、私は外科でありPhDでもあるため就職に有利だと聞き、恥より失うものはないと研究室に申し込む決心をしました。山髙教授の寛大なご厚意によりお許しと御推薦をいただき、経験者の丁寧なご指導により幸運にも現在の研究室から良い返事をいただくことができました。しかし、いよいよ研究生活が幕を開けるという矢先の2020年3月、コロナウィルスによるパンデミックが直撃し全学校閉鎖、ラボも緊急閉鎖という大混乱に陥ってしまいました。私の就職開始時期も一旦延期となり、家族が健康でいられることに感謝しつつもこの先どうなるのか、就職内定も取り消されるのではと不安を抱え過ごしていました。そうして2か月が過ぎた頃、大学のラボ全体が少人数ながら再開されるとの噂を聞き連絡したところ、まだ就職する気があるなら来てほしいと返事をいただき7月から正式に働けることとなりました。そこで問題となったのは3人の子供の預け先でしたが、知り合いの中国人の老夫婦が御自宅で子供3人を預かることを快諾して下さり、また本当に愛情深く接していただきすぐに子供が慣れてくれたことは本当に有難かったです。また、Johns Hopkinsでは、county内の全学校が閉鎖されオンライン授業に切り替わったことから就学児がいる家庭にITデバイス機器補助金と月々の児童委託先 (ホームスクールや家庭教師) にかかる金額も上限付きで一律に保障するとともに、未就学児用の奨学金申請が許可されたことで子供にかかるほぼ全てのお金を賄うことができ、夫婦共働きの体制も整いました。

私のラボでは主にNECの研究をしており、NECの病態と早産児腸管におけるTLR4発現の強い相関性を提唱しています。私の研究内容については、また次回がありましたらご報告させていただきたいと思います。

末筆になりますが、先生方に御指導していただき取得できたPhD、諸先生方の留学中に逆境を跳ね返された御経験談と子供を持って留学の夢を諦めかけていた私に夫について行ってからでもチャンスがあれば挑戦すればいいとかけていただいたお言葉、同期生の留学先での奮闘のどれもが私の背中を押して下さりこうして研究留学をさせていただけています。山髙教授を始め順天堂小児外科医局の皆様方に心から感謝申し上げますとともに、引き続き身を引き締めて励んで参ります。